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2016年3月

2016/03/31

ロングテール本の憂鬱

ロングテール 」と呼ばれるビジネスモデルを知っているだろうか。

ものすごく乱暴に説明すれば、多種多様な商品を備えて長く売り続けることによって、一つ一つの販売量は小さくても全体として大きな売上につながる。時間軸を横にしたグラフにすると、長い尾に見える。……理論だ。
主にインターネット世界のビジネスモデルになっている。なぜならネット空間は、事実上無限に商品数を増やしても陳列できるからだ。(ウィキペディアにリンクしました)
 

ちなみに反対は、発売後直後は大量に売れて、すぐに尻すぼみになる一過性商品だろう。こちらのビジネスモデルとしては、発売初期に話題に乗って大量に売った後に、在庫は持たずに(売れ残った分は処分する)次の新商品に移る戦略となる。

私の執筆する書籍などは、ネットとは関係なくロングテールだと思っている。あまり流行に左右されないテーマを執筆しているからだ。また売れるのは、ロングテールの見本であるAmazonなどネット書店が多い。

その傾向がわかりやすいのは、私の書いたYahoo!ニュースの記事だろう。アクセス数は、アップ直後だけでなく意外と昔のものが上位に来ている。今でも1年前2年前に執筆した「吉野杉のおすぎを買った女」とか、「ゴルフ場の2015年問題」「カツオ節」などがランキングに登場するのだ。

その代わりと言ってはナンだが、いきなり爆発的に売れることは少ない。

だが、実際の出版業界は、インターネットの普及に反してロングテールを切り捨てる方向に動いているのではないか。版元は、出版した本を長く売ろうとしなくなってきた。多種類の本を出版して、1年2年で販売を中止する。本が残っていても絶版にしてしまう。在庫費用を惜しむのだ。いわばベストセラー狙い。手間隙かけたロングセラー、ロングテール狙いをしなくなったと感じる。

……そうした風潮の中では、私の本は極めて不利だ(;_;)。
もともと森林をテーマにした一般ノンフィクションの分野でベストセラーになることは厳しく、狙いはロングセラーであるが、販売期間がロングになる本ほど嫌がられる。しかも発行部数が削られると、中小の書店に配本されなくなる。時間が経つと、棚に並ばないどころか版元の倉庫からも消されるから、注文があっても出荷されない。
 
 
書店や取次会社の廃業ニュースが続いている。2015年の売上は、対前年比で5%減。10年余で、雑誌の市場は半減している。書籍も1点当たりの部数は落ちるばかり。時折少数のベストセラー本が底上げしている程度だ。書店数も、全国で4000店を割ったそうだ。2000年頃は1万3000店以上あったというから3分の1に……。
どうやら棚の少ない中小の書店が淘汰されているようだ。出版はロングテール商品であるのに、現場が対応できていないのではないか……。
 

この状況は、林業界とよく似ていることに気づいた。
 
木材需要は、総体として縮んでいるが、売れ筋は多様な商品アイテムが求められている。ところが日本の木材加工生産現場は、画一化が進む。より売れなくしているかのようだ。
 
一方で多様な商品に対応しているのが外材。構造材に内装、外装、家具、グッズ類までなんでもあります、というわけだ。しかも電話一本で受注して期日までに届けます。国産材みたいに柱しかありません、特注したら何か月もかかるよ、価格もいくらになるかわかりません……などとグダグダ言わない。手形も切れる。
 
……なんだかクリックするだけで、10年前に出版された本も翌日には送料無料で宅配します、支払いはクレジットの自動引き落としね、というAmazonと似ているではないか。黙っていても画面でうるさいほど営業かけてくるし(^^;)。
 
外材=Amazon論、国産材と日本の出版界が衰退する理由。どうかな。
 
 
問題は、外材の産地は海外であり、世界中から望む質の木材を集めることができるのに対して、私の本はやっぱり国産なのである……。
生産元がロングセラー狙いの生産(出版)をしてくれず、また在庫をなくしてしまったら、せっかくのロングテールを実現しているネット書店も機能しないのだ。
 
 
さて、明日から2016年度。いかなる戦略を持って生きていくかなあ。

2016/03/30

ツバキ林業と化粧品

先に長崎を訪れた際に、大学時代の同級生に案内してもらった。

 
彼は研究所に勤務しているのだが、現在のテーマは「ツバキ林業」だという。
 
長崎はツバキが多いのだ。正確に言えば、五島列島がツバキの産地なのである。ほかにもサザンカも多く繁る地域がある。そこでスギやヒノキとは違うツバキを利用した林業を模索しているのだ。
 
ツバキから何を収穫するかと考えれば、誰もが思い浮かぶのは材よりも実、そこから絞るツバキオイルだろう。
 
2
 
ツバキオイルといえば、非常に質の高い油が取れる。オレイン酸が多くて酸化しにくく、食用油としても高級品。……そういや、以前、水俣市の愛林館を訪れた際に、館長から椿油の天ぷらを御馳走になったな……。
 
ほかにも用途はいっぱいあって、相撲取りや時代劇など髷付け油は知られているし、固まりにくいから塗装にも使えるし、燃料にもなる。薬効もあるそうだ。
が、もっとも有望なのは、化粧品だろう。すでにツバキという名の化粧品がいろいろ出ているが、高級イメージもあって価格が高く見込める。
 
002
カメリア510という名のスキンオイル。カメリアって、ツバキのことだろう。
 
 
実は、このことを思い出したのは、先日のスウェーデン大使館の森林シンポジウムのときだ。
誰の発言かはっきり覚えていないのだが、おそらく小松製作所の野路会長だったと思う。
コマツは、いろいろな点で林業の支援を行っているのだが、木質マテリアルからのエタノール開発もしているという話が出たのだ。
 
木材を改質してつくるエチルアルコールは、一時期、バイオ燃料として注目を集めたものの、技術的には可能なのだが、全然採算が合わないことが証明されている。そもそも投入エネルギーと発生エネルギーのバランスが悪すぎる。
 
そんな疑問が湧いたところ、「もちろん、このエタノールは燃料として燃やしたりしません。化粧品のベースにできないかと研究しています」と話したのだ。
 
そうか、化粧品の香料にしろ薬効成分にしろ、アルコールに溶かして抽出するが、そこにバイオエタノールを使うという発想か。イメージが大切な化粧品なら、あえて高い植物性アルコールを使うという選択もアリかもしれない……そう思って、ツバキオイルを思い出したのだ。
 
もっとも、ツバキ栽培はいわゆる木材生産よりずっと世話が大変で、林業というより果樹栽培に近いから農業かもしれない。しかし花は美しいのだから、ツバキ林を花の季節は有料花園として経営しつつツバキの実を採取してオイル抽出という多角経営も考えられる。
 
