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2015/05/11

藤の生存戦略

今、もっとも山野で目立つ花と言えば、私は藤を思い出す。

 
2
文字通り、藤色の花は、新緑の中でもよく目に入る。高みにも地面すれすれにも、花は里山の林冠を覆わんばかりに咲いているのだ。
 
しかし、藤が大木になるわけではないのはご存じのとおり。
大木に巻きついて、樹冠まで駆け上り、そこで葉と花を広げる。肝心の巻きつかれている大木の枝葉を抑え込むように……。
たまにスギの樹冠全体を覆って、まるでスギが花を咲かせているように見えることもあるが、多分、スギは徐々に樹勢を衰えさせて枯れるだろう……。
 
小さいながらも可憐で美しい花とは違って、たくましいというか、寄生している親木を乗っ取るようで怖くもある。
 
そういや、ボルネオの熱帯雨林にもイチジク科の植物だったと記憶するが、蔓を巻きつかせて大木をよじ登り枝葉を広げる植物があった。やがて親木は絞め殺されて枯れ腐り落ちるが、その頃には巻きついた蔓が幹を覆い尽くしているから、中がガランドウの不思議な網目状の大木になる……というのを見学した。
 
写真を探したが、ちゃんとしたのが見つからない。
 
14 ま、こんな感じ。
 
藤は、ここまでいかないにしろ、似た生存戦略を取るわけだ。
 
植物にとってもっとも大変なのは、周辺に負けないよう太陽光を浴びるため背丈を早く伸ばすことだが、その競争の勝者でである大木に寄り添うように蔓を伸ばしてさっさと高みに達して、もっとも光を浴びられるように葉を広げるなんて。
 
トップに寄り添う二番手に見せかけて、実はトップを追い落とす戦略(^^;)。
 
一見、卑怯?な生き方と思いがちだが、実はリスクの高い背丈を伸ばす部分を他者にゆだねて、収穫に当たる部分に持てるエネルギーを集中する発想は、今の世の中、もっとも優れた生存戦略かもしれない。
実際、リスク部分を他者と分かち合って分散させるマネジメント手法は、ビジネス手法的には非常に正しい。金融商品にもある。そしてリターンはできる限り独り占めするのである。
 
この戦略に釈然としない人は、ビジネスに向いていないね。。。私のことだけど。

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