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2015年9月

2015/09/30

水会社の山林買い

このところ「あさが来た」と土倉庄三郎の話題ばかり続いたが……。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

サントリーホールディングスがまた、森を手に入れたニュースが流れていた。

 
同社の九州熊本工場は、すでに水源域「天然水の森 阿蘇」を設定しているが、約116ヘクタールを追加して、総面積を約388ヘクタールに拡大したそうだ。
 
すでにサントリーグループは、全国18か所で約8000ヘクタールの森 を所有者と提携して整備する契約を結んでいる。
これは、サントリーが飲料メーカーであり水こそビジネスの原料だから、自社工場で汲み上げる地下水を育む森林面積を整備していく計画を立てているからだ。計算では6000ヘクタール程度の水源林を整備したら、汲み上げ量に匹敵するらしいのだが、今では2020年までに1万2000ヘクタールを目標にしているそう。
 
林業を本業としない会社の森林整備として、サントリーの取り組みは、もっとも成功した事例ではないかと思っている。
 
なぜなら担当者は「これはCSRではない。我々の商品の原材料の調達だからビジネスの一環だ」と言っていたからだ。
 
私は某ビール工場で、「地下水だけでは足りないので、水道水をさらに濾過して使っています」という言葉を聞いたことがあるのだが(~_~;)。まあ、揚げ足取りをせずに、森林整備への情熱をよしとしよう。
 
 
実は、このご時世、どんな産業なら森林に投資してくれるか考えたことがある。あくまで投資としてだ。一過性のCSR(社会貢献)や資産として森林を寝かすのでは、いつ投げ出すかわからない。
ようするにビジネスとして、林業の振興に寄与してくれる企業はどんな業界なら可能か、というのを考えていたのだ。それは、かつて吉野では「借地林業」と言われて行われた形態なのだが……。
 
 
そのためには、森林が生み出すもの(精神性なども含む)と本業がリンクしないといけない。少なくても森林が利益や会社組織にプラス要因(会社のステータスとか福利厚生とか社員の士気を高めるとか)につながらないと投資とは言えないだろう。
 
たとえば建設業は木材という点で大いに関係あるのだが、どうも森林に興味を持つところは少なそうだ。住友林業はハウスメーカーとして稼ぎながら山林を持っているから、このケースに当てはまるが、むしろ例外だろう。それに住林の家は、ほとんど外材製だし。
建材は安く調達する発想が強くて自前より価格優先に買いたたく方向に走りがちなのか。
 
また大手不動産会社も、森林を持っているところは少なくないが林業経営までに至っていない。ほとんど資産管理程度だ。
マテリアル(鉄・非鉄金属)会社の中には森林を持って整備しているところもある。これは経営にプラスというより鉱山で山を破壊している罪滅ぼし?
 
 
一時は有効なのは、宗教法人ぐらいしかないかと思ったこともある。宗教団体ならば寺院などの用材確保だけでなく、森から神性を得るためとか、霊園事業とか、いろいろ展開できるではないか。
この可能性は今も否定していないが、大規模な森林所有が可能な宗教法人の数は多くないだろう。小さな寺院や神社が小規模でも、ていねいに森林を整備する意欲があればよいのだが。
 
 
そこで思い至ったのは、医薬品など遺伝子産業。新たな有用遺伝子を探すのに、森林内の生物が使えるからだ。今は熱帯雨林や深海底などを狙う業者も多いが、最近は遺伝子資源の国外持ち出しを神経質に取り締まり、また利用時にもロイヤリティーを要求する国家も増えてきた。
しかし、未知の微生物などは日本国内にも山ほどいるのだ。森林土壌や植物寄生型の菌類・細菌類は広大な未知空間なのである。だから、森林を所有することで自社だけがじっくりと調査・探索するフィールドを持つ価値はあるのではないか。
 
 
そして、もう一つの可能性として、水関連の酒や飲料メーカーや食品関係だろうな、と考えた。食料メーカーは、農業に投資した方がより近く、森林には結びつきにくい。だが飲料や水関連企業は水源涵養の発想から有望かも、と思い至ったのだ。
 
サントリーはまさにその一つに当たる。ただ森林を所有するのではなく、あくまで森林整備に協力する提携関係というのが弱いと感じるが。
 
ほかにも水関連の会社なら結構あるはずだ。酒や飲料のほか、ミネラルウォーターを扱う会社もある。そんな会社のどこか、森林投資しませんか。森林を購入するとか、99年間租借するとか。外資でもいいよ(⌒ー⌒)。ただし、真面目に林業に取り組むことが条件だ。
 
 
本気で森林経営をめざすなら、応援しますけどねえ……。
 

2015/09/29

Yahoo!ニュース「あさが来た」の……を書いた裏側

Yahoo!ニュースに『「あさが来た」の陰にいた知られざる山林王』を執筆しました。

 
考えたら、連日「あさが来た」のことを書いている。
昨日書いた、広岡浅子と土倉庄三郎の関係の新事実も、ブログだけでは世間の認知度が低いなあ……と思ったら、なんだYahoo!に書けばいいじゃん! と思いついたので、さっそく本日書いてアップした(笑)。
 
おそらく脚本は、もう物語のかなり先まで進んでいると思うが、まだドラマに土倉翁に相当する人物を登場させる余裕はあるはずだ。多少とも後押ししておこう。
 
なんか、土倉庄三郎の伝記も改めて書きたくなってきた。『森と近代日本を動かした男』のように資料と首っ引きではなく、物語として書きたい。広岡浅子との関係も、もっと突っ込むと面白くなりそうだ。
 
 
正直、朝ドラとしての「あさが来た」は、そんなに面白い出来のドラマになるかどうか微妙だ。まだ2回しか見ていずに判断するのもナンだが、子供時代は冗長だ。早く大人になって活躍するあさを見たい。
 
ところで私にとっての今週は、「あまちゃん」再放送(BS)の最終週なのだよ。こちらの方に夢中。早起きして見ている。あと4回、大団円に向かって 突っ走っておる。

2015/09/28

「あさが来た」と土倉翁の接点

NHK朝ドラ「朝が来た」の第一回目放送があった。

 
まだ主人公あさの少女時代を描いているだけで、まだ感想をいう段階ではないかな。でも、テンポのよい会話が売り物の大森美香の脚本にしては、もっさりしている(^^;)。演出の腕も試されるのではないか。
 
ところで、昨日記したように土倉庄三郎と広岡浅子が直接交わった接点がはっきりしない点について、貴重な情報をいただいた。
 
実はツイッターである。「加島屋(加久)や広岡浅子について呟く」さんからの情報。
 
『日本女子大学校 創立事務所日誌(一)』の明治29年8月11日の項目に
広岡夫人女子大学用にて大和大瀧村土倉庄三郎君へ往、新田同伴
 
Photo
新田とは、創立事務所の所員だそうで、二人して川上村大滝の土倉屋敷を訪れているのだ。帰りは翌日だから、おそらく土倉屋敷に泊まったのだろう。
 
当時は、吉野までは車で行くこともできるが、川上村へは五社峠を歩いて越えなくてはならない(駕籠という手もあるが)。大阪から一泊二日で往復するとなると、かなりの強行軍だろう。
 
もともと土倉庄三郎は、自由民権運動の頃から大阪には頻繁に出ており、加島屋(銀行)ともつきあいがあったようだ。それに日本女子大学創設運動のために東京にも出て、政財界人を回っている。そうした活動は、広岡浅子と一緒なのだ。
そこに接点があるはずと思っていたが、浅子がわざわざ山里を訪ねていくほどとなれば、極めて強い関係だと言ってよいだろう。
 
 
さて、関心事は果たして「あさが来た」のドラマに土倉役の人物は登場するか、である。今のところNHKのホームページによると、「奈良の豪商」役に笑福亭釣瓶が登場するらしい。
 
その役どころは、経営危機に陥った加島屋を助けるためにあさが借金を申込みに行く、という関係で、土倉家とは関係なさそうだ。
 
なお、あさの実家を描く幕末の商家が並んだ町並みは、奈良県の(橿原市)今井町で撮影されたらしい。ここは、大和の富の三分の一を集めたという豪農・豪商の街である。そして今もその頃の町並みを残している。
 
1
 
奈良的な視点では、こんなところも楽しめる(^o^)。

2015/09/27

土倉庄三郎を取り巻く女たち

やっと、朝ドラの「まれ」が終了してくれて、明日から「あさが来た」が始まるようである。

(「まれ」は、近来まれにみる不出来であった。あれほどの俳優を動員して、ここまで出来を悪くした脚本家の責任は重いだろう。……もっとも、第1回目以降は真面目に見ていないのだが(笑)。)
 
