遅まきながら、『神去なあなあ夜話』を読んでいる。
前作『神去なあなあ日常』は出版直後ぐらいに読んで、それを映画化した『WOOD JOB!』も昨年見たわけだが、その続編である『夜話』は読んでいなかった。
なぜって? いやあ、まあ、たいした理由はない。それを今頃読んだのは、たまたま目に止まって購入したというだけである。
正直、前作より私にはしっくり来る。前作はちょっと突飛な部分も目についたが、本作はむしろ日常的な山村の暮らしが目に浮かぶ。
小説としての作品論をここで展開するつもりはないが、気になったところ。
三郎じいさんという、おそらく70歳を越えているという設定の登場人物が主人公に林業事情について語ったところだ。
「やる気のある若いもんのおかげで、林業は変わった。俺は、林業の全盛期も衰退期も知っとるが、いまの雰囲気が一番好きや。この調子なら、林業は時代に応じて生きのびていけるかもしれんと、希望を持っとる」
ほお。そうした林業感もあるのか。
もちろん、これは小説で、このセリフも作者の三浦しをんが創作したものである。しかし、おそらく取材の結果、本人がそう感じたのかもしれないし、あるいは取材した林業関係者が語った言葉を上手く活かしたのかもしれない。
たしかに林業全盛期というのは、昭和30~40年代のいわば木材バブルの時代。あれは異常な材価に踊っていた時期で、決して林業としてはよくはなかった。むしろ、あの時代に浮かれたから、その後の衰退期がある。
そして衰退した理由が、ほとんどビジネスになっていない林業界の構造的あり方の問題だと思っているので、これも困ったもんである。
しかし、今が一番よいのかあ。。。。やる気のある若い者がおかげかあ。。。。
ぜひ、そんな認識が広がってほしいね。いまだに「林業はダメだダメだ」と文句言って、昔を懐かしんでいる人が多そうだから(⌒ー⌒)。
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