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2015/11/12

2つの「森林教育」の世界

先日、某集まりに参加したのだが、そこで森林教育の話になった。

 
 
017
 
すると、やたら会場が盛り上がるのだ。森林教育、いいねえ! という雰囲気が蔓延?して、次々と意見をいう人が現れる。みんな、一家言あるようだ。
 
そんなに森林教育に憧れる部分があるのだろうか。
森を舞台に何か事業を興すと聞くと、林業はさておき一般にはキャンプとか森林浴、森林セラピーのような観光事業をすぐに思いつく。だが、それには満足しない人がいて、次の段階で森林教室・森林教育的なことを思いつく人が多いようだ。
それがなぜか夢を感じさせるのかもしれない。
 
私は、別に否定はしないけど森林教育は苦手というか……どちらかというと嫌いな方だろう。あんな面倒くさいもの。。。。
 
そう言いつつ、なぜか奈良県の森林環境教育指導員の資格を持っているという……v(^0^)。
 
 
この手の世界をかいま見る際、まず整理するべきことがある。どの系統なのか、という点だ。
 
実は、この世界は結構複雑なのだ。見かけは同じように森の中で人を集めて何かをやっているように見えても、中身はかなり幅広い。なぜならバックボーンが複数あるからだ。歴史的に、いくつもの思想や団体が交錯しながら築かれてきた。
私も若干勉強したので、その一部を披露しよう。
 
 
まず肝心なのは、「森で教育する」のか。「森を学ぶ」のか。具体的には野外教育なのか、環境教育なのか。
大きく二つに分けて紹介しよう。
 
野外教育は、人と人の関係を築く、チームビルディングを目的としている。比較的リーダー養成が多い。いわばスポーツ的で運動系。科目で言えば体育や教育学。森で教育するのは、森という自然を使って人を鍛えるのだ。自然は予想できないこともあるし、奥深い。そこで活動するノウハウを身につけることは、社会でも役立つからだ。
具体的な組織では、YMCAボーイスカウト、野外活動センター、キャンプ協会……など。今風のものなら、森のようちえん
省庁で言えば文部科学省の管轄。
 
 
環境教育は、人と自然の関係を学ぶ。そして環境のために行動する人材を育てることが目的だ。いわば理科系。科目で言えば生物とか地学、気象……大きなくくりで言えば生態学。森を学ぶというのは、森が代表する自然界を学び、その環境をよりよくするための人材を育てようとする。そこでは、生物を中心とした物質循環の仕組みを知ることが重要だ。
組織では、国際自然大学校キープ協会、野鳥の会、ビジターセンター。マザーアースエデュケーションなんてのもある。今風のは、木育
省庁で言えば環境省の管轄。
 
この違い、わかるかなあ。似て非なる世界。もちろん交錯している部分もあるが、根幹が違う。
 
 
 
ただ、どちらにしても最大のネックは、教える人材を確保することだ。
他人に教えられるだけの知識と智恵、技術を持ったうえで、その人材が他者に教えるノウハウを持っていることが必要となる。でも、そんな両方の技術を身につけた人材なんか、滅多にいないのだよ。実際の組織の中でも、教師役のレベルが問題になっている。
つまり、まず教師役を養成する場が必要なのだ。すると教師役を養成する教師が必要ということになる。これまた希少な世界なのである((;´д`)。教師役を養成する教師はどうして養成すればいいのだろうか……。
 
こういうことを考えていると、いかに面倒くさいかわかってもらえるだろうか。。。
理念だけで教育はできましぇん(~_~;)。  

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コメント

私が関わってる木育も、「木を使ったものづくり教育」とよく勘違いしている例をみかけます。教育について考えたことのない人とこれを議論すると面倒なので普段はスルーしてますけど笑 

人を育てるためにどうするか。悩みは深いですけど、苦し紛れに木育・森育楽会なんてものを開催します。答えが見つかればいいんですけど。

「人が学ぶ」ために木や森を利用するのか、あるいは「人に木や森について学んで」もらうのか。
基本的スタンスを定めないと、中途半端になります。
 
木育は、スタート時点では、「木を学ぶ」ことのはずだったけど?
森育は、新しい言葉(^o^)。

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