新年明けましておめでとうございます。
さて、昨年のYahoo!ニュース『新国立競技場の知られざる不安』に付いたコメント(ツイッター等も含む)の中には、森林ジャーナリストってなんだ?とか、日本唯一って林業界の記者がいるじゃないか……などの声が複数あった。せっかくだから、新年に向けて、私の肩書について語っておこう。
まず私の肩書は、ときとして林業ジャーナリスト、林業ライターなどと言われることもあるのだが、これは間違い。私は、あくまで「森林」ジャーナリストだ。そもそも、私自身がつけたのではなく、書評子が名付けたのである。
もっとも、この点に関しては拙著『日本人が知っておきたい森林の新常識』のあとがきでも触れている。ちょっと抜き出す。
(森林ジャーナリストという肩書は)誰が最初に付けたのか記憶にないのだが、これまでにない言葉だったから、私は新鮮に感じて、そのまま使わせていただくことにした。そこには「日本唯一」の森林ジャーナリストという位置づけを面白がった面もあった。
その後の私の興味は、日本の林業事情に深く踏み込んだり、里山地域のシステムを考察したり、日本人と木の文化にも向けられた。さらに割り箸やゴルフ場などピンポイントのテーマに絞って取り組んだこともある。
(中略)
ただし森林ジャーナリストを名乗るためには、森林ジャーナリズムがなくてはならない。
あとづけになるが、森林ジャーナリズムとは、単に自然科学的な目で森林を見るだけではなく、かといって産業としての林業界の情報を追いかけるだけでもないはずだ。森林と、森林にかかわる人々の両方を見つめる視点を持つこと……と私なりに定義づけている。
思えば森林と林業は、切り離して別々に論じられることが多かった。学問としても、市民の意識としても、それぞれ別の領域になりがちだ。しかし、日本の森林のほとんどは人の手が入って成立していることや、持続的でなければ林業は成り立たないことを考えれば、両者は一体化して見るべきである。さらに近年は、新しい森林との関わり方を模索する人々も増えてきた。おそらく、森林ジャーナリズムの役割は、途切れがちなそれらを再びつなぐことだろう。
もともと私は、熱帯雨林に憧れたことをきっかけに、日本の森林にも眼を向け始めた。やがて林業抜きには日本の森林を語れないと知ったから、人が手を加えた森林にも足を踏み入れた。都市のような人工的な環境も加えると、建築にも目が向く。
今では森林に限定せず、草原や砂漠、海洋や湖沼のような環境も扱いたい。どんどん欲張りになっていく(~_~;)。
このように自己分析してみると、私が求めるのは未知の世界と多様性なのだと気づく。その象徴が森林だった。その点からすると、人工の一斉林は未知の部分や多様性に劣る。やはり複雑な構成の天然林~針広混交林が好きだ。
改めて、自らの仕事を振り返ると、どのような割合で行っているだろうか。(実際の仕事量というより、意識の上の配分である。)
まず直接森林に関係ない分野も手がけている。山村社会・文化、田舎暮らし、地域づくり、伝統工芸、歴史……。これらは20%。
森林(自然科学系)は、残り80%の半分くらい……40%になる。動植物・微生物の生態系や生理、地質・地形、水文……加えて森林を巡る歴史や文化、哲学も入るかもしれない。政治・政策も入れるべきかな。
残った40%は森林産業(ビジネス)系だ。当然ながら木材生産を行う林業が大きいが、そうではない産業もある。樹皮、樹液、草本系資源。空間資源としては森林療法なども入る。そんな非木材系が10%。
林業は30%。このうち森づくり(植林・造林)が半分の15%。
伐採搬出・木材産業系も15%。この中に木工や木造建築も含む。
……こんなところかな。
今後を考えると、もっと分散させるべきと思う。仕事にも多様性を持たせるべきだ(^o^)。それに同じ分野ばかりでは未知の部分が減ってしまう。
まず林業以外の森林産業系を広げたい。樹液産業とか、樹皮・香り(アロマ)もある。樹木葬も森林空間ビジネスと言えるのではないか。
また木材系ではあるが、抜け落ちがちだった製紙業にもっと注目したい。
これで一年の計ができたな。。。。(⌒ー⌒)。
ちなみに今年の御神籤は、行く先々の神社で引いた。
最初が吉。次が大凶。次の次が大凶(°o °;)。。。さらに引くと小吉。さらにさらに引くと中吉であった。徐々に回復している(^o^)。ただ「願望」欄は、いずれも「遅い」「時機を待つべし」「後に叶う」「ゆるゆると進めるべし」なんだよね……。
明けましておめでとうございます。
大凶ってホントにあるんですね。
めったにあるものではない物を2回もひかれるとはよほどの強運の持ち主とお見受けいたします。
今年もブログ楽しみに読ませていただきます。
ことしもいい年でありますように!
投稿: | 2016/01/06 11:40
ありがとうございます。
どうせなら、大吉を連続して引いて強運であることを示したかったと思う今日この頃です(~_~;)。
実は御神籤で大凶を引くのは、私にとって決して珍しくないのです。拙ブログの年初の書き込みを見たら、昨年も一昨年も何かヤバイ……もの引いています(;´д`)。
投稿: 田中淳夫 | 2016/01/06 20:50