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2015/06/15

Yahoo!ニュース「森林林業白書が皆伐を推進する…」を書いた裏側

Yahoo!ニュースに「何かヘン。森林・林業白書が皆伐を推進する理由 」を書きました。

 
みっちりと森林・林業白書を読んだ感想を書こうと思ったが、とてつもない超大作になりそうだったので止めた(笑)。
そこで何にテーマを絞るか考えた結果、「伐期」になったわけだ。
 
しかし、「標準伐期齢」というのは曲者だな。本当は、各地域ごとに市町村が決めるはずなのに、事実上は全国画一が貫かれている。そして変化していない。
 
しかも、その数字に根拠はなく、多分昭和30~40年代の木材不足の時代に、「これくらいで伐りたい」という願望で決めたものだろう。
樹木生理とか、森林生態学の知識はカケラも入っていないようだ。いや経営学的にも、もっとも利益の出る樹齢は導き出されるはずなのに、それさえ無視している。単に木材需要予測と、それに合わせて生産するための材積から導いたのではないか。森林経理学の暗部だ。
 
しかも、白書以上に、すでに皆伐のゴーサインは全国に広がっているようだ。国有林野事業でも、立木販売量と主伐面積を2倍に増やす方針だというからなあ。
 
 
今後、全国に広がる皆伐の写真を募集しようかな。そして世間にアピールするような写真展を開く……( ̄ー ̄)。

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コメント

岐阜の林業事業体に属する者です。
市町村森林整備計画にある「標準伐期齢」を疑ったことはよもや無かったのですが、
「標準的な立地条件にある森林の平均成長量が最大となる林齢を基準に定めている」というのが我が市町村のソレに記載してあります。この林齢設定に、森林生態学の観点での根拠が無いと断定されるその理由をお伝え願います。

 その手の研究論文はいくらでもあるから、ご自身でお探しなさい。森林総研や日本森林学会の学会誌を見ればよいですよ。
 
逆にお尋ねしますが、林業事業体に属しているとしたら、身近にスギやヒノキ、あるいはマツ、カラマツなどを目にしていると思いますが、ヒノキが50年で生長力を落とすと感じていますか。マツやカラマツが30年以降は生長量を減じているとお感じですか。
最近の研究では、200年経っても生長量は増え続けている樹木も計測されていますけど。

間伐推進だけのままの方がよかったですかね?
多様な森林のあり方をする為のアイテムが 一つ増えたととらえる事は出来ませんか。絶対、皆伐しなければならないという訳ではないですよね。

市町村の責任が重くなっていることは確かなようで、国に合わせるのではなく、本来は個々のプランの積み上げのデータが欲しい所です。その為には、森林林業のプロが 市町村にへばりついて頂かないと どうにもこうにもという気がしています。

誤解されないよう記しておきますが、私は皆伐すべてに反対ではありません。
そもそも幾度かの間伐を行った後の終伐(主伐)は、否応なしに皆伐と同じになります。問題は、皆伐の面積と、地域における割合です。
 
現在、各地で数十ヘクタールの皆伐は当たり前のように行われています。国有林でも、今後は5ヘクタール単位で皆伐を行う計画のようですね。
私は、理想を言えば皆伐は1ヘクタールぐらいであるべきだと思います。それぐらいなら、むしろ草原が形成されてよい具合に生物多様性に働くと思います。

そして地域の森林のせいぜい1割まで。仮に1000ヘクタールあるのなら、皆伐は1ヘクタール×100箇所。原生林でも、全体の1割がギャップと言われていますから、これぐらいなら。
 
いずれにしろ、森を見る目のある人材が必要です。本来はもっとも森に近い市町村が計画をつくるのはよいことなんですが、残念ながら市町村の役場に林業専門の人がいることは(よほどの林業地でないと)いないでしょうね。本来はそれをになうのが、フォレスターなんですが。

