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2015/04/27

『ニコニコ超会議』に似合わない展示…

初めて『ニコニコ超会議2015』に参加してきた。

 
このイベントは、今年で4回目。来場者は、15万1115人を記録し、前年比20,9%増だったそうだ。会場も幕張メッセ全体を使って広げたのだが、超満員。正直、私は人当たりした(笑)。
 
046
 
ニコニコ超会議についてあまり説明の必要はないだろうが、「ニコニコ動画」などを運営する株式会社ドワンゴが、「ニコニコのすべて(だいたい)を地上に再現する」をコンセプトにして開いているもの。100以上のブースでネットカルチャーをリアルに体験できる、とある。
 
担当者によると「ニコニコのオフ会」であり、何かコンセプトを掲げて出展者を選ぶことはなく、ごった煮的に出展してもらう。私なんぞは「オタクの殿堂?」と思っていたのだが、実際は相撲や将棋・囲碁といった伝統文化やロボットなどハイテク技術も登場する。自衛隊や在日米軍、警視庁も(警備ではなく)出展する。もちろん主流は、フィギアにアニメに鉄道にコスプレなどオタク系のサブカルが多いのだが。 
 
ある種、(心の)規制を取っ払って、自由な解放区を生み出したかのようだ。通常はできないコスプレ姿で歩いても誰も驚かないし、一般には口にできないアイデアや行動を表に出せる空間なのだろう。
 
そうそう、昨年は政党がズラリと並んで、首相が街宣車で演説するシーンもあった。今年は民主党だけ。ちょうど統一地方選挙の日程とかぶったため……という(あれ? ならば民主党は地方選を投げたの?)。
 
 
それにしても広いしどこも満員だ。私は何に焦点を当てて見学……楽しもうか。 
 
台湾から来たという少女のブースで彼女らの写真集を買いかけたり、地対空ミサイル・パトリオットや艦隊コレクションにかぶりついたり、モビルスーツ的なロボット操縦に憧れたり、待ち合わせ場所として設置された?本物のタルボサウルスやマイアサウラの恐竜化石に見入ったり、ホリエモンも出演していた「超言論」ディベートに聞き入ったり……と超広い会場中を走り回った。歩数計は1万歩をあっさり越えたよ。
 
042 台湾少女!
 
 
 
が、これではイカン。森林ジャーナリストとして、独自の視点を持たねば。と我に返る。(この発想自体がダサイかもしれんが。)
 
そこで、思いついた。「ニコニコ超会議」にもっとも場違いな展示を探そう。
 
いかにもニコニコ超会議だなあではなく、えっ、これもニコニコ超会議に出展?と思う展示コーナーはないか。
 
まず目をつけたのがニコニコ学会βのコーナー。
さまざまな珍妙な研究成果が開陳されているのだが……。「女の子のニオイ合成香水」や「人類美観化計画」もマジメな研究らしいが、やはりニコニコ的だなあ。
 
日本うんこ学会のブースでは、その派手派手しい「大腸菌擬人化少女」に見とれてしまったが、実はマジメな大腸ガン検診の呼びかけであった。ああ、我が家は大腸ガン家系。気をつけねば……とマジメに考える。
 
Img001 「うんコレ」とはスマホゲームらしい。
 
 
そんな中で、ついに見つけた。ポスターセッションだが、「東京タヌキ探検隊」「東京コウモリ探検隊」
 
なんと東京の野生動物を調査した結果を発表しているのだ。そして分布図も作っている。生身の動物の話なんて、ニコニコ世界に似合わない?
 
ブースの担当者(宮本拓海氏)に話を聞いてみると、彼は動物の専門家ではなくアマチュアとして調査に取り組んでいるそう。方法は、ネットで呼びかけ、目撃例を写真付きで送ってもらうのだそうだ。
 
それにしても展示を見るとタヌキやコウモリがそれなりに生息しているのは想像できる(だって、『平成狸合戦ぽんぽこ』で描かれたように、多摩を追われたタヌキは街中に隠れ住んだではないか)が、意外やハクビシンがタヌキより増加している。一方で外来種のアライグマは案外増えていない。
そして驚いたのは大田区でアナグマが発見されたという点だ。これは、かなり価値ある発見ではないのか? 本物の学会で発表してもいいのでは、と思ってしまった。アナグマは希少種ではないが、あまり見かけることはない。とくに都会では。このアナグマの写真は、ハクビシンと間違えて送られてきたそうだが、超殊勲賞ものだ。
 
 
しかし、ネットで呼びかけて目撃情報を集める手法は、ニコニコ的かもしれん。
しかも彼は非正規労働者だとかで、この場で活動資金の募集もしている(~_~;)。
 
027 このブースだけ異彩を放っていた(笑)。
 
 
思えば、日本うんこ学会もサブカル的手法(細菌の少女擬人化)で呼びかけることで大腸ガン検診の認知度を上げるのが目的だそう。相撲や囲碁将棋などの出展も、若者ファンを増やすことが目的だろう。
 
なるほどニコニコとは、テーマやコンセプトではなくて、形式・手法、あるいはツールだと考えるとよいのかもしれない。いかなる分野もオタク的?な切り口で取り込んでしまえば、これまでになかった展開が可能になる……。
 
応用の効く分野(産業界、組織、ビジネス)はいっぱいあるのではないか。
 
そういや私も森林ジャーナリストという肩書の非正規労働者。ニコニコ的手法で仕事の幅を広げるのもいいかもなあ。樹木の少女擬人化とか……。
 
 

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コメント

樹木の少女擬人化はかねてから考えてましたが、
なかなかいい案が浮かびません。

もしアイデアがありましたら、ちょこっとだけ教えてくださいませ!

何と言っても、キャラを立てることでしょう!
 
ツイッターのピリヒバ@pirihiba さんの樹木擬人化は非常に気に入っております(^o^)。以下のサイトがありますよ。
http://pirihiba.web.fc2.com/index.html

このキャラでドラマをつくるかな。。。

ありがとうございます!

これ面白いですね。早速フォローさせていだだきます。

ニコ動で鉄道の歴史関連を一時期見てましたけど、森林鉄道ネタは少なかったような。本も出てる分野なので需要はあると思うんですが、最近はどうなのかな

森林鉄道ファンには、出展できるほど資力がないということです(笑)。

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