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2015/06/29

書評「銀座ミツバチ物語part2』」

読みました。私ではない私の本。
 
Photo 「銀座ミツバチ物語 part2 」 田中淳夫著 時事通信社刊
 
銀座でミツバチを飼い始めて、10年を迎えたそうだ。
改めて読んで、ものすごい勢いで活動が拡散していたことを知る。
 
まず農業生産法人「株式会社銀座ミツバチ」を設立している。銀座の屋上に蜜源をつくる試みでは、10か所に1000平方メートルの花畑をつくっているそうだ。もちろん、浜離宮や皇居、そして街路樹などの蜜源も重要だ。
そして、ハチミツの生産量は、なんと1トンを越えているというのだ。これは、全国的に養蜂が減少してハチミツ生産量も落ち込む中で、スゴいことである。
 
 
「はじめに」では、東日本大震災が起きて1カ月、福島に銀座のクラブのママさんやバーテンダーを連れて花見に出かけたことが記されている。主に土湯温泉に慰問として訪れたそうだが、そこで大歓迎を受けて銀座ハチミツ入りのカクテルなどを2000杯もつくったという……。
なんか、その記述だけで目が潤んでしまった。
ほかにも震災後の福島との交流には、随分な分量が割かれている。
 
 
 
が、この本に描かれているのは、実は養蜂やハチミツのことはそんなに多くない。
 
むしろ銀座ミツバチプロジェクト(銀パチ)を媒介に広がった各地との交流の記録だと思った方がよいだろう。福島に秋田に名古屋、大阪、北海道は札幌に標津、島根の美郷……全国に広がっているのだ。それも銀座と各地の交流だけでなく、銀座が仲立ちして、各地同士を結ぶようなプロジェクトもコーディネートしている。
 
なかには養蜂から離れた計画もある。とくに銀座では「銀座里山計画」が進められ、ビルの屋上で水田がつくられた。
さらに和紙づくりまでやっていた。こちらは高知県在住の和紙職人ロギール・アウテンボーガルト氏(オランダ人)との結びつきだ。
 
3 ミツマタの栽培。
 
私が、以前訪れて屋上で見かけたコウゾとミツマタから本当に和紙をつくったのだそうだ。
ちゃんと「銀座和紙プロジェクト協議会」も発足させている。ほかにも林業への挑戦もはじまっているそうだ。
 
 
いやはや、これほどの活動になっているとは驚きだ。もはや「銀座ハチミツプロジェクト」はミツバチから離れて、地域起こしコーディネーターとなっているのだ。やるね、田中淳夫さん! (この名を自分で書いて、少し恥ずかしい……。)
 
もちろん成功例ばかりではない。銀パチを真似て始めたプロジェクトが上手くいかない例もあり、その理由などにも触れている。また、規格外野菜が引き取られないことか、天日干しと機械干しの米が同じ値段で売買されるようなおかしな地方の実情も指摘している。
 
それにしても、驚くのは銀座ブランドの強さだ。それはと人のつながりを生み出す場の力だ。「銀座は東京の下町」といった言葉も登場するが、実は、濃厚な人間関係が存在するのだなあ。
 
 
あらためて。本書は、地域づくりの指南書である。ノウハウは何も書いていないけど、そこに描かれた実例から読み取れる情報は驚くべき濃度である。心して読むべし。
 
※サイドバーに本書を追加。
 
 
 

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コメント

田中淳夫様
 この度は、心温まる書評を有難うございました。お蔭で、手に取っていただける方、増えると思います。
また、次回紙パルプ倶楽部でのご講演、楽しみにしております。
いろいろと、ご面倒おかけしますが、引き続き宜しくお願いいたします。 銀座ミツバチ 田中淳夫


ああ、田中淳夫さんがご登場していただきましたv(^0^)。

11月には紙パルプ倶楽部にお邪魔することになりました。養蜂の話はしませんが(笑)。楽しみにしています。

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