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森と林業の本

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2015/08/23

身近なところに太陽光発電所

タナカ山林に向かう道筋に、こんな現場が。

 
 
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見てのとおり、ソーラーパネルを設置中。ここで太陽光発電をしようというわけか。それまでは、土建屋の資材置き場ぽかったが。奥の方は、一部木を伐って広げたかも。
 
面積としては大したことはないが、最近はこの手の小規模太陽光発電が身近に増えてきたことを感じる。生駒市内でも、相当の箇所で設置されているからだ。場所は、自動車道路沿いの空き地もあれば、急斜面の山を伐採してつくったところもある。
おそらく話を持ちかけたブローカーがいるのだろうし、管理業者もいるはずだ。土地の所有者にとっては、小金稼ぎをする気持ちなのかもしれない。設置経費は数年間で償還できるとして、あとは年金のように何をせずとも利益が入ってくる。
 
だから最近は、かつて想定されたようなメガソーラーよりも、ミニソーラーの発電所が予想以上に多く普及しているようだ。
 
 
このような動きを嫌う人もいる。私も、景観的には望ましいとは思わない。とくに山を伐り開いてまで設置するのはどこかオカシイ。
一方で南向きで陽差しを受けやすく、平坦に造成済の、もっとも設置に向いていると言われた棚田などの放棄農地にはあまりつくられないのは、やはり農地法の関係か。
 
 
とはいえ、私はあんまり反対する気になれない。
 
というのは、太陽光発電など再生可能エネルギーに眼を向けられ広がったのは、何より東日本大震災で原発が大事故を起こし全国の原発が止まったことを契機にしているからだ。一時は電力不足が喧伝されて、そこにFITがつくられて採算の合う金額で買い取ってもらえることになった。それが太陽光発電などの急速な普及につながったと言える。
 
そして、つい先日まで原発は一つも稼働していなかったにもかかわらず電力不足に陥らなかった理由の一つに、太陽光発電の増加が上げられる。
電力量はたいしたことない(と言っても、全国を全部合わせると原発1基以上の出力になるそうだが)が、なにしろ夏のもっとも暑い時期にソーラーはもっとも発電してくれる。つまりピークカットに有効なのだ。そのことを考えると、あまり大げさに反対したくない。
 
ちなみに、とうとう川内原発が再稼働してしまったが、すでに原発に電力供給としての意味はないことが証明されている。単に電力会社の利益に貢献するだけの代物だ。
 
 
もう一つ。ソーラーパネルを設置する場所の確保のため森林を伐り開くケースが多いのは決して好ましくはない。しかし、その場所はだいたい放置雑木林が多い。つまり何も利用価値はなく、ブッシュ状態になった森で、健全な生態系が広がっていたとはいいにくい。
それを伐り開くことですっきりした面はある。ただ裸地にしたわけだから、降雨などで土砂流出を引き起こさないようにしているか気になるが。そのうちパネルの下にも草が繁るだろう。
 
そして再生可能エネルギーの普及を後押ししているFITは20年を期限としていて、その後は高く買い取ってくれない。その時、発電施設そのものが放棄される可能性もある。
 
おそらくバイオマス発電所のような大規模プラントは廃墟になるだろう。しかし、ソーラーパネルぐらいなら、簡単に取り外せる。処理費用も安いだろう。大がかりな施設もない。比較的現状回復が簡単でコストもかからないことは、多少安心できる。
 
とはいえ撤去さえできれば、その跡地には再び自然をとりもどすことができる。その速度は結構早いだろう。(もっとも、安くても放置の可能性も捨てきれないが。利益が出なくなったら、あえて撤去せず、そのままにする業者と所有者が多いような気がする。)
 
 
そう考えると、あんまりガミガミと反対する気になれないのである。
 

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