そういやサザンカは山の中に咲いている。実は今日も生駒山を道を使わず登ってきたが、森の中をかき分けていると、わりとサザンカに出会うのである。今は赤い花が美しい。もしかして、スギ林などと共存できないだろうか。光量が減るとサザンカ(ツバキ)は実を付けなくなるというが、間伐率を上げて調整できるのではないか……。
 
 
そもそも、高付加価値な木材生産を、とよく言われる(私も言っている)が、そのためにすべきなのは、枝打ちをせっせとして無節で通直で木目の細かい材を育てることではない。そんなことをしても、何十年も先の収穫時期のマーケットに材価は左右されるだけだ。
必要なのは、今ある材を高価格で引き取ってくれるエンドユーザーを見つけることだ。木材を単なる丸太として売るかぎりは、高付加価値にならないのである。
化粧品などは有望だろう。木材でも、家具材なのかツキ板なのか彫刻用素材なのか……建築材でも、現しにこだわった販売先を考える。もちろん、それに合わせた加工もする。
 
8  わざと根張り部分を残した柱材
 
 
ま、そんなことをカサカサのお手々にツバキオイルをすり込みながら、考えたのであった。

2016/03/29

『樹木葬という選択』発見

なかなか書店で見つからないと嘆いている拙著・『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』。新展開(^o^)。
 
 
ふらりと訪れた地元の某ショッピングモール。
 
そこにある書店を覗いてみた。この書店は、さほど広くはないが、意外や理系の専門書の棚がそこそこ充実している。おそらく近くに京阪奈学研都市があり、研究者も多いからではないかと思うのだが……。そういや書店名は「アカメディア」だった。
 
とりあえず、冠婚葬祭の棚を見る。
 
ない。
 
次に宗教の棚
 
……ないなあ。
 
そうだ、植物や森林の棚を……。
 
驚いたことに林業系の本もある。作業道の作り方なんて、マニアック?専門的な本まで見つけた。
さらに『樹木葬和尚の自然再生』まで置いてあった。これは、拙著でも詳しく紹介した日本で初めての樹木葬を行った岩手県知勝院の千坂氏が書いた本だ。もう10年以上前の本だから、書棚には滅多に並ばないと聞いているのだが……。
 
しかし、ない(-_-)。。。
 
よし、同じ専門書の中でも民俗系の棚だ。
 
……ない(泣)。わりと死に関する本はあるのに。
 
 
ほぼ諦めかけたが、レジ近くに検索ボックスがあった。本がどこにあるか調べることのできる機器だ。
 
そこで検索すると……おお、ヒットしたではないか。
 
なんと「文芸」の棚
 
急ぐ。ええと……ノンフィクションのコーナーだ。
 
2
 
あっ!
 
1
 
ありましたv(^0^)。どこかわかる? たった1冊だけどありました。ノンフィクションですよ。ルポルタージュとして扱われたんだ。ちゃんと内容を確認してくれて配置してくれたんだなあ。
 
せっかくだからお約束の……。
 
3
 
やっぱり平積みでしょ!!!
 
ぜひ、売れたら追加発注してね。

2016/03/28

林業スクール、続々

ハフィンポストに「林業スクール、深刻な人手不足を背景に相次ぐ開校 」が転載された。元記事は、グリーンパワー3月号である。

 
ところが、この記事を書いた後からも、次々と新たな林業スクール(大学校ほか)の開校計画が明らかになっていく。
 
記事で触れたのは、京都に秋田、高知、山形、大分、徳島、それに岩手の釜石・大槌バークレイズ林業スクールだが、新たな計画を発表したのは、
 
兵庫県が「ひょうご林業大学校」を設立を決定。
 
和歌山が農業学校に林科を追加して農林学校に。
 
福井県が、「ふくい林業カレッジ」の設立を決定。
 
岐阜県高山市は、来年度(平成28年度)から「飛騨高山森の仕事人養成塾」をスタート。
 
北海道芦別市に道立林業学校を開校しようという「市林業学校誘致期成会」が結成されて、今後運動を始める予定。
 
多分、ほかにもいろいろあるだろう。
条件も破格なところがある。高山市などは、塾生に月20万円を支給し、住居や車まで提供するというのだ。こうなると、林業で働いて稼ぐより、ずっと塾生でいている方がよい。
 
 
しかし、バブルかもなあ。たとえば近畿圏には、すでにある京都のほか、兵庫に和歌山とは。。。近畿周辺とも言える福井に徳島にもできるわけだ。また奈良県にも、構想はあるようなんだが……。
まあ、それぞれ特徴を出して切磋琢磨するのならよいが、果たして生徒が集まるのかという心配と、教授陣も含めた質が問われることになりそうだ。
 
本当に「新しい林業」を教える講師とカリキュラムを設けられるかも課題だが、実は生徒の層も吟味しなくては危険だと感じる。
林業には何の興味もないが、高校卒業後すぐに働くよりマシとモラトリアム気分の生徒だっているだろうし、本人のやる気以前の適性だってある。なにしろ危険な現場だから「習うより慣れろ」と言っている間に死にかねない(-_-)。
 
加えて卒業生を有意義に働かせる職場の確保も大問題。給与・待遇に加えて、せっかく学んだ知識や技術をないがしろにする職場ではかわいそうだ。
 
 
とはいえ、質より量かも(⌒ー⌒)。数あることで、その中から優秀な学校が生まれ、優秀な卒業生が社会に出て行く可能性も高まるからね。

2016/03/27

Yahoo!ニュース「林業改革はジェンダーから」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「林業改革はジェンダーから……スウェーデンは語る 」を書きました。

 
先日のスウェーデン大使館のイベントの中で、もっとも印象に残った内容を記したもの。前回も印象に残った事象ではあるが、イベントと関係ない方向に行ってしまったからね(^^;)。
 
せっかく招待されて参加したのに、記者会見からレセプションまで含むと約8時間もの長上場だったのに、それでは申し訳ないだろう、というわけで、改めて記したのである。v(^0^)
 
 
とはいえ、日本の林業でほとんど取り上げられることのないジェンダーについては、改めて考えてみてもよいかもなあ。とくに林業女子がこんなに取り上げられている今なら。
 
 
7  
 
ブリーフィング風景。ここでもスウェーデン側は女性が目立ったのだった。
デスクの植えにあるのは、サンドウィッチ。質問していたら十分に食べられなかったのが残念であった。

2016/03/26

林業用?パワーローダーの研究拠点

今日散歩してきたのは、奈良と京都にまたがる京阪奈学研都市。

 
京阪奈丘陵(ならやま丘陵)は、筑波に続く学術研究都市として40年ほど前から開発が進む。ここでは主に民間の研究所が多いのだが、何を研究しているのか、意外と知られていない。主に通信とバイオが多いとは聞くが……。
日本最高峰のお墨付きもとっている奈良先端科学技術大学大学院もあるのだが……。
 
