ここ数年、全国的に林業系の教育機関が次々に設立されている。
その点については以前にも記した。
今のところ確認できているのは、
長野林業大学校、岐阜の森林文化アカデミー、京都林業大学校、群馬県立農林学校、島根県立農林大学校、静岡県立大学校、秋田林業大学校、山形農業大学校林業学科、そして高知県立林業学校。さらに岩手の釜石・大槌バークレイズ林業スクール だ。
とくしま林業アカデミー である。今から募集して、来年開校らしい。期間は1年間で「研修」という位置づけ。ちょっと林業大学校などとは違う。人数も10人だし、即戦力になる人材を育成する方針のようだ。
また学費は無料で、緑の青年就業準備給付金も支払われる。つまり、給料が出るわけだから、職業訓練校と同じ位置づけだろうか。
詳しい内容や意図は私も知らないが、今後はこの手の林業スクールが増えるのではないか。
以前から、この兆候を取材したいと思っているのだが、残念ながらどこも取材費出してくれそうにない(全国に渡っているから、マトモにみんな訪ね歩けばいくらかかるだろう……)から、記事にできない。ニュースバリューがあるということも理解してもらえない。私は、日本の林業界の地盤が変動しつつあると感じているのだけどね。
なお私は、若い素人に林業技術を身につけさせることも大切だと思うし、林業の将来を考えればそうした人材を育成しなければならないと思うが、より喫緊の事情としては、現在すでに林業職に就いている人に、新たな林業というか、現代的な林業を教える場をつくるべきではないか、と思っている。
さもないと、昔ながらの「先輩を見て覚えた」「なんとなく昔からやって来たから」「考えずに身体だけ動かしておけ」みたいな林業技術(といえるかどうか)ばかりが現場で幅を効かし続ける。そして後輩にも同じ教え方になってしまう。
あげくに安全性や効率を無視してしまう。機械も見様見まねで使っていたりする。市場のニーズや最新の知見・ビジネスなどを知らない唯我独尊の林業もどきになる。
スクール生に研修給付金を払えるなら、作業員を勉強に派遣している事業体に、休業補償?的な扱いも可能だろう。ならば、現業に就いている人を週に1、2日林業スクールに送り込むこともできるはずだ。
もちろん、何を教えるか、誰が教えるか、など新規スクール開校には難問山積みだろうが……まずは期待したい。
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