さて「あさが来た」の主人公は広岡浅子。彼女が土倉庄三郎と関わりがある……一緒に日本女子大学設立に奔走したことは、すでに記してきた。それに関して、関連本を製作する編集部から問い合わせもあったのだが、厳密に浅子と庄三郎がどのように交わったか資料がなくて困っているようだ。
まあ、ないよなあ。調べてみたいと思うが。私自身は土倉翁と成瀬仁蔵(日本女子大創設者)との関わりを追うなかで広岡浅子の存在を知り、多少かじった程度なのである。
 
 
実は、土倉翁の足跡を追うと、魅力的な女性が何人も登場した。本当は、そちらも取り上げたかったが、するとどんどん土倉翁と離れていくし、翁の輪郭が薄まるので断念したケースも多い。
そこで、ちょっと「土倉庄三郎を取り巻く女たち」を紹介したい。(取り巻く女」と書くと、色っぽいイメージが湧くが、全然違うのだよ。直接関わった人ばかりでなく、背景を調べる過程で登場した同時代の女性たち、という意味ですわ。。。)
 
 
私がもっとも興味を持った女性陣は、庄三郎の娘である富子と政子である。
とくに政子は、アメリカに7年間も留学し、中国公使夫人となってからは西太后と親しくなった唯一の外国人女性とも言われる。彼女の寝室まで入って語り合った仲なのだ。そして日露戦争時には、日本の外交の中で重要な役割を果たすのだが……。
 
Photo  土倉(内田)政子
 
富子も原六郎の後妻として超金満家人生を送って、何かと大きな役割を果たしている。
さらに世代は下るが、土倉麻という庄三郎の孫に当たる人物は、1932年のロスアンゼルス・オリンピックの陸上競技(リレー)に出場している。彼女は同じ陸上選手田島直人と結婚して、日本陸上界に大きな足跡を起こした。
 
まあ、身内はあまり触れないでおこう。
 
 
私が注目したのは、新島(山本)八重である。
いわずと知れた会津戦争において狙撃手として戦った女性だ。老幼女子しかいない若松城に籠城して最前線に立った女性が、京都で新島襄の妻となり、さらに新島の死後、明治の世を闊歩する実話はドキドキするほどかっこ良かった。(NHKの大河ドラマ「八重の桜」は、前半の幕末編・会津戦争の迫力に胸打たれたのに、後半の京都編がすっかり色あせて、八重が単なる新島襄の妻としてしか描かれなかったのは残念だった。)
土倉家とは、土倉翁の息子たちの養育も含めて非常に深い関係を持つ。
 
 
次に興味深い女性として、岸田俊子(中島湘煙)がいる。
彼女は京都府生まれで、山岡鉄舟らと知り合いで、明治天皇の皇后に漢学を進講したほどの才媛だったが、自由民権運動の志士・中島信行と結婚して、運動の中でも紅一点の弁士として名を馳せた。婦人運動家の嚆矢であるとともに、大学の教師や小説の執筆など多彩に活躍している。ちなみに土倉翁と中島信行は肝胆相照らす仲であった。
 
彼女の演説を聞いて目覚めたのが、影山(福田)英子である。
彼女こそ、婦人運動と自由民権運動に精根傾け、土倉翁に自ら支援を申し込んで、勉学に励む。ところが運動にのめり込むがゆえに、荒唐無稽な李氏朝鮮の打倒運動に足を踏み入れ、とうとう爆弾運搬の片棒を担ぐ形で投獄されてしまう(大阪事件)。そのため元祖・過激派の女性闘士扱いされている。
その後の彼女は、苦労ばかりを重ねる人生を歩んでしまうのだが、異彩を放った明治女性である。私は、彼女に多少の憐憫とともに人生の美しさを感じてしまう。
 
ほかにも翁と直接の関係はないが、本多静六の妻・本多詮子も興味深い。彼女は幕末の彰義隊の隊長・本多晋の娘である。12、3歳の頃から英語が話せて公使館で通訳を勤めていたという。
さらに長じると、日本で4番目の女医になる。これほどの才媛が、婿を取る形で折原静六を迎えるのだが、その後は専業主婦となってしまう。それが残念なのだ。ちゃんと調べたら、彼女の別の足跡も現れるのではないかと思っている。
 
また直接の関わりではないが、次男の龍次郎が台湾で樟脳を開発した時期に総合商社・鈴木商店も進出して樟脳で大きな財を築いている。両者に関係がないわけがない。そして鈴木商店には、「お家さん」こと鈴木よねのような人物もいるのだが……。
 
 
 
明治時代は、実は江戸時代以上に女性に厳しい面があるのだが、その中でも羽ばたいた人は少なくない。土倉庄三郎が生きた時代を追うなかで、そんな人々が浮き上がって来たのは、私にとっても嬉しい誤算であった。

2015/09/26

最北鉄路に思う

最北鉄路に思う
私は何度も繰り返しているのだが、オタクではないし、ましてや鉄ちゃんではない。鉄道など何の興味もないのである。

なのに、なのに「最北端の線路」なんて看板があると、写真を撮ってしまう。線路(結構、草ぼうぼうだった)を見つめてしまう。

実はこの線路、かつては樺太まで延びていたそうだが。

ともあれ、最北の地を堪能させていただきました。いや、堪能じゃないな。まだ見たいところ、行きたいところはいっぱいあるからな。利尻礼文島も行きたいし、サハリン航路にも引かれるし。牧場もよく知りたいし、何より悔いが残るのは、地場産チーズを買い損ねたこと。

それは次の期待につなげておこう。

田中淳夫

2015/09/25

一直線の道

一直線の道
一直線の道。電線、電柱のない道。両側は草原。

国内では北海道でなければ不可能な道であった。一部では、バイクライダーの聖地らしいが、ほとんど知られていないとのこと。

でも走ると心地よさが伝わってくる。これも北海道な魅力だろうな。

2015/09/24

稚内のお寺、の裏山

稚内のお寺、の裏山
丸1日かけて最北の地、稚内にやって来た。

早速、町の探索。ま、要するに散歩だけど。最北の港を歩き、最北の鉄道を見て。どこに飲み屋があるかチェックして、お土産候補を選んで。

そんな中で目に飛び込んできたのが、高台の裾のにあるお寺。いや正確にはその背後の山。
見事に崩れたなあ(;´д`)。

寺が無事でなによりだが、この先も大丈夫かわからない。治山も難航するだろう。

2015/09/23

書評『江戸日本の転換点』

たまたま書店の棚で眼について購入した本。これはなかなかの収穫であった。

 
 
Photo   江戸日本の転換点  水田の激増は何をもたらしたか
                      武井弘一著  NHKブックス
 
帯には「米づくりは持続可能だったのか?」と記されている。
 
簡単に概要を説明すれば、江戸時代の農書(主に金沢の「耕稼春秋」などを題材とする)を元に農民の生活を追い、農地の増加が自然や人間社会に何をもたらしたかを解明しようとしている。
 
そして序章のタイトルである「江戸日本の持続可能性」を考察したと言ってよいだろう。
 
拙著『森と日本人の1500年』も、森を中心に同じテーマで取り組んだものだ。ただし時代は古代飛鳥から現代まで幅広いが、それを水田面積が大幅に増えた江戸時代を中心に調べたと言ってよいだろう。
 
一般に江戸時代をエコな時代として、循環型社会が築かれていたかのように言われている。たしかに鎖国もして250年以上も日本列島の中に数千万人が暮らし続けたのだから、いかにも持続可能社会を築けたかのように思えてしまう。
 
だが、どうも嘘っぽい……と思ったのは私だけではなかったようだ。
 
 
さて、本書の内容を全部紹介するわけにはいかないから、その中でも私の琴線に触れた山の話を取り上げたたい。
 
拙著でも強調したかったのは、江戸時代には日本の山々は木の過剰収奪によって荒れ果てていたということだ。そして木のない草山が増加していた。
 
ところが、本書によると、草山はむしろ農民が望んで作ったことになっている。
なぜなら、草は堆肥の元だからだ。草を刈って、それを醗酵させて(草肥を)水田や畑に入れることは農作物の栽培には欠かせないことだった。
さらに農地を耕すために牛馬を使うようになって、その餌として草が必要になっていたこともある。
 