まさか、ここで林業に通じる研究がされているとは思わなかった。
 
そう、アクティブリンクという会社では、パワーローダーの開発が行われていたのだ。
 
パワーローダーとは、装着型ロボット。ガンダムのように乗り組むのではないが、人体に装着して手足の筋力アップにつなげる。パワードスーツとか、パワーアシストスーツと呼ばれる人力の能力を飛躍的に高める機械だ。映画では「エイリアン2」のほか、「アバター」にも登場したと記憶する。後者は、乗り込み操縦形だったが……。
 
 
 
その使い道は、重い荷物を持ったり長距離歩行に耐えたり、エイリアンと戦うことまで想定されている(ホントか?)そうだが、具体的な用途の一つに、林業もあるというのだ。
 
つまり、チェンソーなど重い荷物を持って、急な斜面を長時間登っても疲れない、いやスピードアップも可能なロボットなのだ。いや、丸太を一人で担いでトラックに積み込んだり、山をおりることもできるようになるかもしれない。グラップルもハーベスタもいらない(^o^)。
 
 
夢物語のように感じるが、意外や実現は数年後らしい。(2020年代前半)
これが完成して、本当に林業現場で使われるようになったら、日本の前近代的な林業を一気に変えるかもしれない。生産効率を飛躍的に上げて、最先端になる可能性だってあるのだよ。
 

2016/03/25

理研グリーンの紙(神)対応

「グリーンニュース」という機関誌に寄稿した記事の掲載誌が届いた。

 
1
 
ま、雑誌というよりニュースレター的で、内容も結構論文のような記事も載っているのだが……。
発行元は、「理研グリーン」。植物に関する資材を扱っている会社だ。
 
ここに今回私が書いたのは、こんな記事。
 
3
 
ようするに森林認証制度を紹介したのである。執筆したのは、年末だったか。Yahoo!ニュースにも書いた新国立競技場のことを枕にしている。
 
ここで自分の記事を紹介したいわけではない。驚いたのは、編集部の反応だ。
 
森林認証制度について初耳だったらしく、すぐ調べて、各所と打ち合わせたらしい。
そして……。
 
2  
 
この編集後記を見よ。
すぐに「グリーンニュース」誌の紙をFSC紙に切り替えただけでなく、インキも植物性の認証インキに替え、さらに認定印刷工場による製造に切り替えたのだ。
 
すごいね。この素早い対応。世の企業がみんなこんなフットワークを持っていたらよいのだが。
 
本家?の理研(理化学研究所)は、某小保方女子@偽リケジョでボロボロになっているが、世間はこうあってほしい。
 
 
※同じ「理研」を冠していても、両者には何の関係もないので念のため。
 

2016/03/24

エゴノキの割り箸

百均ショップの割り箸の棚を見た。

相変わらず中国製の安い割り箸が並ぶが、ふと目に止まったのが、これ。
どこが違うかわかるかな?
 
Photo_2
 
エゴノキの元禄箸。。。材料にエゴノキかあ。知らなかった。エゴノキでも割り箸をつくるようになっているのだ。シラカバやアスペンからの乗り換えだろうか。
エゴノキそのものは日本にも雑木林にあるが、材を取るイメージはなかった。調べてみると、高さ10メートルくらいになる高木なのね。
 
どんな木でも割り箸に利用できる……と見るか、中国でもシラカバやアスペン資源が尽きてきた?と見るか。

2016/03/23

『樹木葬という選択』はどこに(泣)。

スウェーデンのイベントで東京に行って、いくつか書店を回った。

 
お目当ては、当然ながら『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』……。
 
が、ないのである。
ショックだったのは、神保町の三省堂書店。この巨大書店になかった!
 
2
 
検索結果は、「スピード取り寄せ」である(泣)。
 
さらに農業書センターでは、
 
Photo
 
あった。たった1冊だが……。(先月は、複数冊あったそう。)
 
これは、売り切れなのか(希望的観測)。
 
問題は、分類なのだ。どうしても樹木「葬」となると、冠婚葬祭の棚になる。だが、ここは実用書の棚で、平積みされることは少ない。そのため1冊だけしか置かれないのだ。
同じことは、宗教の棚でも言える。
 
できればノンフィクションとか森林の棚にも置いてほしいなあ。
 
 
そんなわけで22日の朝日新聞と23日の日経新聞には、また広告が載った。
 
        16320  
 
版元によると、意外や地方の中小書店からの注文が多く、なんと版元まで訪ねてきて複数冊購入していただけた人もいたそうである。
、 ちなみに上記の三省堂書店と農業書センターの状況は、早速版元に伝えて営業をかけてもらう。なんでも入荷した5冊は全部売れたそう。追加注文を勝ち取る。
 

2016/03/22

Yahoo!ニュース「スウェーデンもびっくり?……」記事を書いた理由

Yahoo!ニュースに『スウェーデンもびっくり?「持続可能な森林」に逆行する違法伐採対策法案 』を書きました。

 
先日は、東京でスウェーデン大使館主催のイベントに参加していた。なかなか考えるところ大で、たしかにハイレベルなセミナーであった。
 
それについてYahoo!に書こうと思った際、何が一番印象に残ったか……と考えてみると、もっともショックだったのが、これ、違法伐採対策法案なのである。スウェーデンに関係ないじゃん、と思ったが、やはり印象深い順に書くべきかと思ったので記しました(~_~;)。
 
 
ほかにも記憶に残ったテーマはいくつかあるので、改めて書けたらよいかと思っている。次こそは、スウェーデン林業を!
 
Dsc_0139
 
パネルディスカッション。12人のスピーカーがいたのだけど、登壇したのは半分の6人。それでも多い(^o^)。司会が和装というのも味なもの。
(ちなみに彼女は、森林総研の所員である。スイス林業の研究が中心で、スウェーデン林業はあんまり知らないとのことだった。。)
 

2016/03/21

染井吉野発祥の地

日本列島は、各地で桜の開花宣言も始まったようだが、夕方のニュースを見ていると、東京で何やら覚えのある街の風景が……。

 
東京に行った際、巣鴨駅におりる機会があった。単なる乗り換えなのだが、実は次に向かう予定の時間には少し余裕があった。
 
駅前をぶらりと歩いてみることにした。そこで駅にある地図を見る。
 
巣鴨と言えばとげぬき地蔵だな。それをお参りするか……。
 
が゛同時に「染井」という地名が目に入った。そうか、巣鴨と染井は隣接しているのか。
染井と言えば、ソメイヨシノ。そう、今の日本を覆わんばかりに広がっているサクラの品種ソメイヨシノは、江戸後期に染井村で誕生したのである。吉野とは奈良の吉野山から転じてサクラを指す。つまり染井村のサクラという意味だ。
 
