イノシシは、よく土を掘り起こす。
それはミミズを探しているんだ、という説があったが、必ずしもそうではないらしい。そもそもミミズをそんなに好んで食べるわけでもないという。
これは、生駒山の、あまり人の通らない道。ま、廃道と言ってよいのだが、そこを歩くと驚くほど耕されていた……(;´д`)。どうやらイノシシの仕業らしいのだが。
それが道(跡)部分ばかり。道からそれた森の中は、意外なほど掘り返されていない。道と言っても廃道に近いから暗くて崩れかけているのだが、そこを耕すものだからいよいよ歩きづらい。ふわふわというか、足がズボリと潜り込む。たまらん。
゛
なぜイノシシは、こんなに土を掘り返すのだろうか。納得できるような理由が見つからない。
あえていうなら、掘り返すのではなく、牙を土に突き刺して楽しんでいるんじゃないか、あるいは土そのものを目的としているんじゃないか、と感じることだ。
そういや、シカは鉄道線路沿いによく出没して事故を引き起こすが、それは線路が削れて撒かれる鉄粉を求めているのだ、という研究が出ている。鉄分を取るために線路沿いに出てきて跳ねられるというのだ。
イノシシも、道のような適度に硬くしまった地面を掘り返す理由があるのではないか、と思ってしまう。林床はお気に召さず、あくまで道がよいのだ。まさか道には汗が落ちていて塩分を含んでいるから? そりゃないか(笑)。
やっぱり、猪に近代的自我が確立しつつあると思うのです。
「掘りたいから掘る。それが何か?」
投稿: 沢畑 | 2015/10/18 23:16
近代的自我!
「そこに土があるから」
「掘ることに猪生を見た」
「我思う、ゆえに我掘る」
「猪は、考える鍬である」
……なんてイノシシが考えているのなら、ちょっと怖い。
投稿: 田中淳夫 | 2015/10/18 23:31
シカやイノシシが鉄粉を舐めに線路に来るという話、私も見かけましたけど、本当なんでしょうか?
そもそも、体内では鉄は何処にあって、どのようにリサイクルされてるんでしょうね?
人間の場合、女性だけじゃなく男性でも鉄分は必要とされてるので、何らかの経路で鉄分が出てるんだと思うんですが
そういえば糞のレッドフィールド比って聞いたこと無いなあ
投稿: か | 2015/10/18 23:58
「鉄分を求めて野生動物が集まる」というのは、研究結果があるそうです。鉄は動物の必須ミネラル成分ですから。血液の赤血球は鉄がないとつくれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151013-00010001-norimono-bus_all
が、たしかに鉄の粉をなめたら体内に鉄分を取り込める、というのは短絡的すぎですね。生理学をなめている。
投稿: 田中淳夫 | 2015/10/19 00:18
CiNii と Google Scholar見たけど、それらしい論文は見つかりませんでしたよ
投稿: か | 2015/10/31 23:59
うちの畑に訪れる猪。
雨が降った後に歩いた道の周りや
青草をすき込んだ畝は
あちこち掘り返されてます。
腐敗のニオイがキーかもしれないですね
投稿: NoMeritRecords | 2023/11/21 21:25