そのため農地の10倍の面積の草地を必要とした。そこで山の木を伐採して草山を作り出したというのだ。もちろん、それが意図的なのか、結果的に草山になったのかは確定させられないだろうが、木のないはげ山・草山を農民が嘆くことはなく、むしろ利用価値の高い土地と認識していたらしい。
 
そのため江戸後期には、新田開発で草地を農地にするよう命令が出ても、反対していたという。
それでも命令は覆らず、仕方なしに草地を開墾する。そのため飼料や肥料が不足するようになり、しかも水の便も悪かったため逆に収穫量は減少した。また山に近いからか、獣害も酷かったらしい。そのため新田は、ほどなく荒れ果てて収穫を得られなくなり、捨てられてしまうのである。
農民は、農地が増えることを常に望んだわけではないということか。
 
 
 
また、肥料不足から下肥(人糞)や大豆滓、干鰯などを使うようになるが、これらは効果はあるが、実は全部金がかかる。人糞も、村のものだけではまったく足りずに町まで引き取りに行くのだが、これらには何か金品を渡さないといけないのだ。
 
そのため農業の貨幣経済化が推進されることになり、金がないと農作物の収量もアップしない状況に陥るのだ。……なんだか金持ちがより金を設ける金融資本主義のハシリがここに見られるようになる。 
しかも、そうして生産量を増した農業は、決して持続的ではなかった。幕末に向かって、日本の農業は行き詰まっていくのである……。
 
 
 
大量生産が生態系を崩して、持続性を失わせる……これは現代にも通じるだろう。もちろん、農作物だけでなく、林産物、つまり林業の世界にも。
 
やたら植林して人工林を増やした挙げ句、木材を収穫するどころか荒れ放題にして、補助金を注ぎ込んで切り捨てている現状がかぶる。しかも機械化、大規模化の推進が森林の持続性を失わせるという点までそっくりだ。
 
 
教訓がてんこ盛りである。
 
 

2015/09/22

割り箸の売り込み(@_@)

連休続く合間に、ヘンなメールがきた。

簡単に言えば、割り箸の売り込みなのである。
社名は、有限会社とあるが、なんとなく中国系企業。送り人は日本名のようで、そのまま中国名でも通じる。ちょっとヘンな日本語の、ちょっとヘンな文面。
「貴社と親規にお取引さ ていただきたく、本状を差し上げます。」
とあるが、この会社は「中国とラオスで最大規模のアウトドア製品の専門メーカー」なのだそうだ。これまで15年間アウトドア製品を製造、輸出、販売業務をしてきた。。。
 
で、「一番お得意なのは割り箸です」
 
???(笑)。割り箸は、アウトドア製品だったのか。
 
まあ、ほかに扱うのは焼き網、備長炭、おが炭、七輪などのBBQ用品が多いようなので、割り箸もアウトドアで食事する際のグッズとしてはあってもよいが。
しかし、私に割り箸取引を求めるとは。どこでメールアドレスを拾ってきたのだろう。ブログに割り箸という言葉が登場する先には全部送っているのか?
 
もちろん、私一人に送ってきたのではなく、「御社」の「担当者」とあるから会社にのべつなく送っているのだろう。
 
「御社では、割り箸をご輸入されていますか?
あるいはアウトドア製品をお探しになる友人がいらっしゃいますか?
関連な製品をご調達されているお客様が見つかれば、ぜひとも弊社にご紹介して下さいね、
その際、お礼として適当なコミッションを差し上げます」
 
というわけで、連休中のなんとなく間の抜けたメールに楽しませていただいたのである。
 
 

2015/09/21

最後のニホンオオカミの毛皮

ニホンオオカミの最後の1頭が捕獲されたのは、奈良県吉野郡東吉野村。

 
だから、この村はニホンオオカミ終焉の地として知られている。
 
ここで捕獲されたニホンオオカミは、アメリカの青年動物学者マルコム・アンダーソンに毛皮と骨格標本が売られ、それが大英博物館に納められているはず。
 
その写真を撮ってきた人がいる。
東吉野村の人である。これを利用して、何か地域起こしができないか、というのだが……。
 
2
 
剥製ではないので、実際のオオカミの姿ではない。
が、ニホンオオカミ伝説を今につなげる方法はないものか?

2015/09/20

.国産漆と中国産漆

NHKが木曜日にやっている「所さん!大変ですよ」という番組がわりと気に入っている。

 
世のほとんど見過ごしそうな事件の中から拾ってきた不思議な事象を追いかける、というコンセプトで、なかなか渋いテーマを扱っているのだ。
 
そして前回17日に放映したのが、「あの“世界遺産”が謎の劣化で大ピンチ!? 」というもの。

(再放送はないけれど、オンデマンドで見られますよ。)

 
 
ようは日光東照宮を例に、各地で建物の修復工事後わずか数年にして塗料が剥げて生地が腐りだしたというのだ。で、謎解きは、漆塗りの部分を国産漆ではなく中国産漆を使ったから、としている。
 
どちらも同じウルシノキから採取した樹液である漆を使っているのだが、主成分のウルシオールが中国産は国産より7%ほど含有量が少ないから……という説明だ。
 
番組では、やはり中国産漆を使わず国産を……と話を向けているのだが、どうもうさん臭く感じる。
 
 
たしかに中国産漆のウルシオールは少なめかもしれないが、それで50年持つはずの漆塗りが3年で剥げるか? 
なんか騙されている気がする。漆の質より塗り方に問題があったんじゃないか。仮に中国産が漆成分が少なくて劣化しやすいのなら塗り回数を増やすなどの手もあるはずだ。
 
そもそも中国では漆の生産方法が日本と違う。
 
日本では殺し掻きと言って、10数年育てたウルシノキを数カ月樹液を掻いたら、その後は伐採する。
だが中国は通常は養生掻きと言って、次の年も掻くそうだ。それを何年続けるのか知らないが、当然樹勢に影響があって、成分にも変化が出るだろう。
 
また樹液を加工して漆に仕上げる工程にも違いがある。詳しくは書かないが、日本に来たときには劣化しているものが多い。また、混ぜ物をする話も聞いた。ひどいものは水飴を加えて増量しているというのだ……。
 
実際、日本に輸入された漆の原液を知っているが、かなり臭かった。本物の漆は爽やかなニオイがするというのに。あれは、腐敗しているんではないかと思う。テレビに写っている漆も、なんだか濁った色をしていたなあ。
 
 
さて、文化庁は、国宝や重要文化財の建造物を修理する際に国産漆を使用するように通達を出した。平成27年度から上塗りと中塗りを国産漆とし、平成30年度をメドに下地まで含めて「100%国産化」を目指すのだそうだ。
これを実現するには、年産2トンは必要らしい。 
 
漆生産を担当する林野庁は、国産漆の増産計画を作っているそうだ。もしかして、林産物にビジネスチャンス!? 
そこで現在の年産1トンを1,3トンにするという……(;´д`)。足りねえじゃないか!!!
 
が、ここでも不思議な点がある。
 
日本の漆のほとんと唯一の生産地と言ってよい岩手県の浄法寺町では、ほんの少し前まで国産漆が売れないからと減産していたほどなのだ……。
 
それに、番組でも指摘していたが、漆掻き職人の養成が急務だ。実は漆の質は、漆掻きの技術によっても変化するのだ。手早くしないと酸化してしまうし、切り込みの入れ方が悪いと木を傷めて樹液も水ぽくなる。そもそも漆にかぶれない体質でないと難しい。それなのに収入が低いために、後継者も少ない。
 
もう一つ。増産する前にウルシノキを植林しないといけないだろう。2倍にするなら2倍の面積に植えて、10年以上育てないと樹液が採取できない。
だがウルシノキは風下に立つだけでかぶれると言われるもので、あまり植林は歓迎されないだろう。しかも、ある程度平坦な土地でないと漆かきはできないから、場所の確保が大変なのである。
 
 
この番組、もうちょっと突っ込めば、もっと「大変ですよ」な暗部が出てきたのにね。
 
 
 
 
 
 

2015/09/19

Yahoo!ニュース「里山の風景が変わる

Yahoo!ニュースに「里山の風景か変わる?! ナラ枯れの猛威広がる 」を書きました。

 
 
ブログでは、幾度も書きすぎて今更ながらの話題なのだけど、あえて書いたのは、Yahoo!ニュースとは読者層がどれほど違うだろうか、と思ったから。
それに風景の問題にちょっとだけ足を踏み入れた。
 