ならば、染井のサクラを見てみるか。
 
ソメイヨシノの誕生 に関しては、私も以前記している。
 
そう思って歩きだす。地図によると染井墓地がある。
 
墓地。これも私の好物だ(笑)。
樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』を執筆する前から、墓地見学を趣味のようにしている。
 
そこで墓地を歩いてみた。染井の墓地はいくつかあるが、結構有名人が眠っているようだ。標識によると、遠山の金さんもいる(^o^)。歴代本因坊の墓もあれば,芥川龍之介も……。
 
7
 
染井墓地は都立墓地で、結構古いらしい。しかし、そこにはサクラの大木があるではないか。おそらくソメイヨシノだろう。蕾がかすかに膨らんでピンク色が見えた。
 
 
しかし、どこかにソメイヨシノを紹介した碑でもあるのではないか。墓地には見つからない。
 
が、駅前にもどると、発見した。
 
4
 
JR線路沿いに、こんなサクラ並木。そこに碑があった。
 
1
 
やたら立派で「染井吉野」と刻まれている。しかしサクラのソメイヨシノ発祥の地といった説明文は、どこにも書かれていない。これでは、知らない人は何を意味するのかわからないだろう。
 
ちょっと残念。ただ調べてみると、巣鴨ではなく隣の駒込の駅前にソメイヨシノ発祥の地の碑があるそうだ。少し外したか。
 
こうしてよい時間つぶしをしたのである(⌒ー⌒)。

2016/03/20

驚レア! ヤリガンナづくりの格子

奈良の町を歩いていると、ときにトンデモナイものに眼が止まる。

 
これ、近鉄奈良駅からさして離れていない通りで発見。
 
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古い家の格子である。なんか傷んでうらぶれた感じさえする。が。
 
よく見てほしい。この格子になっている木材は、いわゆる通常の製材ではない。曲がったものは曲がったまま細く加工している。これは、おそらくヤで割ったのだろう。
 
ノコギリ等で切るのではなく、クサビのようなもの(ヤ)を打ち込んでスギやヒノキなどを割る方法だ。縦引き鋸が登場しない室町以前は、ほとんどの木材がこの方法で板や角材にされていた。これなら曲がった材も、曲がったまま割って細くできる。
 
しかし、格子の交差するところなどの加工は細いだけに腕がなければできまい。しかも表面の加工状態を見ると、どうやらヤリガンナで削ったように見える。何角形かわからないが、丁寧な造りだ。
 
もちろん、この格子が室町以前につくられたとは言わないが、こんな古法でつくるのは、せいぜい明治とか戦前までではないか。この格子がつくられてから、100~200年経つのでは? と推測する。もう新造や修理できる人もいないだろう。
 
こんな格子が、街角の民家に残されていることに驚く。
 
この家の周辺にも格子は使われていたが、いずれも加工法が違う。古いものも新しいものもあった。奈良の奥深さを知れ。
 
2_2 拡大

2016/03/19

劇レア! これが土倉平三郎だ

仰天の新発見は、まだ続く。 

 
土倉平三郎をご存じだろうか。庄三郎は3人兄弟で、庄三郎の下に平三郎、喜三郎と弟が二人いた。平三郎は次弟。三男喜太郎は養子に出されたが、平三郎は長く本家土倉屋敷の近くに住んでいたらしい。当然家族もいた。父・庄右衛門は晩年平三郎の家で暮らしたという。庄三郎と仲が上手く行かなかったのかもしれない。
 
が、いつしか姿を消す。おそらく土倉本家が財産を失い逼塞する時期に、平三郎家も財産を差し出して村を出たのだろう。
 
その後ははっきりしないのだが、子孫が今の兵庫県朝来市に住んでいた時期があるので、おそらく原六郎の但馬の(庄三郎が植林した)持ち山を管理する仕事に就いたのではないか、と想像している。こちらは今後の研究課題だ。
 
その平三郎の実像は、私は見たことがなかった。
 
それが見つかった。昨日の資料提供をしてくださった方の家から写真が出てきたのだ。
 
003
 
裏書きは、
 
土倉平三郎翁(土には点が付いている)
    大正十三年五月一日往生 享年八十一歳
と書かれていた。
 
撮影日はわからないが、大阪の写真館で撮影したようで、晩年であるのは間違いない。
老いているとはいえ、平三郎の顔が初めてわかったわけだ。骨格は、やはり庄三郎に似ているように思うが……。

2016/03/18

超レア! 新たな土倉文書発見

これまで存在が知られていなかった土倉庄三郎が関わる文書が発見された。

 
連絡いただいたのは、奈良県在住の某医師。
古書目録で発見したそうである。すぐに購入したそうだが、整理して某大学に寄贈しようかと思っていたところで私を思い出してくださった。そして連絡が入った私は、飛んで行ったのである。こ、これは今まで存在さえ知られていなかった文書ではないか!
 
 
ところでこの医師の家柄を聞くと、なんと土倉家との縁戚関係にあることがわかった。
彼の一族の娘が、庄三郎の弟平三郎に嫁いでいるのだ。詳しいことは、彼の許可をいただいて改めて紹介することもあるだろうが、まずこの文書を。
 
 
1    2
 
表紙と、最終ページを示す。
 
廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた明治中頃に、荒廃する寺社仏閣の保存を訴えた請願書である。
じっくり読みこまないと詳しい内容は捉えられないが、なかなかの名文。海外の例も引いて、文化財の保存がいかに大切かを訴えている。これって、今にも通じない?
 
請願先は、貴族院議長と衆議院議長。土倉翁以外に63人(表紙は57人)の連名だが、名を出す寺社は、東大寺や興福寺に始まり、私の地元にある宝山寺や長福寺、そして吉野山の如意輪寺、吉水神社……とそうそうたるもの。
 
ちなみに筆頭で名を出す土倉庄三郎の住所の下に「平民」とあるのが、ゆかしい(~_~;)。
 
 
これ、今年6月に川上村で行われる土倉翁百回忌と記念シンポジウムの会場にぜひ展示したい。

2016/03/16

『樹木葬という選択』の書評第1弾!

