TBSの日曜劇場枠で、現在『ナポレオンの村』というドラマをやっている。
限界集落を立て直す話だというので、一応チェックのつもりで見た。モデルもいるというし。
……あらまあ。ここまで荒唐無稽とは(笑)。いやはや、驚くほどステロタイプな役所の人間と市長。集落の人々。限界というには若者が多いが、これほど単純な人間ばかりに描くとは(脚本家に?)なめられたもんだ。
ドラマとしての出来を追求しても仕方ないので、笑えたところを抜き出す。
少女が病気の母のため(隔離病棟のある病院が限界集落にあるなんて……。まるでエボラ出血熱みたいな病気だ)にお粥をつくるという。
そこでカマドも土鍋も炭も自家製にしよう! と提案する。
ん? カマドと土鍋までは、ぐっと我慢しよう。が、なんで木炭なんだ? 薪でしょ、普通は。作られたカマドも薪をくべる形状だったし。わざわざ炭焼きして、その木炭を炎が上がるほど燃やして粥を作るって……。。。
そして美味しい水を求めて「まんじゅう岩の湧き水」を汲みに行くが……なんで渓流で汲んでいるんだ? 湧き水じゃねえ。だいたい表面水は、野生動物の糞が混ざっていたりするから不潔だよ。ちゃんと「湧き水」にしなさい。
まあ、ほかにもツッコミドコロ満載で、面白かった(笑)。お気楽に見るにはいいんじゃないか。都会人の田舎幻想というかステロタイプなイメージを知ることができる。
いや、脚本家はまったく田舎生活とか自然の知識がないことがわかる。せめて「DASH村」ぐらい見て勉強したらいいのに。
ところで、シノドスのサイトに
という記事がアップされている。
これは、いわゆる「撤退の農村計画」、つまり限界集落を地域内のより中心部に近いところに移転する提案だ。これまでも本ブログで紹介したことがある。
これも、限界集落の今後の選択肢の一つだろう。ただ実行するためのハードルは高い。そもそも「限界」まで行った集落に移転の体力は残ってないのが普通だ。その一歩手前の集落で実施を考えるべきだろう。
しかも強力なリーダーも必要だし、全員一致でなくてもよい。先駆者がいて、後々後に続くものがいてもよいと思う。
稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則
木下 斉著 NHK出版新書
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という本もある。これは、主に商店街などの街の活性化に取り組むときの話だが、地方の活性化にも通じるところ多し。今よく売れているらしい。
ただ、そろそろ集落あるいは地方は、みんな活性化せねばならぬ、というドグマ(強固な信条・教義)に縛られない方がよいのではないか。
ナポレオンが内にいても、外からやって来ても、限界集落は「活性化の限界」を持っているのだ。 その点では、早いもの勝ち、だね。早く取り組んだものが生き残れる。
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