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2015/10/03

『広岡浅子が生きた時代』の中の土倉翁

「あまちゃん」再放送が終わった。もう、これで早起きしなくて済む……(⌒~⌒ι)。
 
 
 

朝ドラ「あさが来た」の関連本が多く出ている。原作のほか書籍に雑誌にムック。10種類を越えるのではないか。

これほどたくさん出るのは実在の人物をモデルにしているうえ、日本近代史的にも大きな人物で魅力的だからだろう。
 
で、私も可能なかぎりチェックはしているつもりだが、まあ玉石混淆……。ひたすら広岡浅子にクローズアップしているものから、時代背景も取り入れて解説しているものまで。
その後者の中で出色なのは、これだった。
 
Img001
広岡浅子が生きた時代
  時空旅人別冊  男の隠れ家特別編集
 
 
もちろん「あさが来た」の紹介や主人公を演じる波瑠インタビュー、といったいかにもTVドラマの関連本としての工夫もしているが、かなり濃密に時代背景を調べて執筆している。
 
前半では、幕末から明治の時代を描いている。
 
・経済を動かした両替商
・結婚と女性の生涯
・新政府の経済改革
・新興成金の登場
・炭鉱業の興隆
・女性の文明開化……などなど。
 
歴史の側面入門としても読めます。
 
浅子と同時代に輝いた女たち」 の項目には、私も「土倉庄三郎を取り巻く女たち」で触れた鈴木よね、中島湘煙、福田英子……なども紹介していた。
 
そして肝心の土倉庄三郎の扱いは、かなり破格だ。
広岡浅子を支えた偉人たち」の項目で、三井家、広岡家の、いわば身内に続いて登場するのである。
 
Img003  見開き2ページを割いている。
 
 
ちなみに次が伊藤博文。そして渋沢栄一。それより前に掲載している点を好感(^0^)。
 
それだけではない、最後に 明治の実業家が残した「家憲」を読む、というコーナーがあり、そこには土倉家の家憲が2本も紹介されている。
 
自ら儲く可き金の三分は人に儲けさせよ
 
公共事前の事業に対しては決して人後に落る勿れ
 
この言葉は私も確認していないなあ。よく調べた。
ちなみに土倉家には明文化した家憲はない(笑)。ただ、庄三郎存命中の言葉の中から拾いだして、後にまとめた人がいるのである。
 
2
 
上記の写真は、戦後に出された珍しい「家憲カレンダー」の中の土倉家のもの。
思えば歴史とは、幾重にも重なり人々の人生を織りなして存在するのだと感じ入る。
 
 

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