先日、『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』の増刷をお知らせしたところだが、書評第1弾が掲載された。

 
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掲載されたのは、中外日報という、宗教界の専門新聞。宗派どころか何の宗教かに限らず扱う新聞だそうである。掲載されたのは3月11日。
 
 
「母の死をきっかけに……」。う~ん、そういうことにしておこう(^o^)。いや、たしかにそれらしきことは書いたかもしれない。ようは、「自然環境を保全する目的の樹木葬」なのだ。
 
 

2016/03/15

Yahoo!ニュース「CLTビルの建設現場……」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「CLTビルの建設現場を見てきた。 」を書きました。

タイトルに句点「。」を付けてしまっている……。
 
 
こ奈良の福祉グループの建設するビルのことは、以前にもネット記事として発表したほか、ブログでも紹介した。
 
 
今回は、その建設途中の内覧会が開かれたのに招かれて参加してきたのである。今回のYahoo!記事ではあくまでCLTの建設物として紹介したので、ビルの施主やこのビルを建設する意図については上記のリンク先を見てほしい。
 
今回の率直な感想としては、「なかなかCLTも美しいではないか」である。
というのも、以前見た東京のCLTの建築物の見本は、正直がっかりするほど醜かったからである。それは2014年7月31日のブログで紹介している。
 
 
もちろん、今回だって材の色は白赤のだんだら模様だし、黒節も多い。ところどころには気根の跡もある。が、全体を見回すと、なかなかよいスギ材の雰囲気なのである。
ああ、そうか、十津川材だもんな、吉野材ほどではなくても奈良の木は美しいんだ……と身内贔屓的な思いはさておき、やはり木造ビルを売り物にするなら、目に入る木肌が美しくなければ。
 
 
……が、気づくのである。ビルが完成したら、このようにCLTを見ることはできないのだ。なぜなら内側・外側とも別の建材でCLT覆ってしまうから。
 
通常のCLTの使い方としては、内外装の素材によっては木造に見えない。内装に木を使ったとしても、それはCLTではない、というナントモ(残念)な状態なのである。(ただ、今回のぷろぼのビルに関しては、一部CLTを「現し」として見える部分をつくるそうだ。)
 
 
せっかくだから Yahoo!記事では公開しなかった写真を。
 
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視察風景と断面。CLTは交互に材の向きを直交させるが、写真のものは縦の圧縮強度を高めるため、縦5枚、横2枚になっている。
 
 
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壁部分をよく眺めてほしい。CLTのパネルとは別に、(白っぽい)集成材が間に幾筋か入っている。これ、オウシュウアカマツ材のようである。CLTは挟まれている。なお、梁もオウシュウアカマツ材の集成材。木質の部分すべてがCLTではない。

2016/03/14

「ゴルフダイジェスト」誌に

ゴルフダイジェスト誌(3月15日号)が届いた。

 
001_2
 
まあ、ゴルフをしない私が読むとすれば、「女子プロ完全名鑑」ぐらいなのだが……。(それなりに楽しめます(^o^)。やっぱりフォームがいいなあ。。。)
 
が、もちろん送ってきたのは、ここに私が登場するからである。
 
Img001
 
こんな記事があるのだよ。なかなか硬派の切り口だ。そもそもゴルフ雑誌が、ゴルフ場の閉鎖問題を取り上げ、そこに設置され始めたメガソーラーを論評しているのだから。しかも原発事故や再稼働の実情、実は再生可能エネルギー(主に太陽光発電)への逆風に触れている。
 
Img002
 
ここに私もコメントを寄せたわけ。ちゃんと拙著『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』も紹介してくれた。これ、電子本なんで、書店で探さずネットで探してほしいが。
 
 
ちなみにメガソーラーだけでなく、バイオマス発電も逆風は吹き始めているよ。。。。気づいているのかねえ。
 

2016/03/13

図書館を拠点に

川上村には、図書館がある。

 
これはすごいことだ。人口1500人程度の山村に図書館があるのだ。奈良県では吉野郡でここだけだろう。図書室さえ備える町村は少ない。
 
そこで小さな催しをやっていた。
 
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土倉庄三郎を取り巻く人々に関連した書籍を集めた一角。
 
もちろん土倉翁百回忌に合わせたものだが、残念ながら土倉翁に関する書籍はわずかしかない。直接的には『評伝 土倉庄三郎』と拙著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』だけだ。そこ新島襄とか八重とか、ま、庄三郎に関係ある人物の書籍も集めている。 そもそも、蔵書がそれほど幅広くないだけに苦肉の策だろう。
 
多少無理はあるが、土倉翁のお膝元だけに智恵を絞ってこれくらいやらねば。
 
 
図書館は、人口も少ない自治体では軽んじられがちだが、私は図書館を核にした村おこしも可能だと思っている。という。、情報集積と発信する拠点として図書館を活かしてほしい。
 
 
川上村に図書館ができたのは、有体に言えばダム建設による補助金が下りたからだろう。さもなければ「贅沢な」施設として俎上にも上がらないはず。
まあ、規模としては小さい。蔵書は3万部くらいか。通常の街の図書館と比べても充実していると言えないし、いくら月々書籍や雑誌を購入しても、目を通す人がどれだけいるの、と問われれば心もとない。
だが、吉野でただ一つ、山村では希有な存在であり、しかも吉野の歴史や自然というバックボーンを考えれば、さまざまな可能性がある。村外からの利用者を集めるだけでなく、村民の誇りだって生み出せる。図書館としてではなく、村の情報発信の拠点として利用しなければ。
 
 
だいたい図書館があることをもっと利用しなければ、村の予算を食いつぶすだけの、宝の持ち腐れになってしまう。
村民だけでは少なすぎる利用者も、情報発信基地となれば、吉野の拠点となり得るのだ。
 
図書館の価値を世に知らしめた小説として「図書館戦争」があるが、荒唐無稽に見えて、世情に抗う前線基地なのだよ、図書館は。
 
以上、中学・高校と、図書委員長や図書部長として学校図書館に6年間君臨し続けた私がいうのだから間違いない(^o^)。

2016/03/12

『樹木葬という選択』増刷決定!

2月13日に出版した『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』。

 
ほぼ1か月が経って、なんと増刷が決定した。
 
Jumokusou
 
いやいや、これはびっくりぽん(^o^)。こんな早い増刷決定は『「森を守れ」は森を殺す!』以来ではないか。
 
もっとも『「森を守れ」は森を殺す!』は、新聞に書評が出てからで、しかも版元がもたもたしていたため、書店からしばらくの間姿を消してしまい、せっかくのチャンスをかなり逃した苦い想い出がある。 
書評が載ったときに書店にないというのはチャンスロスの中でも最悪の展開であった。
 
 
今回は、まだ書評が載っていないのに(^^ゞいやあ~。早々に増刷を決めるとは大英断ではないか。
 
と言っても、実は私自身も、あまり書店では見かけていないのである。近隣の書店には宗教や葬祭系の民俗学の棚はないからかなあ。
 
ちなみに、また20日過ぎに全国紙に広告を打つそうである。
 
 
20160225 東京駅前、オアゾの丸善。

2016/03/11

「反実仮想」のススメ

昨夜、NHK・BSプレミアムの「英雄たちの選択 」で、“奇跡の村”と呼ばれる岩手県普代村で行っていた津波対策について紹介していた。

 
その最後に司会の磯田道史氏が「反実仮想の教育」の必要性を訴えていた。
 
反実仮想。古語だが、簡単に言えば「もし~だったら~だろうに」と仮定して考えることだ。これこそ防災教育に必要なものとして紹介していた。
 
実際、未来のまだ起こっていないことは、想像するしかない。と言っても、単に「津波が来たら」と想像するだけでは無意味で、「もし津波が押し寄せてきたら、村はどうなるだろう」とまで考える能力が必要だ。想定した事態が、諸条件でどうなるのか連想していくのである。
 
