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2016/02/28

秩父のカエデ商品群

秩父を訪れて、もっとも楽しみにしていたのは、聖地巡礼ではない。ほかにもオタクネタはたくさんある。

たとえばパワースポット・三峰神社にニホンオオカミと役行者伝説。石灰岩採掘で削られた武甲山、秩父鉄道も鉄ちゃんには欠かせないだろう。もちろん本多静六も……。
が、忘れてはならないのがカエデの樹液だった。
 
そう、秩父ではカエデの樹液を採取して「樹液林業」「広葉樹林業」をめざしている。……まあ、この話は、最近はテレビのワイドショーでも取り上げられているほどだから、知る人は多い。
 
いやいや、樹液を絞るのはカエデだけではなくて、キハダも絞っているよ、と詳しい人は応えるかもしれない。またカエデと言ってもいろいろ種類があって、メグスリノキの樹液は、漢方にもなるかもしれない。
 
 
だが、肝心のカエデの森では「将来木施業」をやっていることはご存じか? しかも、残した将来木の周りにカエデを植林して、将来は複層林・混交林にする計画だ。
 
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将来木施業(優性木残存間伐)の現場。
 
 
043  雪の中の樹液採取。
 
この点も興味深かったのだが、私が本当に驚いたのは、その後帰る前であった。
 
秩父を去る前に、やらねばならないのは、何か。やはりお土産購入だろう( ̄^ ̄)エヘン。
というわけで、秩父のヤオ百貨店を訪れ、さらに駅前の仲見世通りの店を覗いたのだが……。
 
そこで見てしまったのは……。
 
1
 
2  
 
2_2
 
Photo
 
おおお、カエデの樹液関連商品がいくつもあるではないか。
写真が撮れなかったものもたくさんある。もはや、秩父と言えばカエデがトレードマークになる勢いなのだ。そのうち秩父市の旗は、カナダのようにカエデの紋章が入るのではないか……とさえ思う(^o^)。
 
実は、この点がもっとも優れた点だと感じ入った。日本全国、地方振興だか地方創生の旗を振り回して、特産品づくりに取り組んでいる地域は数多い。だが、ほぼ99%が破綻している。なぜなら、特産品が売れないから。いや、売れないようなものを特産品と言わないのである。補助金食いつぶし商品だろう。
 
特産品をつくるのが地域づくりなのではなく、特産品を売って地域に金を落とさせることが地域づくりなのだ。
 
そのことは、聖地巡礼でも同じこと。アニメの舞台、映画の舞台になって人が来るのはよい。しかし、訪れた人が金を落とさないと無意味なのだ。落とすのはゴミだけ、というのは自虐ギャグでしかない。
 
まあ、聖地巡礼をするのは高校生とか大学生が多くて、あまりお金を落としてくれないそうだが……それでもさまざまなお土産品を用意している。
 
加えて樹液を絞ってシロップや飲料にするだけではダメで、いかに多くの土産物をつくるかがポイントだろう。
 
秩父は、その壁を乗り越えたようだ。もちろん、まだまだ地域全体が利益を享受できるほどの規模にはなっていないが。
 
※あえて文句つければ、もう少しパッケージデザインにこだわった方がよいよ。今の商品群のデザインは、ちょっと素人ぽい。高知県の「ごっくん馬路村」のようなデザインを備えたら、次の段階に進めるだろう。
 
 
ちなみに私の購入したお土産の一つに、これがある。
 
3  イチローズモルト!
 
世界最高に選ばれたこともある国産シングルモルトなのである。(このパッケージのデザイン力を見よ。) 
 
他にもワインづくりもすすめているそうで、秩父は日本酒、ワイン、ウイスキーと、酒のメッカになるかもしれない。商品あっての地域づくりだよ。
 
 

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地域・田舎暮らし」カテゴリの記事

コメント

 秩父と言えばイチローズモルトですね。ミズナラ製の発酵槽(製造日本木槽木管株式会社)を見学したいです。社長自ら北海道の市場にミズナラの原木を買い付けに行くらしいので、木材の活用事例(樽を自社で製造)として取り上げたいです。 
 私が好きなのはミズナラウッドリザーブですが、小売価格6500円程なのに最近は投資の対象になっているのか、1万円超の価格でネット販売されています。
 

私は、「自分へのご褒美」として、ちびちび味わっていますよ。しかし高価格なうえに、なかなか手に入らないみたい。

北海道のミズナラ製でなく、秩父のミズナラで樽をつくれないかと思うのですが。ただミズナラの巨木となると、保護対象になるみたいです。ほっておくとナラ枯れで枯れてしまうかもしれないから、さっさと切ったら?と言っているのですが(笑)。

余談で恐縮です。メープルシロップで思いました。
壁を乗り越えていない例を一つ(軽井沢)。
www.freebird.karuizawa.com/maple/index.html
大分前からやっていますが、パッとしません。
軽井沢産のものが 1%程度で(殆どがカナダ産)「軽井沢メープルシロップ」を謳ってます。不当表示にならないのかなぁ。以前は町から委嘱されたボランティア グループとその発展型のNPO法人が個々の別荘を回って、各庭でのサトウカエデの植樹と樹液の採取を依頼していたようです(承諾すると一年に小さな製品1本を供与、ややせこい)。別荘なんて非効率な土地の利用方法だから着眼は悪くない。でも、こんなちまちましたことでは道は遠いと思います。ありそうでない本当の軽井沢名物、有名にしたいなら発想を発展させる工夫が必要。国からの普通交付税の不交付団体たる稀有な町財政にしては全てがのんびりしているような。地方の現状、箱根町ですら噴火騒動の前から赤字財政。安閑としてはいられない筈。秩父を見習ったら。ちょっと脱線しました。

メープルシロップをつくるには、カエデの樹液を数十分の1に濃縮しないといけません。とても日本の産地でそれほど濃縮しても売る量を確保できる産地はないでしょう。
だから秩父はサイダーなどに加工している。そうした商品開発力も必要ですね。実は、秩父でカエデ樹液を商品化するに際しての、ここに書いていない努力もいっぱいあるのです。

「軽井沢メープルシロップ」とは名称で、含量は関係ないのかもしれませんね(笑)。それに今からカエデを植樹しても、樹液採取できるのは何年も先だからなあ。まずは山にどれほどカエデがあるか資源量の把握をしないと。

流行りの広葉樹林業にカエデはどうでしょう?

http://www.treeplantation.com/sugar-maple.html
成長が早く、ハードウッドなので用途が色々、とか書いてあります、もちろんシロップの項目もありますね

病気や虫害が心配なので一斉林とは言いませんが、密度を高くしないと人工あたりの生産額が採算ラインに乗らないでしょうねえ
1本あたりのハンドリング時間と樹液採取量などなどから、必要量を計算は出来そうですけど
カナダは日本とほぼ同じ条件(一人当たりGDPは同じか高いぐらい、気候もそれほど変わらない、石油がとれる訳でもない)ので、経営が成り立つ(もしくは製造コストを抑える)経営や生産の方法があるのでは?

あとは、畑におけるコンパニオンプランツみたいに、カエデと組み合わせると病虫害を防除してくれる樹種の組み合わせを見つける、とか?

秩父も、樹液採取だけでなく、将来的にはカエデの材も収穫することを考えているみたいですよ。メープル材って、高級材扱いですからね。
 
現在は、樹液組合で一人、地域おこし協力隊あがりの若者を雇用していました。かろうじて一人分の収益ですが、まずは雇用を生み出すことができたわけです。

和メープルエコツアーに参加されたのですか?シュガーハウスに興味があります。http://xn--7cka7d.com/?page_id=13

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