実は、我が家の周辺がとくに猛威なのだ。どこを見ても立ち枯れしたコナラの大木が目に入り、それもかなりの面積を占めている。
 
林野庁が昨年発表した森林病虫害被害量調査(平成25年度)は、ナラ枯れ被害量が体積で約5万2000立方メートルで、最も被害量の多かった平成22年度の約6分の1まで落ちたというのたが、どうも怪しい。
単に申告が減っただけではないか……。
ところで、考えたら9月に入って初めてのYahoo!書き込みだ。それに連休に入ったしねえ。

2015/09/18

キリ?が群生

タナカ山林の現状報告。

 
皆伐した跡地に、なぜかキリが群生し始めた。(キリじゃない?キリっぽいのだけど……。)
 
159_1
 
これまでササが繁りだしたので、その刈り取りが課題だったのだが……。急にキリが目立ち始めたのだ。
 ゛
もちろん、これまでも生えているのは確認していたのだが、私はむしろこの木が早く伸びて覆えばササが退潮するかも、と期待する気持ちもあったのだが……。
 
なんだかササ以上(~_~;)。あれよあれよと、高さも2メートルを超えて人の身長を越えたし、早くもブッシュで見通しも悪くなった。
 
そこでササとともに刈り取りも始める。まだ太さは直径1センチくらいだから、伐るのは簡単。
 
と言っても、少しは残す。なんたって成長が早いから、森らしい景観づくりには活かせるかもしれない。今は草の延長のような姿だが、数年で樹木ぽくなるだろう。高さ10メートルくらいにはなるそうだ。
 
 
そこで、キリという植物について少し調べてみた。
よく知られる通り、その材質はもっとも軽い木材の一つ。桐箪笥のように高級家具にも使われる。また水を通さず、温度変化にも強いので火事にあっても中身を燃やさないといわれる。
 
が、驚いたのは、キリは草の仲間とされているということ。樹木ではないと? 意外と、樹木のようで草だという種類は多いらしい。
しかし、太れば木質部分ができるのだから、樹木と草の違いをどこで決めているのか。
 
 
そういや、東南アジアで最近は早生樹種として人気のファルカタも草の仲間ではなかったっけ。10年せずに直径30センチくらいに育つと言われるが。
 
すでに合板、集成材、ボード類などに使われるが、製材などすると、木粉が飛び散り、それが身体に悪いと聞く。ただし強度はない。
 
 
話をキリにもどすが、なぜ急に生えたのだろうね。どこから種子が入ってきたのか。
 
せっかくだから、キリ林をつくるのもよいかもしれない。
キレイな桐林ができたら、タナカの桐畑と名付けよう(~_~;)。

2015/09/17

もやもや林学談義

朝から雨がしんしんと降る。
モヤで山が白く見えない。
途切れ途切れ、安保法案の審議の様子がもれ聞こえる、そんな日。

 
 
今日は島根からお客さんをお迎えした。島根大学の生物資源科学部農林生産学科2年の女子大生。
たった一人で、日本の林業のことが知りたいと生駒まで訪ねてきたのである。
 
出雲の国から大和の国を訪れた使者?なのだから、平城宮など奈良見学も、ともくろんでいたが、この雨ではどうにもならない。
そこで定番のラッキーガーデンへ。スリランカカレーを食べながらの林業講義?である。
 
 
話はあっち飛び、こっち飛び。林学教育の過去と現状を聞いたり、森林組合と林政担当役人の裏側の話になったり、進路相談のようになったり、人生哲学みたいになったり。
 
最後はラッキーガーデンのオーナーも加わって、新作料理の試食もしながら、「結婚するなら日本のオトコは止めろ」なんて話題に(~_~;)。
 
 
しかし、2年生である。この時期に、こんなに真摯に林業に向き合うなんて。私の学生時代とは大違いだ。
林業女子・予備軍か? しかし、多くの林業女子会のメンバーが外向きなのに比べて、彼女は内向きのように感じた。深慮系林業女子? 考えて、悩んで、模索する。そんな立ち位置があってもいい。時間はたっぷりあるのだもの。
 
……でも、そこまで乙女を悩ませる日本の林業の罪深さよ。(え、余計なこと話すオレが悪いって(°o °;)。。。
 
 
4時間以上話し込んで、最後に別れる際の感想。
 
「ずっと、林業について考えてモヤモヤしていたんですけど、今日の話でもっとモヤモヤが増えました」 (~_~;)オイオイ……。
 

2015/09/16

介護業界と林業界

ワタミが介護事業から撤退して身売りを検討しているそうだ。一方で有料老人ホームの虐待やナゾの連続転落死事件も話題を呼んでいる。

そこで、ちょっと介護業界の現状についての記事や論説を読んだのだが、うむむむ、と唸ることしきり。
 
 
ワタミは全国に介護関係で112施設も展開している。約10年前に「介護は成長産業」と見込んで参入。美味しい食事や丁寧な応対など質の高い介護を売り物に展開していたわけだが、本業の居酒屋事業が傾いたため、あっさり介護事業は投げ出すことになったよう。
 
スタート時は、それなりに高い理想を掲げていたはずだが、本業が危なくなると理想など吹っ飛んだというのがことの真相らしい。
 
で、気になるのは、「成長産業」のはずの介護事業なのに、買い手に同業者が名乗りを出る様子がないこと。門外漢というか、新規参入を企てる損保企業などが手を挙げるだけ……。
 
どうやら介護事業のプロからすると、介護業界の将来性は厳しいらしい。過当競争が始まっているほか、サービス付き高齢者むけ住宅(サ高住)など低料金施設に顧客を奪われ、介護保険料も絞り込まれ……。考えてみれば、金のない高齢者の方が圧倒的に多い。
 
 
そして最大の難関は、人材確保だ。恒常的に足りないのに加えて、他者の事業を引き取っても、オペレーションの方針などが違うと従前の人材が使えず、すぐ辞める。
イチから適性のある人材を育てるシステムもなければ余裕もない。給与は安くて、定着しない。給与が安いゆえに誇りや使命感も育たない。結果として事件・事故を起こしがち。
 
 
……このような事情を知っているからこそ、ワタミの事業を買い取ろうとしないのだそうだ。
 
 
 
……なんか、林業界と似ていると感じた次第(^o^)。
 
ここ10年。「林業は成長産業」と持て囃されて、新規参入も増えた。山林の取得もかなりの規模で行われている。バイオマス発電のようなイロモノに飛びついたり、先を考えない皆伐などの生産方法を取り入れたり。
 
目先の利益を追ってバイオマスだとか皆伐を拡大すれば、すぐに資源は枯渇するだろう。
利益が出なくなれば、森林や林業への思い入れは弱いからすぐに投げ出すだろう。
 
たとえ50年100年先まで考えた理想を掲げて参入しても、本業がしっかりしていないところは、厳しい情況だ。森林事業は短期間では赤字確実だけに、理想を支える本業なしでは立ち行かない。
 
森林経営の経験が豊富なところ、林業・木材業界に詳しいところほど、政府の「成長産業!」音頭に慎重だ。
 
そして人材が重要なのはいうまでもない。慢性的な人手不足だが、簡単に増員できないのは、林業は地域性が強くて、人材育成も時間がかかるからだ。技術だけでなく、広範な知識も身につけなくては危険なのに、ちゃんと育てるシステムもない。旧態依然で理不尽な慣例にしばられている。
あげくに給与は安いというより、前時代的な日給制? 
適性や十分な教育なしで現場に投入すると虐待……じゃなくて深刻な事故が起きるだろう。
 
 
 
林業界のワタミとか、虐待ホームはどこだ? ……なんて考えてしまったのであります(笑)。

2015/09/15

街中のナラ枯れ

たまには街の中を自分の足で歩いて散歩する。

 
いや、これまで歩くのは森の中が多かったから(^^;)。街の中は車で移動してしまう。すると、見慣れたつもりの町にも目に映るものが違ってくる。
 
そこで、こんなナラ枯れを目撃。
 
2
 
見事に道沿いのコナラの大木が枯れている。
よく見ると、その枝の中に電線も伸びている。いやはや、これ、どうする?
 