 
私は、子供の頃から空想癖があるが、この反実仮想を常に繰り返していた気がする。
 
もし自分が○○だったら。
もし自分が○○に巻き込まれたら。
もし自分が○○を目撃したら。
 
小さなことなら交通事故に会う。蛇にかまれる。ジャングルで方向を失う。強盗団に拉致される。政府の極秘事項を握る。金銀財宝を見つける。宇宙人にファーストコンタクトする……。
 
時に英雄になるが、時にミジメな被害者に終わる。が、サバイバルのイメージトレーニングにははなった。実際、仮想が現実になったこともいくらかあったが、多少は役立ったと思う。
 
……5年前に原発が(水素)爆発する映像を見たとき、東北から北関東が壊滅する可能性を想像していた。放射能物質が関東平野に流れ込めば、首都圏の住民も避難を始めるし、東京は首都機能を失う。政府さえ有名無実になりかねない。
 
西日本に住んでいる私は、すぐさま命の危険までは想定しなかったが、結果的に日本という国の崩壊を想像した。東日本の壊滅だけで収まるはずがない。なぜなら、日本経済の壊滅につながるからだ。日本経済が動かなくなれば、経済危機は連鎖して世界恐慌を引き起こすだろう。世界中が不安定になれば日本への援助も滞るだろうし、食料輸入もままならなくなり、飢餓が発生するかもしれない。戦争・内乱も頻発するのではないか。。。
 
瞬時にそこまで連想したのである。
 
結果的にそうはならずに救われたが、そこまで考えて行動を考えるべきだ。とくに政治家は。今の政府には望むべくもないが。。。
 
 
今、もっとも自分で想定している反実仮想は、「もし、突然すべての仕事が途切れたら」である。フリーランスで生きている限り、いきなり、あるいはじわじわと仕事が減って、ある時途切れることは十分ありえる。
今が順調でも、全然安心できないのである。かつて7つの雑誌の仕事を同時並行でやっていた時期があった。これだけあれば安心できる……。が、わずか2、3か月のうちに5つが消えたのである。雑誌の廃刊もあれば、編集者の移動もある。編集者と喧嘩して仕事を切ったこともある。
とにかく何が起こるかわからない。でも仮想することで、生き残る確率は確実に増える。さまざまな種子を蒔いておき、いつ来るともわからない収穫期に備えておく。
 
 
だから、世の誰もが「反実仮想」すべきではないか。
 
林業経営を例にとれば、台風や山火事にあった場合を考えるのは当然として、材価が暴落したら、今の売れ筋の木が二束三文になったら。国の補助金がゼロになったら。
反対に今バイオマス用に出している木材が、将来数十倍の価格になったり、雑木に高値が付くことだってあるだろう。樹木でない何かに価値が生まれるかもしれない。 
それは森のリスクマネージメントであり、チャンスロスしない林業経営である。
 
 
やっぱり、私の人生訓は「生き残る」かな。。。
 
 

2016/03/10

植林木ペーパー?

「無印良品」の店に行った。

 
私は、ここでいつも「スーパーミント」を買う。タブレットを口に含むと、強烈なミントのクール感が広がって、ストレス解消になる(^o^)。
 
 
ま、そんなことはどーでもよく。この店で見かけた看板。
 
Photo
 
文房具のコーナーなのだが、「植林木ペーパーの付箋紙」なるものが並んでいた。
 
植林木ペーパー。。。。?
 
なんじゃ、こら。ようするに製紙原料が植林木ということを指しているようだが、それはそうだろうな、と思うしかない。
当然、この対極に「天然林木ペーパー」というのも存在するはずだが。。。
 
日本の製紙会社は、基本、原料には植林された(人工林の)木か、端材・間伐材しか使っていない(と表明している)。
 
まあ、私が視察した製紙工場では、完全に追跡するのは不可能だから「外国産チップの一部に天然林を伐採した木が混じる可能性はなくもない」と言っていたから、100%植林木と言い張るのは無理だろう。
実際、インドネシアなどで天然林を伐採している製紙チップ会社があるのも事実だ。また、近年まで国内でも天然林をチップにするため伐採していた例を、私はいくつか知っている。当然、地元では反対運動が起きていた。
 
ただ、それは主流ではないし、植林木ペーパーと名付けるなら、大半がそれに相当するのではないかと思うんだけど。
あえて言えば森林認証を受けた森林のチップのことだろうか。しかし、それと植林木とは意味が違うのだがなあ。
 
それはともかくとして無印良品さん。この看板の下段にはポリプロピレン製品が写っていますよ。

2016/03/09

Yahoo!ニュース「スギ花粉は世界中に舞っていた」書いた理由

Yahoo!ニュースに「スギ花粉は世界中に舞っていた!」 を書きました。

 
 
いやあ、実は昼間に書きかけて、途中で止まっていたのを夜になって完成させたもの。
やはりYahoo!には流行りの話題を取り入れて書かねば、あ、今なら花粉症だな、でも花粉症のネタは尽きている、そうだ元のスギ花粉のことを……という連想です(笑)。
 
そして書き出したら、意外や世界中にスギって植えられているやん、ということに改めて気づいたという……。きっと、もっと探せばスギを植えている国や地域はもっとあるはず。
 
 
そう、スギは優秀な樹種なのですよ。林業的には。
 

2016/03/08

中之島公会堂の杭

大阪、中之島公会堂に行ってきた。

 
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なかなかの名建築。近代化遺産と言えよう。
 
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内部も素敵だ。ホールのほか、さまざまな意匠が凝っている。
 
010  創建時のレンガと木の椅子。
 
 
が、注目したのは、これ。
 
006  杭だ。
 
創建時に、川に挟まれた軟弱地盤を固めるために打ち込まれたマツの杭である。約4000本打ち込まれたうちの1本だ。補修工事で免震装置を基礎に備えるために掘り出されたものが保存されている。
 
面白いのは、この杭は丸太のままで、乾燥もさせずに打ち込んだこと。すると湿潤な土中で酸素が遮断されるため腐らないのだそうだ。この杭で約80年間
 
なるほど、まったく傷んでいない。(現在は展示のため樹脂を注入してある。)
昔は、マツ材もこんな使い道が多かったのだろうね。

2016/03/07

“野生の象”と超人類学の「森の本」が訴えるもの

昨日の朝日新聞には、魅惑的な「森の本」が2冊登場した。

一つは、新聞の別冊扱いになっている「GLOBE」。
 
ここに世界の書店のベストセラーを紹介する欄があって、「樹木は野生の象だ」 と題した
『Das geheime Leben der Baume(木の秘められた生)
 

