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森と林業の本

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2015/09/14

木材需要は5分の1に?

最近は、地方創生ブーム?なのか、地域活性化と組み合わせた日本の林業の見通しを聞かれることがある。
 
そうした質問に応える際には、今社会で関心のあることを聞く。
 
私は、たとえば人口減少。非正規労働の増加と収入格差。高齢化の進展……。
これらが林業の将来にも直結するだろうから。そのうえで木材需要の予測をしてみればよい。
 

たまたま中国木材株式会社の堀川保幸会長の講演資料を見てしまった(もちろん、ネットで)。

 
まあ、順当な中国木材の紹介・宣伝バージョンだが、一つドキッとした点があった。
 
それは、住宅着工件数についての部分。
今は政策的な下支えもあって、100万戸~90万戸前後を保っている。これが、将来的にどうなるか……という予測だ。木材会社にして建材会社である中国木材としては欠かせぬ予測だろう。
 
そこには、
日本の住宅は現在の100万戸時代から50万戸時代へ さらに20万戸時代へ
の文字が。
 
私は、60万戸時代が来る、という予測を耳にしていたが、それをはるかに下回る20万戸時代を描いているのか。それは何年後と予測しているのかは書いていない。
いずれにしろ桁違いである。言い換えると、木材需要が現在の4分の1から5分の1になるということだ。
そこで気になって、周辺の数値も調べてみた。
 
まず新規住宅の床面積の統計を見ると、これまた下がっている。20年前から10平方メートル小さくなっていた。つまり小さな家が建てられているということで、当然建材使用量も減るだろう。
ただ木造率はここ数年若干回復していて、5割を回復して6割近くまで上がってきていた。しかし全部が国産材というわけではなかろう。
 
いずれにしても、20万戸。この数字の正否はともかく、そこまで念頭に経営政略を考えているわけだ。
まあ、中国木材としてはリフォーム材の供給と国産材の輸出を考えているようであるが、それが減少分を十分カバーできるとは思えないなあ。
 

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