実は、ここ一か所だけでなく、各所にある。道沿いや人家の横とかに電線を巻き込んだコナラが枯れておるよ。
 
20150915_211854
これなんか、枯れた木の下に停めている車があって、そのうち枝でも落ちてきてつぶされても文句言えないなあ。
 
いち早く処理を……しかし、とうやって? 一本ずつ木登りして処理するしかないのだが、その技術者も費用の面でも大変だ。しかし、早く処理しないと、そのうち登ることもできないだろう。今なら、まだ枯れて数カ月だから、なんとかなると思うが。
 
おそらくアーボリカルチャー的技術を使うよりもクレーン車で上から伐っていくしかあるまいな。
それだって大変だし、技術もいる。通電は止めるのだろうか。そのままやるか?
 
 
こんなところもあった。
 
1
 
これは、数多くあるため池の水面に大きく枝を伸ばしたコナラが枯れている。
これは、どうにもならん。伐ったら確実に池に倒れ込むだろう。それを引き揚げるのは大変だ。近くに車両を寄せられたらいいが。。。
 
木が倒れるまで放置するか、池に倒したまま放置するか……。
 
 
生駒市よ。特別予算を組んだ方がいいよ(;´д`)。

2015/09/14

木材需要は5分の1に?

最近は、地方創生ブーム?なのか、地域活性化と組み合わせた日本の林業の見通しを聞かれることがある。
 
そうした質問に応える際には、今社会で関心のあることを聞く。
 
私は、たとえば人口減少。非正規労働の増加と収入格差。高齢化の進展……。
これらが林業の将来にも直結するだろうから。そのうえで木材需要の予測をしてみればよい。
 

たまたま中国木材株式会社の堀川保幸会長の講演資料を見てしまった(もちろん、ネットで)。

 
まあ、順当な中国木材の紹介・宣伝バージョンだが、一つドキッとした点があった。
 
それは、住宅着工件数についての部分。
今は政策的な下支えもあって、100万戸~90万戸前後を保っている。これが、将来的にどうなるか……という予測だ。木材会社にして建材会社である中国木材としては欠かせぬ予測だろう。
 
そこには、
日本の住宅は現在の100万戸時代から50万戸時代へ さらに20万戸時代へ
の文字が。
 
私は、60万戸時代が来る、という予測を耳にしていたが、それをはるかに下回る20万戸時代を描いているのか。それは何年後と予測しているのかは書いていない。
いずれにしろ桁違いである。言い換えると、木材需要が現在の4分の1から5分の1になるということだ。
そこで気になって、周辺の数値も調べてみた。
 
まず新規住宅の床面積の統計を見ると、これまた下がっている。20年前から10平方メートル小さくなっていた。つまり小さな家が建てられているということで、当然建材使用量も減るだろう。
ただ木造率はここ数年若干回復していて、5割を回復して6割近くまで上がってきていた。しかし全部が国産材というわけではなかろう。
 
いずれにしても、20万戸。この数字の正否はともかく、そこまで念頭に経営政略を考えているわけだ。
まあ、中国木材としてはリフォーム材の供給と国産材の輸出を考えているようであるが、それが減少分を十分カバーできるとは思えないなあ。
 

2015/09/13

広岡浅子本に土倉翁

NHKの朝ドラ「まれ」はようやく終わりそうで、9月28日から「あさが来た」が始まる。

 
これは明治の女実業家・広岡浅子が主人公なのだが、彼女の人生のクライマックスの一つ、日本女子大学の設立運動で深く関わったのが土倉庄三郎であることは、以前にも紹介した。
 
そこで、広岡浅子を取り上げた本やムックなどが書店に並びだした。
 
そこで、ちゃんと土倉翁を扱っているかチェック。
 
結果としては、触れていないものもある。見るからにペラペラな内容でやっつけでつくったとしか言えないものも。。。
が、それなりに土倉翁も紹介しているものもあった。
 
『九転び十起き! 広岡浅子の生涯 (NIKKO MOOK)』では、以下のような下りがあった。
 
001_2
 
女子大学の設立を考えていた成瀬仁蔵が、広岡浅子を訪ねたのは土倉翁の紹介であることを示している。そして
「実に此の土倉氏と広岡夫人とが後継者になられた事によって女子大学の最初の礎石は据えられた」と、『日本女子大学校40年史』から引用されている。
 
土倉庄三郎については、
 
002
 
こんな注釈が。
 
 
 
さて、もっと詳しいのが『広岡浅子の生涯 (別冊宝島 2387)』である。
こちらでは、本文半ページを割いて紹介している。
 
003
 
そして、こんな顔写真つき。
 
が、ここで気になるのだ。この写真の土倉氏は比較的若い頃のものだが、これは今まで表には出ていなかったものだ。私の取材の中で土倉家長男の末裔(^^;)がアルバムを調べて発見されたもの。写真そのものは、全身ある。
 
Photo
 
これは川上村の土倉屋敷前、筏場で撮影したものと思われる。わりと貴重なものなのだが、これを編集部はどこから調達した? 
川上村に問い合わせてNPO法人芳水塾にまで話が行けば手に入るだろうが、それにしては提供が入っていない。(ほかの写真には入っている。)
拙著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』には、掲載しているが……。 ちなみに版元の洋泉社は、宝島社のグループ企業である。
 
ちと、解せませんね。勝手に流出させたのではないことを祈る。

2015/09/12

ミステリーサークルを探せ!

ある人から提供していただいた情報の中に、興味を引く写真が……。

 
その情報の本筋とは何の関係もないのだけど。
 
グーグルマップでミステリーサークルが見られるというのだ。それも、スギでつくられた……。
 
私も挑戦。必死でグーグルマップを駆使するが、現時点では見つけられなかった。どうも、かなり小規模(と言っても、スギの木立でつくられているのだから、それなりの面積のはずだが。)らしく、よほど場所を特定しないと見つけ出しにくい。
 
情報では、宮崎県日南市の酒谷国有林内らしいのだが。。。
 
 
あんまりもったいぶるのもナンだから、正体を明かすと、ネタ元は以下のサイトにある写真である。
 
 
ずばり、ミステリーサークルとキャプションに書かれてるし(^^;)。
こんな植林の仕方、遊んだのかね、と思いたくなるが、一応意味があって、同心円状に植えることによって、植栽密度が変わるらしい。10段階に植栽されていて、中心部は密植になり、1ヘクタール当たりに換算すると1万本を超えるが、最縁部は377本になる。
ここは林分密度試験地なんだそう。
 
そして木々の育ち方を調べているそうだ。
 
その試験から導き出される内容はまた別の機会にして(^^;)、私としては、このミステリーサークルを実地に見てみたい。せめて、グーグルマップでもいいから自分の眼で確かめたい。誰か、具体的な場所を教えてください。もし、私より早く見つけたら教えてくださいませm(__)m。
 
 
 

2015/09/11

丸太からの芽吹き

最近、何かと写真を撮っているのは、「たくましい植物たち」。

 
以前も少し紹介したが、コンクリートやアスファルトの隙間から伸びる草とか稚樹、あるいは石垣から伸びるど根性スギとか(笑)。
 
 
今回は、先日訪れた宮崎県都城市の木材市場で見かけた丸太。
 
5
 
フツーに見たら、この木何の木?である。枝葉はついていないし、樹皮はめくれてしまってるし、切り口も黒ずんで伐採から何日経っているやら。
 
が、その丸太のかくしょから芽吹いているではないか。
その葉を見たら一目瞭然。木の葉はイチョウでしょう。
 
アップにすると、こんな状態。
 
4  
 
伐採された後の切り株から芽吹くならわかるが、伐られた幹、つまり丸太から芽吹くとは……イチョウは生命力あるんだね。恐竜時代から生きのびて、広葉樹か針葉樹かわからないだけに。
この芽をどこかに移植できないものかと思うが。。。
 
このイチョウ材は、今後どこに買われて何に加工されるんだろうか。まな板になってから芽吹く、ということはないと思うが(~_~;)。

2015/09/10

災害情報の“政治利用”

今日は出かけていたので、北関東の水害を知ったのはツイッターからだった。

もっとも、出かける前から「特別警報」が出されていたのは知っていた。その意味では、今回の水害は“想定内”だったのかもしれない。 
 
とはいえ、ツイッターである。情報としては断片的。
 
そして何かと目立つというか、繰り返し発信・リツイートされて邪魔なのが「怪情報」である。
 
・鬼怒川の堤防が決壊したのは、民主党時代に事業仕分けでスーパー堤防計画を御破算にしたからである。
・堤防が決壊したのは、堤防の一部削ってソーラーパネルが設置されていたところ。
・水力発電所が水没した。(原発を動かさないと)電気が足りなくなる。
・自衛隊の活躍がすごい、これでも(戦争法案に)反対するのか。
笑うのは、
・オスプレイが被災者を救助している……オイオイ(笑)。
 
