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森と林業の本

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2015/12/09

ドローンは林業に何をもたらすか

福岡の友人がドローンを購入。写真を送ってきた。

 
By_2
 
場所は熊本らしい。この高度(150mくらい)で森林を撮ると、リアルさが引き立つ。人工林と広葉樹林の違いがよくわかる。樹高の差も出ているし、樹種まで特定できそうだ。
 
 
彼は、趣味ではなく、ドローンを仕事に使えないかと考えている。もともとは地質屋だけど、今はなんでもあり(笑)。
 
ドローンの各分野の応用は、いろいろ模索されているが、林業分野ではどうだろうね。
もちろん、最初に頭に浮かぶのは森林調査用だろう。森林と樹木の種類識別とか、密度などもわかる。マツ枯れやナラ枯れ被害の調査、風水害、山崩れなどの調査にも役立つだろう。
調査以外では、架線のロープの渡しなども有効だと思う。現在でも無線ヘリでやっていることだし。しかし、もっと林業施業に結びつく別の使い方はないだろうか。
 
木材を運ぶのは無理としても、苗なら運べるかもしれない。遭難救助(位置確定)も可能だろう。作業道の路線決定にも役立つか。
 
 
だが、私が思うのは、そうした直接的な使い道だけでなく、山主が自分の山を見る、という点でも有功だと思う。文字通り森を俯瞰できるからだ。航空写真のように平面的ではなく三次元的だし、非常に近い距離で樹冠を観察できる。もしかして、枝葉に停まる鳥や虫さえも見えるのではないか。地上にシカやクマを見つけるかもしれない。
 
それが意識を変えることもあるのではないか。
 
もちろん、森の中の地表を歩いて状態を確認することも重要だが、それでは「木を見て森を見ず」になる面もある。また広範囲に見て歩けないし、そもそも山歩きは苦手な山主もいるだろう。それなりの面積があると、森の隅々まで知るのは無理になる。
だから森林所有者が、自分の森をどのように把握するかは、その後の森の扱いに影響するのではないか。
 
それこそドローンで、三次元の荒れた森を見せられたら「こりゃなんとかしなくちゃ」と思うかもしれないし、美しい森を目にして、丸裸に伐採してしまおうと思うのなら心は鬼だ(笑)。
 
何より森を自分のものとして感じることができるのではないか。これは山主だけでなく、請負の森林管理者や施業者でもそうだが、空から見る、鳥瞰するということは、森の全体像をつかむことで我が身に引き寄せる効果があるような気がする。
 
山主よ、まずはドローンで自分の森を眺めよう。
 
趣味でも娯楽半分でもよい。それが森に対する愛着を持つのにプラスとして働くなら、ドローンは積極的に導入する価値ありだ。

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宇宙LiDARが進んでるみたいですが

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