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森と林業と田舎の本

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2015/06/04

テレビ収録で感じた「都会の魅力」

先日、テレビ番組の収録で東京に行ったことに少し触れた。

 
私が関係した番組のコーナーのテーマは「田舎暮らし」である。森林でも林業でもないのであしからず。
私にとっても、ここ数年は田舎暮らしを直接取り扱うことはなかったと思うが、かつては盛んに取材していた。数百人を取材して、本も2冊田舎で起業!』と『田舎で暮らす!を出している。また、林業取材などで山村を訪れても、たいていは田舎暮らしをする移住者に出会うことは多い。まあ、だからお呼びがかかったのだろうけど。
 
さて収録は、予定していた夕方のスタート時間を約2時間遅れになった。MC担当の芸人が、山梨からスタジオに向かう途中で事故渋滞に巻き込まれたのだそうだ。そのため、私は控室でだらだらと待っていた。
私は、すでに宿泊が決まっていたのでさほど気にしていなかった(そもそも収録が予定どおり進まないことぐらいは知っている)が、スタッフは幾度も恐縮して控室に訪ねてきてくれた。
 
自称・一番下っぱのディレクターで、実はADも兼ねている女性は、私に謝りつつ、ああ、早く終わりたいよお、と愚痴っていた(笑)。なんでも、その日も朝まで収録していたのだそうである。それから会社にもどって仮眠して、またスタジオで次の収録。……それが押しているということは、今晩も午前様……朝まで引っ張る可能性は高い。
 
彼女は、番組で使うVTRの取材でけ田舎を結構回ったらしい。そして移住者が語る田舎でびっくりした話も、そんなに感じなかったとか。
 
なぜなら、彼女も田舎出身だからだ(~_~;)。実家は山形で、農業をしているのだそうだ。家は兄が継いでいるが、農業の楽しさと言われてもねえ。。。というわけである(⌒ー⌒)。
 
もっとも、東京でいつ家に帰れるのかわからない毎日を送っていると、それはそれでストレスも溜まるし、田舎暮らしに憧れる気持ちもわからなくはない、という。
疲れがすぐに取れない。。。最近21歳の若い娘が入ったんだけど、元気なんですよ。もう敵わない……というから、彼女の年を聞くと27歳。なんだ、私から見たら変わらん。どっちも若いじゃねえか(ーー;)。
 
彼女は非常に素直に、そして両眼で田舎と都会を見ていた。そして、やはり都会で生きていくんだろうなあ、とのことであった。
 
こんな愚痴のような話をしてくれたのも、私の退屈を慰めるためなのだろう。 
 
 
 
さて収録中は、みんなテンション高かった。MCや雛壇の芸人・タレントだけでなく、スタッフも明るい、元気いっぱい。少しのことに大きなリアクションと笑い声。ツッコミ。私の話なんて、ちょっと間を空けた途端にすぐ割り込まれる。そのうえで素人の私にも気をつかってくれる。
正直、そんなに面白くなくても、あえて大声で笑う、リアクションを取ることで、場の空気を盛り上げているのである。私も巻き込まれたような、いや仲間入りする気分で大きくリアクションを取る。
 
そして収録終わり。……その場の参加者全員で一つの作品づくりをなし遂げたような、小さいながらも一体感と高揚感が漂う。それは結構な刺激であり、快感であった。
それは中学生、高校生の頃の文化祭の終わった後の気分が毎度漂うと思えばよいかもしれない。
 
私の出た部分は約1時間の収録だったが、考えていたことの半分も話せなかった。が、放映時はさらに編集で2分の1、3分の1に削られるだろうから、とても満足できた内容ではない。それでも、心地よい疲れと達成感に包まれた。
 
なるほど、こんな収録と番組づくりをやっていたら、刺激を感じぱなしだ。中毒になるわ。これこそ「都会の魅力」なのかもしれない。若いうちは田舎に帰ろうと思わないかもしれん。
別にテレビ番組だけでなく、都会にはこの手の刺激が目白押しだ。きつい、つらい、と言いつつ快感・高揚感を覚えてしまったら、簡単には抜け出せない。
私も午前様でホテルにたどりつき、疲れているのにすぐ寝るのが惜しくなる。 
 
それでも、田舎をめざす都会人は増えている。田舎暮らしに挑戦したくなるのは、この手の刺激が麻痺するほど繰り返されて精神的に追い込まれるか、あるいは田舎で都会にはない新しい刺激を求める意識がなければやろうと思わないのではないかな。
 
 
……そんなことを考えつつ、私は夜が明けると千葉の田舎に向かったのであった。海を見て、森を抜けて、田園風景の広がる中を列車は走る。そして気がつくとスギ林の中を歩いていたのである。これは「都会の魅力」からの解毒かもしれん。。。
 
 

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コメント

なんか,妙に納得するお話でした。
いまや、都会は都会で魅力的ですが,次第にその刺激にも疲れが出てきている感じですね。
私は月に1回は里山に出かけたり、魚釣りをしに出かけてますが、新鮮な空気と一人でいる事の満足感を楽しんでます。
人との円滑なつきあいが苦手な人も半分はいると思いますから,人口の半分は都会に残り半分は田舎に住むのが良いのではないでしょうか。
前期高齢者の独り言でした(笑)

前期高齢者は、まだまだ元気に働いて税金納めて、若い者のために尽くしてください(笑)。

都会の魅力と田舎の魅力は裏表なんで、どちらも楽しいのですよ。片方に偏らずバランスを取った方がいいですね。
ただ日本では若いうちは都会で中高年が田舎になりがちですが、アメリカなどは反対ですからね。若者は荒野をめざし、高齢者は便利な都会に。
さて、どちらがいいのやら。

「田舎暮らし専門家」と
番組のHPでは紹介されていますね

次は「ホンマでっかテレビ」ですね(笑)

……見ました。田中敦夫と書かれてる(;o;)。。。。
慣れっこだけど。

肩書は、ちょっと異論があったのだけど「みんな『~専門家』として紹介しますから」と言われたのです。

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