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が紹介されている。ドイツのノンフィクション部門で1位になっているのだ。
著者のペーター・ヴォールレーベンは、どうやらフォレスターらしい。
 
ちょっと引用すると、
 
森には知らないことがたくさんあるのだ。これも当然なことで、林学には長い歴史があるが、樹木はその数倍は生きてきたからだ」
 
「木には記憶力も痛覚も感情も思考力も備わっている」
 
「森の中で仲間と助け合っている樹木こそ本来の姿だ」
 
材木を供給したり、水を保存したり、二酸化炭素を吸収したりするなど、従順なサービス提供者としての木のイメージに著者は反発を覚える
 
もはや、彼は“林業”を否定しているのかもしれない。少なくても、苗木を植えたり、間伐など育林をすることに。そして街路樹や公園の木をストリートチルドレンのよう、とさえ語る。彼の感覚で日本の人工林を見れば、ブロイラーか強制収容所かもしれない。
 
そして「木も本当は野生の象と同じです」
 
しかし孤立して檻に入れられた不自然な状態では、本当の象を理解できないのだ。
 
興味津々。が……ドイツ語では読めない(泣)。。
 
 
 
もう一つの本は、書評欄にある
 
森は考える 人間的なるものを超えた人類学」
エドゥアルド・コーン著 亜紀書房
 
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こちらは書評を載せたわけで、ちゃんと訳されて出版されているが、かなり難解そうだ。日本語でも読めないかもしれない(笑)。。。
 
大雑把に言って、アマゾンの先住民の民俗調査から浮き上がる森の仕組みを大胆に描いたようだ。
そこでは人だけでなく植物や昆虫、動物までが複合的な意志を持ち「考えている」と訴えている(らしい)。ある意味、森林全体を一つの生命体(ガイア)と見立てるような話か。
もちろん、その一角には人間も入っているはずなのだが、現代社会はそこから逸脱しようとしているかのようだ。人類だけでない、人類学。でも、これは日本古来のアニミズムと似ているように思う。
 
 
 
傲慢になるのを承知で言えば、上記2冊の本(読んでいないけど)が訴えていることは、最近私が感じていることに似ているような気がする。
森について考えれば考えるほど、従来の生物学の枠からはみ出る。生態学も人間中心の考え方にとらわれてしまう。森の仕組みとは、もっともっと複雑系ではないか。。。私にとっては、「人類を超えた」というより、超生態学。メタ生態学。仏教世界並の縁起と因果が絡まった仏教生態学。。。なのである。
 
そうした目から森を捉えようとすると、もはや林業さえも人間の利得から逸脱してしまうのだ。
 
 
 
ところで、前者の本には、冒頭にこんな一文もある。
 
「彼が20年前に森林経営多角化のためにサバイバル訓練や樹木葬の事業を始めたところ、普通の人々が違った目で森を眺めるのを経験した。彼らは、節が多くて曲がった材木としては欠陥商品の木をほめる。そのうちに彼自身の森の見方も変わっていった」
 
面白い。面白いというのは、まず森でサバイバル訓練や樹木葬の事業を始めたという点。私も樹木葬には一方ならず思い入れがあるが(^^;)、まさに森林の多角的な利用法であり、オルタナティブな林業である。
 
そして「節が多くて曲がった材木」 の見方。これも日本の林業・木材関係者が陥っている罠そのものではないか。節が多くて曲がっていると良材ではなく、高く売れない、使い道がない……という業界関係者は、普通の人の見る目と違ってしまっているのだ。
 
良材生産というが、何が良材だろう。
人間の決めた良材とは「いつの時代」の「誰にとって」のものか。
もしかして、安いことが良材かもしれないし、バイオマス用の熱量の高い木が良材かもしれない。ただ業界目線では、材価ではなく、純益が多い木材商品こそ「良材」だろう。森から経済的価値が多く得られる商品こそが「良品」である。だとしたら、良材・良品は森がつくるのではなく、人の都合と技術によってつくるのだ。
 
人がせっせと「よい森」と「良材」を生産をすることなんぞ、森(=ガイア)はせせら笑っているかもしれない。いや、そもそも「良材」自体が存在しない。
 
利益が多く出る森の利用法なら「冒険の森」でも樹木葬でも、景観観光でも狩猟でも養豚でもハチミツ採取でもよい。木材もそれを高く売れる商品に加工することが大切なのであって、生の木材自体に価値はない。
 
……そんなフリースタイルな森の利用が林業なのではないか。
 
ただ私にとって、森林生態系が安定していて多様性が高いことは唯一の条件だ。それは森にも人にも豊かさをもたらす。そんな健全な森ならば、どんな時代でも誰のためにも自由な発想で商品化できる木材も空間もより多く存在するのではなかろうか。
 
 
 

2016/03/06

秩父の「第3のはちみつ」

そろそろ春の気配も深まって、ミツバチが飛ぶ頃だな、と思う。
生駒の養蜂家を訪ねると、すでにポリネーション(交配)のため、イチゴ農家などにハチの巣箱を貸し出しているそうだ。
もう少しで花が咲きだし、いよいよ採蜜が始まるはずだ。
 
 

さて秩父で聞き及んだ話の一つに、「第3のみつ」「第3のはちみつ」がある。

 
ミツバチによってえられる恵みのハチミツの第三の形態なんだそうだ。
 
正確には、国際規格で「ハチミツ」を次のように定義されている。
 
まず植物の花の蜜をミツバチが集めた「花はちみつ」
次に植物の汁液を昆虫が吸って、それを排泄した形でえられる「甘露はちみつ」。アブラムシの出す蜜なんかを想像するとわかりやすいだろうか。
 
ところが、これらの定義に当てはまらない蜜、ハチミツを開発したというのだ。
 
それはミツバチに樹液や果物の果汁を吸わせて蜜として吐き出したものである。
もともとミツバチを飼っていると、花の蜜のない冬などは、粗製砂糖を与えて命をつなぎつつ、春に向けて数を増やすのが養蜂家の仕事である。
 
つまり樹液や果汁などの糖分を含むものもミツバチは好む。そしてミツバチの体内に入ったそれらの汁は、吐き出す際にはハチミツのような成分になるわけだ。しかし元が花蜜ではなく、排泄でもないわけで、国際規格のハチミツには当てはまらない。そこで「第3のみつ」なんだそうだ。
 
花蜜を集めさせるのと違って、ミツバチに果汁などを与えるのは簡単で量もたっぷりだ。生産そのものは簡単になるかもしれないし、量も増えるだろう。すでにカエデの樹液のほか、リンゴやバナナを与えているらしい。
ちなみに商品名は「秘蜜」だそうで……。
 
 
これはカエデの樹液にミツバチが集まるのにヒントを得て生み出したものだそうだが、その開発秘話?に関しては、
 
 
 