即座にデマだと判断できるのもあれば、論理的に破綻しているもの、検証の必要なものもあるが、今の時点で断言できるものはなく、また牽強付会してまで発信すべき情報でもない。
 
こういうのを、災害情報の政治利用とでも呼ぶべきだろうか。
いかなる事態でも、いかなる無関係の情報でも、自分に都合よく使う輩がいるのだねえ。
 
ま、ツイッターでは、それらの妄言を否定する情報も流れだしているが。
 
 
この際だから、私も今回の災害を“政治利用”してみようか。
 
今や、想定外の大雨や台風、地震……など巨大災害の発生が想定される時代である。それでも、林野庁は皆伐を推進するんですか。伐採跡のはげ山が大雨で崩れたときは、伐採業者や再造林しなかった山主に批判を向けるのですか。
 
 
わしも、厭味な奴よのお。。。
 
ま、上記の政治利用発言に、私自身が反論してもよいのだが(^^;)。ともあれ、大面積の皆伐に世間の厳しい目を向けさせるためには、今なら災害を持ち出すのは有効かもしれん。
 
 
ともあれ、被災された方々にはお見舞い申し上げます。
 

2015/09/09

Agrioで林業特集?

以前、少し紹介したと思うが、時事通信社が発行しているAgrio(アグリオ)という電子農業誌がある。

 
その名のとおり主に農業、そして農山漁村地域の問題を扱っており、契約者にPDFで届ける雑誌だから、一般にはほとんど知られていないだろう。しかし内容は専門性が高く、しかも週刊なので速報性もある。官公庁や地方自治体、農協の内部情報なども網羅している。
読者は、農林水産関係の行政関係部署および個人に多いらしい。
 
やはり林業は肩身が狭く、ほんのわずか、というべきか。水産業より少ない気がする。
ニュースファイルやトップニュース、中央官庁だより、といった、いわばベタ記事欄に登場する程度だ。
 
その中で私は、たまに林業や山村振興関係の記事をチョコチョコと執筆している。まあ、農業関係の読者に対して「少しは林業にも眼を向けようよ」とか細げに声を上げているかのよう。
 
 
が、9月8日号は、ちょっとびっくり。
ずらりと林業系の記事が並んでいるではないか。
 
Photo これが表紙。写真は私が提供した紀伊半島某所の皆伐地。
 
で、巻頭は私が執筆した。
 
Photo_2
 
林野庁の事実上の皆伐推進施策について記した。
 
次に掲載されているのが、バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆき氏である。バイオマス発電の進展によって燃料とする木材の争奪戦に触れていて、奇しくも皆伐問題も取り上げていた。
 
Photo_3
 
私の記している皆伐とは切り口が違って、私の説明仕切れなかった部分に触れているからありがたい。両方合わせると、事態の深刻度が浮かび上がるのではないか。
 
そして最後に登場するのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの相川高信氏の寄稿で、フォレスター・ギャザリングの紹介。これは、日本型フォレスター(森林総合監理士)の現状と、それを少しでも打破するために開く会合(10月11日)のこと。
 
Photo_4
これは岐阜・高山市で開かれる林業機械展に合わせて企画されているのだが、私も覗きたいと思いつつ、家庭の事情も含めてなかなか厳しいと悩んでいる。
 
いずれも読みごたえがある(^^;)と思うが、記事の内容はともかく、これほど林業記事、それも短信ではなく、きっちりとした濃度の高い記事が並ぶのは初めてなので、身内ながら感嘆しているのである(^o^)。
 
 
 
ちなみにアグリオのサイトはないかと検索してみたら、「アグリオ」というニンニク料理専門店がズラリと並んだ(笑)。いやはや、知名度のほどがわかる。
 
一応、こんなページがあったよ。
 
電子農業誌アグリオ  無料トライアル申込みというのもあるな(⌒ー⌒)。

2015/09/08

食物連鎖から食物網へ

ダーウィンの「種の起源」を紹介するテレビ番組を見ていると、

今は「食物連鎖」ではなく「食物網」、という言葉で出てきた。
 
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なるほど。食物連鎖とは、下位の生物が上位の生物(主に動物)に食べられて 、最後に頂点に立つ動物がいるという図式。ダーウィンの進化論の世界から登場した概念だろう。
かつての生態学の教科書には、必ず載っていた言葉、そして図だ。
 
しかし、現実には食べるものも食べられるものも複数あって、また時に食べられる相手が変わったり関係性が逆転する。それは連鎖というより網目のような図式になる。だから食物網か。そんな複雑な種と種の関係を指摘していたのは、ほかならぬダーウィンだという。。。。
 
つまり世間は、壮大な誤解を何世紀にも渡って続けていたことになる。
それどころか、弱肉強食とか自然淘汰の概念を人間社会に当てはめて、人種の優性主義や格差・階級社会を自然の摂理だと曲解することも行われてきた。
 
 
私も、理屈は知っていたが、すでに言葉が「食物連鎖」という言い方は古くなって「食物網」と言い換えられているとは知らなかった。ああ、旧世代だなあ。
 
しかし、肝心の理論はいまだに古いままそこかしこに根付いていないか。
 
シカが増えたからシカを捕食するオオカミを野に放てば生態系のバランスを取り戻す、とか真面目に唱えている学者もいる。
 
林業だって、いまだに外材輸入を抑制すれば国産材が売れる、という主張が根強い。だから関税をかけろとか、セーフガードを発動しろとか。外材がなければ国産材を買うと思っているのだ。
 
しかし、実際はオオカミを野に放しても、シカやイノシシはほとんど捕食しないだろう。家畜や家禽を襲う可能性が高い。沖縄ではハブ退治にマングースを放したら、ハブよりヤンバルクイナを餌にしてしまった。
同じく外材を規制しても、消費者は使い勝手の悪い国産材よりも鉄骨やコンクリートに流れるに違いない。そして木の文化は廃れて木材自体の消費量が減少するだろう。
 
「食物連鎖」は間違っていた(少なくても舌足らずだった)としたら、今度は食物網」の考え方を社会に持ち込んだら、また新しい世界観・経済観が登場するのではないか。
 
国産材の需要を増やしたければ、用途を建築ばかりに固執するんじゃなくて、さまざまな商品アイテムを増やすべきだろう。家具や生活グッズ、土木資材、内装・外装……。さらに木材から食品産業や化学産業を起こすなど「捕食者」を増加させることが重要ではないのかね。
 
いっそダーウィン林業論を打ち立てられないか……なんて夢想してしまう。
 

2015/09/07

キノコの季節とナラ枯れ

雨がまだらに降る中、タナカ山林を巡回した。

 
やはり目につくのは、キノコだ。不思議なもので、キノコを目にすると、カメラを向けずに居られなくなる。身体を這いつくばらせて撮りたくなる。
その色、形、生長具合。気分が浮き立つのだ。森の中のキノコは、緑の中の紅一点だねえ。
 
 
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おお、キノコの季節だ。今年は、きっと多くのキノコが芽吹くんじゃないかな。
 
なぜなら、生駒山にナラ枯れが爆発的に広がっているから。枯れたコナラは多くのキノコを培養してくれるだろう。
 
本当は、最強毒キノコ・カエンタケ を探していたのだけど、まだ見つからなかった。だが、枯れたナラにはカエンタケが発生しやすい。昨年はちょっと発見されただけで騒ぎになったが、本当に広がるのはこれからだろう。
そのうち全山カエンタケだらけ! という時期が来るかもね。怖いようで、o(^-^)o。
 

2015/09/06

書評「想定外を生まない防災科学」

今夜のNHKスペシャルは「巨大災害」の第二回目。テーマは「大避難」だ。

そんな番組を見た夜には、この本を手に取ろう。

「想定外を生まない防災科学」(田中隆文・編著/古今書院)
   ~すべてを背負う「知の野生化」~
 
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「想定外」という言葉が、いつのまにやら幅を利かせるようになった。

私の記憶では、ホリエモンこと堀江貴文氏がプロ野球球団の買収・新球団創設に乗り出したときに、横から楽天が割り込みかっさらった時に口にした言葉が印象に残っている。
 
が、やはり最大の「山場」は、東日本大震災と原発事故の際に、政府はもちろん科学者からも乱発された「想定外」だろう。まさに大盤振る舞いされた「想定外」。
日本の社会は、「想定外」と口にすれば、誰も責任を負わず、被害者も悟りの境地に達する社会だと知って、ああ便利な国だと思った。
 
