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2015/07/08

オーストラリア産茶葉から考える

スーパーでふと手に取った緑茶のパッケージ。

 
011
 
産地のところを見てほしいのだが……そう、オーストラリア産茶葉も使っていた。
知っている人には今更かもしれないが、やはり驚く。そうか、緑茶を輸入すると聞けば、中国かせいぜい台湾くらいしか思いつかないが、オーストラリアと来たか。
 
ちょっと調べると、1990年代には日本の緑茶メーカーが進出して茶畑を作り出したようである。契約栽培もあれば、直接茶栽培を始めるケースもあるらしい。すでに製茶工場もあるとか。品質がいいのか、あるいは特異な品質に仕上げることができるのか。
 
ただ用途は、まず各国の日本料理店への出荷らしい。日本から輸出するばかりじゃないのね。わざわざオーストラリア産を日本に輸出してもメリットは思いつかない。日本産茶葉だって生産過剰と言われているのに。季節が逆で、秋に新茶ができることも、保存性のよい茶葉にとってたいしたメリットとは思えない。
 
でも上記の緑茶ティーパックのように、オーストラリア茶葉と日本産をブレンドすることもあるようだ。その方が安く付くのか。
 
 
第一次産業も、グローバル化しているのである。知らぬは日本の産地ばかりなり……か。
でも、日本で紅茶生産も行われていることを考えれば、お互いさまなのかもしれない。
 
 
 
実は、日本の金融資本が、海外で林業を行うビジネスプランが温められていることを聞いた。
 
どこの国とは言えないが、日本の資本で森林を買収してそこで林業を行うのである。日本の需要のために木材を購入するだけでなく、木材生産を現地で行ってしまう。おそらく製材や加工も現地だろう。
その木材は、日本に輸出するばかりではなく、さらに第3国に輸出することもあるだろう。
 
 
しかし、林地を所有するのだから、その国の国土を手に入れたことになる。
 
そうなれば、現地からは「外資(日本)が我が国の森を奪う」と騒がれるのだろうか。。。
 
 
 

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森林活用(茶・蜂蜜・山菜…樹木葬)」カテゴリの記事

コメント

Green Teaは海外でもかなり普及してると思います。
私の知る範囲では、ヨーロッパや東南アジアではスーパーで普通に売ってました。
例えばリプトンは16種類も発売してるし。
http://www.liptontea.com/product/category/141438/lipton-green-tea
他のハーブと混ざってる製品も多いようなので、ハーブティーとして飲まれてるんじゃないかな?
少なくとも日本人みたいに新茶に大金を出すということは無いと思います。
あと、抹茶は普及してない、たぶん。

リプトンの緑茶は、結構香料のマッピングなどした、日本茶とは似て非なるものですけどね。

中国や台湾では、よい茶は日本よりも高く取引していますよ。

ともあれ、海外生産するよりは日本で生産したものを輸出する気概をもってほしい。

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