皆伐には当然面積的な制限があるべきです。制限は法律を根拠とした規制が必要ですが、なぜか今の行政は肝心な規制を中心とした運用ではなく、補助金という金をばらまく安易な手段で行っています。規制でなく補助金であれば責任はなく、だれからも批判されず(なぜか林業関係の地方税について批判がありません)楽なのでしょう。
その結果は常に補助金の根拠探しを行政の中心においています。造林補助金、間伐補助金、そして皆伐補助金と、さすがに皆伐には補助金は無理らしいので、造林補助金の割増しで考えているのではないでしょうか。
林業行政には全く期待していませんし、逆に林業悪化の最大原因ではないでしょうか。

再造林はどうするんですかね?

苗木は足りないし
植えたことがない従事者の方は一杯いるし
シカは一杯いるし

気がついたら野っ原状態の山がそこら中にあふれる
かも知れませんね。

(そんなひどい組織では無いと信じていますが)

現在は、実質的な皆伐面積の制限はないですからね。抜け道使って(20ヘクタール×5回で100ヘクタールとか)伐り放題でしょう。
でも、いよいよ皆伐補助金が付けられようとしていますよ。
たとえば岡山県森林組合連合会は、森林組合を対象に皆伐した後の再造林費と下刈り費を助成するそうです。そのうち国もつくるでしょう。

そして再造林。これもご指摘のとおり、まず苗木は調達できるのか、そしてシカ害をどうするのか。植えっぱなしでシカの餌となって、数年後にシカ牧場になるんじゃないかな。

>植えっぱなしでシカの餌となって、数年後にシカ牧場になる

一説では、「植える義務はあるが、成林させる義務はない」そうです・・・(笑)

皆伐については、同感です。個人の家を建てるのにも、建ててよい面積が場所場所で決められていますので、法律的にやれない事はないはずです。
全国一律ではなく、地域の森林にきめ細かいルールづくりが出来る政策を望みたい所です。都道府県、市町村はその責任において、ルールを作る。
皆伐に舵を切ったからこそ、やっと、ルールを作らなければならなくなったとなると良いですね。
面積の良し悪しは、場所によって変わってしかりなので、何とも言えませんが、国有林から、具体的な5haという数字が出てきた事は、まず、一歩かと思います。

拡大造林された人工林を一挙に伐採・再造林すれば、団塊ジュニア世代の人工林が育つことになりますね。人工林をどのように改善していくのか、長期的なビジョンと具体的な施策を、責任機関には示してほしいものです。

久しぶりに林務にもどってみたら国有林でコンテナ苗で造林コスト低減云々って話が。。。皆伐・再造林の流れとセットだったのかな?
「市町村森林整備計画をマスタープランに」っていう林野庁の方の掛け声は、
市町村のもう手のうちようのない職員不足と都道府県職員ですら人減らしで兼務が進んでる状況に目をふさいでいるとしか思えない。
自分たちだけでできる「仕組みは作りましたよ」的な自己満足と、あとは「自治体のせい」にするための前フリのような気がする。

皆伐の善し悪しはさておき、再造林のあり方も難しい。これまでと同じように植えたら、(成林するかどうかもあるものの)数十年後にまた同じ問題が発生します。
今こそ、将来どんな森林状況にしたいのかグランドデザインが必要と思うのですが。

私自身は、もっとも森林に近い市町村が林政を考えるのが本来の姿とは思うのですが、ご指摘のとおり、職員不足が進んで林業専従職員はほとんどの自治体にいないでしょう。結果的に「考えない」「考えられない」ので、国の示したプランを丸呑みするしかなくなるのです。

コメントありがとうございます。
人数にしても知識にしても人的資源の乏しい基礎自治体では横の連携で事務処理の広域化をしてノウハウの継承が可能な最低限の範囲で協力するなどの対策が必要な気がします。これは森林・林業行政に限ったことではありませんが。

誰が~救うのか2015にエントリーしました。
生でお話がお聞きできるか?と思ったら大阪会場にはこられなかったんですね。
また何かの機会に。

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