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2015/12/13

樽丸はトロだ!

樽丸シンポジウム、行って参りました。

 
意外や席が足りなくなるほどの参加者。こんなに人気があるとは。
    
 
さて、私の感想。
 
007 会場に陳列された再現樽丸。
 
 
樽丸になるのは、80年~100年生の吉野杉。それも通直で無節の最高級のものしかない。
話を聞いていると、樽丸にできるのは、もっとも適した原木でも3分の1くらいだそうだ。最高級の吉野杉の中の、さらにトロの部分でないとできないという。
なぜなら、建材なら表面に節がなければ「無節」となるが、樽丸は中まで節のない材でなければ成立しないからだ。
 
それを聞いて、吉野林業が樽丸林業と呼ばれることへの疑問が深まった。
 
吉野林業は1ヘクタールに1万本植えて、80年生になったときは400本くらいしか残っていない。その中で選りすぐりの木の、さらに3分の1しか樽丸にならないのでは、全体の何十分の1か。さらに樽丸にする過程で残った辺材を割り箸にも使う。
 
結局、吉野は、間伐材で稼ぎ、最後に残った大木をボーナスとして樽丸用に高く売った、と見るべきではないか。最後の収穫だけを見て「樽丸で成り立っていた」とするのは視野が狭い。長い育林期間を通して林業全体の収支を考えれば、もっとも利益を上げていたのは、おそらく銭丸太などの細い間伐材だろう。
 
林業経営を見るには、時間軸の視点が欠かせない。
 
しかし、マグロのトロばかりを追いかけていると、マグロは絶滅してしまう。赤身やアラを大切に売らないと。それにトロは、脂っこいよ。。。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

前略、きこりの古川です。
いつも貴殿のブログを、みています。
今回、何故かせつなく、メールしました。
出せない木を、斬っています。
如何して、植えとの、想います。
出口が見えません。

同感です。
樽材での利用はあくまでも一部の利用でしかないのでしょう。
木材の性質を見極め最も有利な利用を様々な用途で木材を利用しつくし、最高の付加価値を作り上げる。それが本来の林業を含めた木材産業なのでしょう。
木材を原料とする段階、半製品とする段階、製品とする段階で、様々な利害が生まれ、ばらばらになっているのが現状です。
その利害を調整し付加価値を最大にする役目が行政などの機関が当たるわけですが、現状は何か新しいと思われるものに目移りするだけの役立たずです。
バイオマスでの付加価値最低の利用を促進するなど何を考えているのか全く分かりません。

かつて大石真人と言う木材ジャーナリストが居りました。
彼の持論は
 ①木材は世界共通の相場商品である。
 ②原木・製材・木材流通・加工・乾燥・発電と単業では成り立たない。
 ③世界的には②が1帯と成った企業形態である。
パルプ・製紙を含めて、林業が在るとの事でした。

会場からの質問でも、「樽丸を復活させて林業を成り立たせられないか」旨の質問がありました。樽桶製造者が、「それはありえない」と断言したのが印象的です(笑)。

元来、山で木を育て、収穫する林業人と、それを加工・利用する人は別で、仕事として棲み分けていました。が、山で育てた木をいかに無駄なく利用するか、販売するかという機能が弱ってしまったのが現代の林業不振の要因と思っています。
トロでも赤身でも、美味しく料理するシェフが欠かせません。川下の奮起を期待したいところです。馬鹿の一つ覚えのようにバイオマスだ、CLTだと言っている料理人はいらないです。(会場のある大淀町にはバイオマス発電所ができたんですがね……。)

大石真人とは、木材ジャーナリストだったのか……。
それはともかく、その持論は的確です。40年前の異常な材価をもう一度、と願うのは下品です。樹木の時間を無視して、目先の売れ筋だけを追いかけるのは破綻の一歩です。

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