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森と林業の本

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2015/07/24

メールで対話する公園の樹木

オーストラリアのメルボルンには、メールアドレスを持つ樹木があって、対話できるそうだ。

 
なんか、冗談のようでいて、本当の話。
 
メルボルンの公園当局は、公園の樹木に個別のメールアドレスを添付した。もちろん、これは管理用で、もしその木が枯れかけたり危険な状態になったとき、それを発見した市民が気軽に通報できるようにしたものだ。
 
ところが、市民からは樹木そのものへのメールが届き始めたのだ。それも数千通と。
 
 
内容は、樹木の状況を憂えるものから、「酸素を与えてくれてありがとう」的なもの、そして美しさを讃える詩文みたいなもの、樹木に雄雌はあるのかという質問、なかには個人的な悩みを打ち明けたり、ギリシャの債務危機をどう思うか、という議論を吹っ掛けたり……。
 
そして、そのメールに対して返信も届くようになったという。ちゃんと、その樹木に成りきって返事を書いているらしい。
 
そちらの内容に関しては、原文をどうぞ。
 
 
考えてみたら、この手の交信は、日本でもあった。
たとえば書籍までなった「生協の白石さん」はその嚆矢だし、最近では多摩公園のキャラクター「もぐら先輩」 が、さまざまな質問に応えるのが評判を呼んでいる。
これは回答者の瞬発力とも言える、返信の能力が問われるのだが……。(ああ、このブログのコメントなんかも同じだよ。どのように返事するか、私も瞬発力が問われるなあ。)
 
 
しかし、樹木と、しかも手段はメールというのは新しい。ついでに言えば、意図せずに起きたという点でも素敵だ。
 
 
思えば樹木の人格化は、日本人には向いているのではないか。別にご神木でなくてもよいから、樹木1本1本に人格を感じられるようにして、その世話をするとか、木材として愛着を育てる……。そこに新たな林業の可能性を感じるのだが。
 
東京都では、街路樹のマイ・ツリー~わたしの木~制度 もある。これは、お金を払って、街路樹を植えてもらうもの。街路樹といえども自分の木になるのである。
 
また吉野杉を愛した女 (^o^)もそうだね(笑)。こちらも、計画は着々と進行しているようだよ。
 
いっそ、森の木を1本ずつばら売りするオーナー制度をつくって資金を集めることも考えられる。 それで育林費を捻出し、さらに高く買い取ってもらうことだって可能だ。
 
 
樹木の人格化こそ、森林投資を呼び込み、木材価格を引き揚げる究極の手段のように思う。
 
 
45  
これは私の木だ! という気持ちを持たせることが大切なんじゃない?
それが森に対する「愛」につながる。
 
 
 
 

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