葉桜の毛虫
世間はゴールデンウィーク。そして新緑の美しい日々になった。
サクラもソメイヨシノからヤマザクラ、八重の桜と移り、さすがに今はどれも葉桜となった。
そして発見したのが、こんなの。
サクラは何かと特徴の多い樹木だが、害虫が多い、とくに毛虫・芋虫がよく大発生するというのも特徴ではないか。
この毛虫の種類は何か、私は詳しくないが、調べてみるとエゾシロチョウに近い気がした。ほかにオビカレハ、マイマイガ、アメリカシロヒトリ……など大発生する種はたくさんある。
見て気持ちのよいものではないが、これが蛾や蝶になれば、それなりに見映えがする。
ちょうど蝶マニアを迎えるに当たって、奈良県で蝶々をたくさん見られるところはないか、という質問をいただいているのだが、誰か心当たりがあったら教えてほしい。
ところで、以前森の中でキャンプしていたら(文字通り、森の中。樹木の下)、夜中にテントをたたく音がする。パラパラ、パサパサと何かが落ちてくるのだ。雨かと思って外を覗いても、何もない。
不思議な、謎の体験だった。それこそ、昔ならこうしたケースは妖怪の仕業とされて、何か民話や言い伝えの類を生み出すのだろう。
しかし、朝起きて確認するとわかった。テントの周りにたくさん落ちていたのは、毛虫、もしくは芋虫の糞である。糞と言っても、食べた葉っぱを消化して丸めたような小さな粒。
そうか、毛虫はせっせと葉っぱを食べて、夜に排泄しているのか、と合点がいった。それがテントをたたいたのだ。糞の量から、ものすごい葉の量を食べていることが想像できた。これでは、せっかく伸ばした新しい葉が失われてしまう。
だから毛虫を放置すると、あっと言う間に新緑は食べ尽くされてしまう。森だったら樹木が多いから被害を拡散させるのかもしれないが、サクラなど庭園木にとっては被害甚大だろう。
新緑の季節は、毛虫の糞の雨の季節なのでした。
« 外資の森林買収統計の裏で… | トップページ | 人は樹木になれるか? »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- 足立美術館の庭園(2023.12.06)
- 林業界のエコーチェンバー(2023.11.23)
- ニューギニアで噴火したウラウン火山を訪ねた記憶(2023.11.20)
- 「切り株の上の生態系」の遷移(2023.11.19)
- 車検の日に5時間歩いて見たものは(2023.11.13)
コメント