さて本書だが、タイトルどおり、このところ天変地異が続く度に「想定外」という言葉が繰り返される。しかし、科学の世界では想定できることも多いのだ。ただそれが一般市民はもちろん、政治家、行政に通じないもどかしさ。
それを防災科学の面から各研究者が論じている。
 
実は、東日本大震災の年に、砂防学会内に「砂防学における知の野生化研究会」というのが立ち上がり、そこで論じたものを集大成したのである。
 
私自身は、「知の野生化」という文言にピピピと来た(^o^)。全体に、各章内にある小タイトルなどのキャッチワードがウマイ。本文は難しくて読めなくても、タイトルを追うだけでわかった気にさせる。
 
章のタイトルをいくつか抜き出すと、
「想定外」はどこから生まれるのか
情報の信頼性をどう判断するのか
「市民知」のあり方
「答えはひとつ」からの転換
「すべてを背負う知」からみえてきた災害の実態……
 
まず論じられるのは、科学に対して一般社会が求めがちな「わかりやすい説明」がはらむ問題点の指摘だ。
それは、想定を必要とした単純化した科学なのだ。いわば実験室内の書斎科学。野外の科学は、幾千万の条件を積み重ねた再現性のない現場である。それを少数の原理に落としこんでしまうと、「想定外」を生み出すという皮肉な結果に陥っている。
「理解を助けるための典型例の提示」が、実は必要な注釈を取り除いてしまっている。それでは自然災害に対応できないということである。
 
ここでも「飼い馴らされた科学知」「野生化」するべき……という刺激的で魅力的なキャッチが使われている。
 
さて、本書はかなり難しい言葉の羅列が続く。私としてはもっと「わかりやすい説明」がほしい。これでは、砂防分野を専門とする学者しか読めないだろう。一般人は、見出しを追いかけて興味をもった章と、各章の最後につけてある「解題」を読めば最低限は理解できるんじゃないかと思う。
 
 
そこで私が無理やり本書の結論的な部分を「わかりやすく」抜き出すと、「わかりやすく単純化するな」「典型例に絞り込むな」ということになる(なんという皮肉!)。そして「注釈をいっぱいつけて、判断材料を提供する」という……。これを「すべてを背負う科学」と名付けている。
もちろん個別の特殊条件による事例の単純化・簡易化は、コンピュータの分析に任せることができることや、「情報は(削ぎ落として)精緻化せずに(結びの情報を)活かす」方法なども提起されている。
 
いわば、本書は災害や防災を扱う専門家としての科学者の情報発信方法のテキストになる。それは、今後も続く大災害時代のテーマになるだろう。
ただ、学者が研究として「想定外」を生まないようにしても、結果が一般市民に届かなければ、災害後に「この程度は想定していました」と言われても無意味である。防災科学は活かしてこそ、だ。
次に求められるのは、想定内の内容をいかに心に響くよう伝えるか、対象者を行動に移させるか、というテーマになるだろう。
 
 
……折しも、NHKスペシャル放映中に、こんな緊急速報が流れた。
 
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和歌山県みなべ町で、大雨による河川の増水が起きて、「避難判断水位」に達したというのだ。 実は現在、和歌山県中南部では大雨洪水警報が発令中なのだ。番組は、東京下町の高潮からの避難を取り上げているが、それどころじゃないでしょ!  
 
 
ちなみに、「伝える」というテーマは重要である。私自身も、常に迫られている。
なぜなら、私の執筆する内容は、森林などの自然科学のほか経済やら歴史やら民俗やら哲学やら……多くの分野を縦断的に取り上げることが多いから、本来は複雑で難しい。しかし私の執筆する舞台は、雑誌にしろ書籍にしろ、一般誌や教養書、などのノンフィクション部門であって、読者は専門家ではなく一般人を対象にしている。そこで常に「わかりやすい説明」が求められる。
 
つまり本書と反対の方向に向かうわけだ。しかも私は、注釈はなるべく付けないことに決めている。通常、注釈は読まれないからだ。
 
では、どうしているか。
 
それは……中心テーマ以外は、誤解する奴には誤解させておく、気にしない、である。もっと言えば、誤解されそうな書き方を「わかりやすくするために」あえて取ることもある。
野生化した知のうち、生き残るのは一つ」でいい。
 
これは、私の経験則なのだが、どんなに理を尽くし、文章力を駆使して説明しようが、誤解する奴は誤解する。あるいは読み手にとって気分の悪い、都合の悪い情報はほとんど受け取られない。いわゆる「バカの壁」は強固だ。それに立ち向かうのは愚、と感じる。
 
だから私のスタンスは、内容すべてを完璧に伝えようと思わない。どうしても譲れないテーマに絞る。あとはおチャラけて、誤解されて、批判されてもよい。かなり自らの合格ラインを下げている。
もっとも、それさえ難しい。もっとも論じたい本筋を無視した部分ばかりに注目(ツッコミ、批判、反論、異論ともいう)が集まることも多いのだけど。。。。
 
この点については、改めて所感を記したい思いはあるが、今回は抑えておこう。
 
 
 

2015/09/05

村尾行一氏と丁々発止?

今日は吉野に仕事があって、朝から出かける。

 
が、なんと同時刻に谷林業が村尾行一氏(愛媛大学名誉教授)を招いての講演会を開くという。しかも朝9時から午後4時まで!
 
仕事は外せませぬ。吉野から谷林業の事務所まで1時間半はかかるからなあ。しかし……幸い夕方まであるというのだから、終わり頃でもよいから顔を出そう。
 
村尾氏とは、これまで数度お会いしているから、別に初めて会いたい! というわけではない。が、それでも固執したのは、私にとって村尾氏の本こそが原点だからである。
 
私は、林学科出身であるし、それまでにも森林関係の本はかなり縦横に収集して目を通している。が、頭を打たれたようなショックを受けたのが、この本だ。
 
2  山村のルネサンス(新版) 都市文化社 1986年刊
 
これこそ森林、林業、山村問題を縦横無尽に論じている。(ただしまとまった本ではなく、幾つかの原稿を集めたアンソロジー的である。)
 
それまで私がモヤモヤと抱いていた林業観を打ち砕き、山村と林業と森林の関係に目からウロコになった。それ以後、私は焼畑関係の本を買い集め、実地で焼畑の探訪を始めた。宮崎県椎葉村のほか、ボルネオのイバン族の村まで訪ねた。なぜかフルーツトマトも追いかけた。なお、ファンレターも送った記憶がある。
 
ちなみに、ときは1980年代、私はまだ会社員だったのだが。
 
いわばこの本は、私が森林ジャーナリストとなる端緒になったと言って過言ではない。
 
村尾氏の本は、その後もたいてい読んでいるが、近著はこれ。
 
3  
ちゃんとサインをもらいました\(^o^)/。……しかし、なぜ「山村のルネサンス」も持って行かなかったのだろうと、後で後悔した。どうせなら「東濃檜物語」も、「人間・森林系の経済学」も「木材革命」も……。
 
1_2  
 
残念ながら、私が到着したときは、もう講義は終わっていたのだが、その後も「独り言」を繰り返されたので、そこそこ村尾節を聞けたと思う。
 
また終わってからの休憩時間に囲んで話もできた。
 
ちなみに以前あったときは、まあ、コテンパンにやられている。こちらの素朴な林業に関した意見や知識などはあっと言う間に、林業界の碩学であらせられる村尾氏の毒舌に吹き飛ばされるのだ。
それでも、あんまりいやな気分にならないのが不思議。(もっともいやな気分になる人も多いらしく、敵が多いのはそのせいかな。。)
 
が、今回お会いして、村尾氏もお年を取られたのか随分丸くなった印象だ。口ぶりも優しい。考えれば80歳を超えておられるのだから。
そして、私もその分年をとっているので(^^;)、それなりに知識も身につけて、しっかり言い返す術を身につけた。
 
焼畑のこと。木材輸出のこと。里山という言葉の起源について。北山杉に四谷林業。山国林業。吉野杉の素性のこと。吉野林業全書のことなら負けんぞ( ̄ー ̄)。
こう私が言ったら、どう言い返されるか、ヒヤヒヤしつつ言い返す。ああ、このゾクゾク感がたまらん(笑)。案の定、ピシャッと再び言い返されたり、おや意外なことに認めたよ、とか。こんな丁々発止感覚は久しぶりだ。 
 
 
ところで村尾氏は、谷林業の動きにしごく満足そうであった。「一度は日本の林業に絶望した身……」とか言っていたが、新たな希望を持ったのではないか。
 
なお、拙著『森と日本人の1500年』を贈呈した。ボロクソ批判されるのかも、と思いつつ、それが楽しいのよ、と私もマゾヒスティックな気分を楽しんでいる。
 
 
 
……ところで。今日のお昼は、川上村で食べた素麺。
メチャクチャ美味かった。川上村の素麺は、隠れた名産ですぜ。
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2015/09/04

京都府に森林環境税、兵庫県に林業大学校?

