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森と林業の本

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2015/10/08

続・生駒山にバイオマス発電所!

生駒山に登場したバイオマス発電所。

 
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計画を調べると、株式会社都市樹木再生センター(という名のリサイクル会社)がBPS大東というバイオマス運営会社を立ち上げて始めたものであるらしい。
発電規模は、5750キロワット。やはり大規模型のバイオマス発電である。今秋から稼働させる計画だ。
 
すでに従業員の募集もしていた。
 
 
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しかし、どこから肝心の燃料を集めるのか。
 
この想定出力なら、ざっと木材6万トンは必要だろう。10万立方メートルを越える。
奈良県の吉野(大淀町)に完成したバイオマス発電所は、必要量の半分を未利用材で調達予定していて、それが3万5000トンになると聞いた(詳細な数字は変化していると思う)が、初年度分から集まっていないと嘆いていた。仮にも林業県である奈良県も苦戦しているのに、大阪府はどこから集めるのだ? 奈良県側は出さないだろう。
 
少なくても、地元の生駒山では無理だ。
親会社は、主に街路樹や庭木など園芸会社の廃棄物を処理しているので、そこから回すにしても、しれているだろう。何より、それらは未利用材ではなく一般木材になるから、FIT価格も17円になる。
 
大規模バイオマス発電所の法則では、半径50キロ圏内から集める必要がある。さもないと採算が合わないはず。生駒山から50キロ圏内と言えば、大阪府北部の高槻市と南部の河内長野市辺りまで入る。ここは、かろうじて大阪で林業を行っている地帯だが……。
 
大阪府の木材生産量は、せいぜい年間1万立方メートルである。その10倍が必要? 
園芸廃棄物や建築リサイクル材は、どれほど確保できるか……。
 
が、確保先よりも輸送の手間とコストを考えるべきだろう。何より山の上に立地しているのだからトラック輸送しかない。1台に何トン積めるかにもよるが、その膨大な消費量を考えれば、1日に100台くらいで運び込まないとならないのでは? と想像してしまう。それが渋滞する阪奈道路を走る……。距離以上に都市部を走るのは大変だ。
 
港に隣接してつくれば、船が使えるのに……。船なら国の内外によらず安く大量輸送が可能だ。しかし、少しでも港から離れたら、一度はトラックに積み換えて運ばねばならなくなる。一気にコストは増大するだろう。
 
ついでに言えば、乗馬クラブ跡に集積所をつくっているわけだが、実は発電プラントのある場所とは阪奈道路を挟んで反対側。位置的には対面で近い(数百メートル)が、いざ移動させるとなると、自動車専用道路(阪奈道路)を横切るには大回りしなければならず、なかなかの手間がかかる。
一度燃料木材を下ろした後にまた車に積み直して、目と鼻の先の発電施設に搬送するのは相当無駄が多いのではないか。物流の素人が計画したのだろうか。。。
 
……と、考えれば考えるほど、この発電施設の運用は難題ばかり。
 
ちなみに来年4月からの電力自由化にともない、FITで買い上げる電力料金の制度変更で「回避可能費用」の算定方法が見直される。これを詳しく説明するのは面倒だが、おそらく再生可能エネルギーの売電価格が減ることになる。収益計算の土台がゆらぐのだ。
 
 
さて何年持つかな? 経営が行き詰まったら、また補助金を投入するのだろうか。ああ、そういえば大阪府は来年から森林環境税を導入する。膨大な人口から、有り余る資金を手にできるわけだ。それをこの事業に注ぎ込むのかな?
 
今後の成行を見守ろう(⌒ー⌒)ニヤニヤ。。。。
 

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コメント

正確には議会に上程「予定」ですね。否決されれば、終わりです。
今時点ではバイオマス発電施設そのものに補助する話にはなってませんね。

おっと、そうですね。で、議会の動向はどうでしょうね。税金取ることには、どの党も反対しないような。。。

外野からは維新vs他党ばかり目立つけど。

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