京都府が来年度から森林環境税を導入する計画なのをご存じだろうか。

 
森林環境税に当たる自治体独自課税を行っているところは、全国に34県。それに横浜市が政令指定都市として似たような税(横浜みどり税)を施行している。
 
今更と思いがちだが、実は東京都や北海道、大阪府は行っていないから、実質「県」だけ。もし京都府が始めたら初めて府も課税したことになる。
京都府の人口は、254万人と多いだけに、それなりにインパクトが大きいのではないか。
 
内容は今後決まっていくのだろうが、検討されているのは一人当たり600円程度。住民税上乗せ方式だ。企業には課税しない方針なので、人口の割には徴税額は少なめの、年間5億6000万~6億7000万円になる想定だ。
 
いつも思うのだが、この手の増税は、目的税ぽい割には何に使うのかわからない、また使い道に困っている様子なのだ。
そのことについては、すでにYahoo!ニュース「知ってる?森林環境税の使い道」 にも書いた。(実は、本ブログでも森林環境税については長年にわたって繰り返し記している。興味のある人は「森林環境税 森林ジャーナリストのブログ」で検索してほしい。)
 
京都府はこの増税を何に使うのか聞いてみたい。
 
ところでお忘れだろうか。自治体課税ではなく、環境省も新たな課税を考えていることを。
環境省の環境新税 である。有識者会議が、自然保護の財源として、国民一人1日に1~2円の課税を提案している。単純計算で年間365円~730円を取ろうというわけだ。
 
この税は森林環境税とは別だから、両者合わせると大増税! だ。
 
 
 
ところで、森林環境税の先輩で、こちらは法人からも徴税して、使い切れぬほど?の財源を確保している兵庫県では、林業大学校の新設を検討しているそうだ。
 
こちらは2019年度をめざしているようだが、高校卒業者を対象にしているらしい。こちらは地域創生課が中心になっていて、若者の流出を止めて呼び込むことも目的のようだが、そんなに需要、つまり就職口があるのだろうか。
 
ところで林業大学校の先輩なら京都でしょう(^o^)。両者で森林環境税と林業大学校の情報交換をしたらいいのではないか。兵庫県の人口は557万人だが、神戸市という京都市と近い大都市を抱えつつ、森林面積が広い。
 
物々交換ならぬ情報交換は大いに参考になると思う。
ただし、お互いノウハウを教えるのではなく、新税の運営はいかに大変か、林業大学校の経営はいかに苦労しているか、目論見が外れたところとか発生した問題などの情報を教え合う方がためになると思うよ。そして、お互い「止めておいた方がいいんじゃない」とアドバイスする(笑)。それでもやると思うなら、覚悟ができるだろう。
 
 

2015/09/03

世界林業会議inダーバン

9月7日~11日、いよいよ南アフリカ共和国のダーバンで「世界林業会議2015」が開かれる。

 
と言っても、あまり知られていないだろう。私も、内容はよく知らない(^o^)。開かれる、というのは前から小耳に挟んでいたのだけど、どんな背景があって、何を誰がどのように話し合うのか……。
 
だから、ちょっと調べてみた。
 
WFC2015
 
残念ながら、英語のサイトしか見つからない。頑張って読んでくれ。私も頑張って……ああ、面倒だ、機械翻訳を使ったよ。
 
どうやら世界の林業家および森林サポーターが一堂に介して、持続可能な林業について話し合う……ものらしい。
 
主催しているのはFAO のよう。なんと1926年に第1回目がローマ開かれたとあるから、結構な歴史があるわけだ。
近年の開催は、2009年がアルゼンチンで、2003年がカナダ、1997年はトルコ、とだいたい6年に一度のようだ。これまで日本では、ほとんど話題に上がらなかったような気がするが……日本の代表は参加していたのだろうか。
 
では今回、日本は誰が参加するのか。……お、見つけた。
 
一般社団法人持続可能な森林フォーラム代表 
一般社団法人ウッドマイルズフォーラム理事長
一般財団法人林業経済研究所所長
 
……などの肩書で藤原敬氏が出席するらしい。
 
ほかにも一般参加などには日本人が多く行くのだろう。
 
今回のテーマは、「森林と人々。投資は持続的な未来につながる」である。この投資は、森林にかかるのだろう。
分科会もいっぱいあるようだ。社会の経済発展と食料安全保障のための森林、森林の回復力の構築、森林景観とその他の土地利用、商品開発と持続的な貿易、より良い意思決定のための森林モニタリング、ガバナンスの改善……などだ。
そのうち詳しい報告があることを期待する。私は英文および機械翻訳文を読むのが疲れたよ。。。
 
 
ただ、これはあくまで会議のようだ。私は、かつて1884年(明治17年)にイギリスのエジンバラで開かれた万国森林博覧会 のようなものがあれば面白いと思うんだけど。各国が、森林や林業に関する出展をして、自らの国の状況や試み、そして研究成果などを発表し合う場があればいい。もしかして、日本の林業界は恥を掻くかもしれないけれど……。
 

 

2015/09/02

磐城高箸社長、TEDxに登場!

株式会社磐城高箸と言えば、割り箸業界ではちょっと有名……かどうか、少なくても本ブログには何度も登場していただいているから記憶に残っているに違いない。

 
その社長である高橋正行氏が、TEDx Tohokuに出演したと、以前聞いていた。
 
一応説明しておくと、TEDとはアメリカのプレゼン番組で、各界の著名人というかキーパーソンが登場して、13分間ほどのプレゼンを披露するというもの。日本では、NHKのEテレで「スーパープレゼンテーション」という番組として放映している。実際、私はほとんど見ているがチョー面白いし、含蓄のあるプレゼンが聞ける。
 
で、その日本版の中で、東北でやっているのがTEDx Tohoku だ。
そこに高橋社長が登場して、割り箸について熱く語ったというのだ。タイトルは、
 

Disposable chopsticks are bad for the environment? Not at all | Masayuki Takahashi | TEDxTohokuSalon

 
 
是非、見てほしい。
なかなか低い声がセクシーです(^o^)。
聞き取りやすいし。間の取り方がいいし、でも熱い。
ついでに拙著『割り箸はもったいない?』が登場するし。
 
私としては、もう少し磐城高橋の歩みも語ってほしかったと思ったが。
 
でも、最後に「実は私、そんなに割り箸が○○だというわけじゃないんです」と言ったときはのけぞりました(笑)。
 

2015/09/01

不思議なテラス

富雄川沿いを車で走っていたら、不思議なテラスが目に入った。

 
2
 
富雄川とは、生駒から奈良市に越境したところぐらいにある川とでも思ってくれ(^^;)。
北から南へと流れ、最終的には大和川に流れ込むのだけど、上流ほど住宅街が広がっているような地勢である。
 
 
そこに、上記写真のようなテラスが目に入った。正確には、以前より目に止まっていたが、今回「あれは何だ?」と思ったのである。なんか、
 
木の上にあるし……。遊戯道具か何かありそうである。それともイス・テーブルか。幼稚園とかその手の施設なんだろうか。
 
で、車を止めて、トコトコと近づいていく。なんか、地元の人しか通らないようなヤバイ?道。
 
すると、道端にこんなテラスがあった。
 
1
 
なんかいい。手づくりぽいが、あえて木の幹を取り込んだらしい。
 
結構広いし、ここで遊べば楽しいだろう。
 
下から見学。
 
1_2
 
なかなか太い木であった。田んぼに面した急斜面の法面に木が何本も生えていて、そこにテラスをつくってスペースを確保したらしい。
 
問題は、誰がつくったのか、という点だが、それはわからなかった。
周りには住宅しかない。公共スペースではないようだ。今回は、人影もなく、テラスの入口も締まっていたので中には入れなかった。おそらく個人が自らの土地に作ったのだろう。
 
ちょっと日曜大工としては大規模だが、作っているときも楽しかっただろうな。

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