を読んでくれ。ようするに秩父農工科学高校と埼玉大学と、秩父百年の森の会……などが合同で取り組み,、そこにUターンしたマーケティングや販促のプロの女性が取り組んだものなのだ。
 
これを秩父の森では生産し始めている。 
すでに商品にもなっているというが、私が買いに行ったところ、すでに扱っていなかった。そのため味わえなかったのだが、新商品開発としては画期的だろう。
 
もともと養蜂も、林業の一部なのである。中世のフランスには、「養蜂官」という役職があって、森からハチミツを採集するのが仕事だった。そのハチミツこそが、森の価値とされた。木材ではなかったのだ。
 
考えてみれば、養蜂は、古代より基本的にあまり技術的な進歩はないから、こうした新技術の開発の可能性はたくさんあるかもしれない。
 
実は、秩父の樹液生産組合で驚いたのは、こうした開発意欲である。
 
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写真は、カエデの幹内の温度を計測しているものである。
 
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手にしているのは、気温と土中温度と、樹内温度の計測結果をグラフにしたもの。これで、どんな季節のどんな条件の際にどんな樹液がよく出るのか……等々を調べているのだという。
テキトーに樹液を採取しているのではなかった。
 
もちろん、まだまだ軌道に乗るまでの行く手は厳しいだろうから、すぐにビジネスになるかどうかはわからない。ハチミツとの差別化も課題だ。それはカエデ樹液の商品群と同じだろう。しかし林業の多角化という点からは、一考に値する。
 
 
銀座はちみつが評判を呼んだように、ハチミツには人々を魅了する力がある。変わった蜜、というだけでなく、ドラマを売らないとね。
 

2016/03/05

レバノン杉花粉症?

朝日新聞で見かけたちょっと不思議な記事。

 
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特派員メモというコラムなのだが、ジュネーブの国連欧州本部周辺で花粉症が起きているというのだ。それは本部の敷地にレバノン杉がたくさん植えられているからだという。
実際にレバノン杉から黄色い花粉がまき散らされているそうだし、この特派員のほか本部で働く多くの人々がクシャミなどの症状を訴えているというから嘘だ思い過ごしだというつもりはない。
 
しかし、レバノン杉はスギではない。マツ科に属する、ヒマラヤスギの仲間だ。当然ながら花粉の形も日本のスギとは全然違う。
 
それでも花粉症になるのだろうか。レバノン杉の花粉がアレルゲンになることはちゃんと報告されているのか。あるいは別の原因である可能性は? 
 
記者は、その点に何の疑問も持たなかったようだ。単にレバノン杉も日本の杉と同じで、スギ花粉症が起きるものと思い込んでいるのかもしれない。
 
もちろん、スギ以外のさまざまな花粉でアレルギー反応を起こす体質の人はいる。
ジュネーブには、ほかの植物、たとえばブタクサやシラカバなどの花粉は舞っていないか。ヨモギやクリの花粉もアレルゲンになるそうだ。
 
逆に考えれば、マツの花粉症はあるのだろうか。。。。
 
 
世界的には、レバノン杉は絶滅寸前だから、花粉症だから伐れ! という日本の一部にある過激な声は出ないだろうけどね。
 
 
なお記事中にある「自然保護区認証」というのは初めて聞いた。これも気になる。

2016/03/04

ハラールラーメンとならまち

ハラールラーメン」の試食会に招かれた。

ハラールとは、ムスリム(イスラム教徒)が食べられる認証を取った食材のことだ。イスラム式のお祈りを捧げて解体された肉とか、酒(味醂を含む)を使わない調理法であることが肝心である。
 
そんなムスリム向きのラーメン店が、奈良のならまちに誕生したのである。店名は、「ならまちmoon3じんにいや」。(意味は不明)  
正確な開店日は、3月5日からだ。
 
2
 
ちょっと汁気が少なく、極太麺のラーメン。スープの味は、意外とあっさりしている。豚骨などはもちろん使えないから、ハラール鶏肉に野菜の出汁であろうか。スパイスがかなり効いている。時折、粒をかじると苦みがあった。これは……クミンかなあ。具は、野菜とゆで卵、それに鶏肉ミンチ、ナッツ類。そしてパクチーが乗る。
私はアラブ料理には疎いものの、中近東のイスラム圏というより東南アジアの味をイメージした。日本人にも向いている味だろう。
 
 
が、私の注目したのは、ラーメンだけではないのだよ(⌒ー⌒)。
 
写真をよく見ていただきたい。ちゃんと吉野の天削げ割り箸を使っているだろう。これでラーメンを食べる贅沢(^o^)。
さらに、真っ黒に写ってしまったが、テーブルは樹齢100年ものの吉野杉製である。
 
店そのものは、長屋を改造したもので、内装も木がいっぱい。
 
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実は、空き家だった長屋の各室を全部改装して、さまざまな店を出す計画だという。題して「ならまちスーク」。
 
店のある場所には、観光地になっているならまちの外縁部に当たり、訪問者が一見で来ることは少ないと思われる。が、こうした店が出ることで、新たに人を呼び込めるかもしれない。近くにはゲストハウスもできたようだ。
 
ムスリム向き料理店というのは、県がイスラム圏のインバウンドを期待しての要望らしいが、実際には旅行者よりも在日ムスリムや日本人が来るのではないか。
 
 
ならまちとは古い江戸時代からの町並みの残る庶民の住む地域だ。寺社仏閣の奈良ではない、いわゆる町屋である。そこが近年次々とオシャレな店に改造されて、観光客が訪れるようになった。路地が複雑に曲がりくねって入り組み、その奥に何があるかとワクワクさせられる。それこそスーク(アラブの市場)。
 
私も歩いて思った。江戸時代の町並みを保存しているような観光地はたくさんあるが、それらとちと違う。もっと生活感があふれている。実際に住む人もまだまだ多い。
なかには伝統的な長屋ではなく、モルタル安普請の長屋も混ざっている。ヘンな店もある。景観的にはミスマッチだが、逆に保存された町並ではなく、生きている人々の味も出す。
 
 
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なんじゃ、こら? と思わせる店。壁中にアイドルの写真がベタベタと張られている。それも前世紀のアイドルが多い。一応、「書店」の看板があるが……。
 
こういうのが街の魅力を生み出すのだろうな。
行政関係者が一点豪華主義的観光施設や、一流ホテルを誘致したがるが、そんなもので街は魅力的にならない。
もっと街の不動産屋的発想で、その土地に向いた小さな専門店や個性のある住民を誘致しないと。ならまちは、それに成功しているように思われる。奈良は、大仏様とシカだけではないよ。
 
 
せっかくだから住所も記しておく。
 
奈良市南城戸町33 「ならまちmoon3じんにいや」
路地を入った奥だから、なかなか見つけるのは大変かもしれない(笑)。

2016/03/03

地方新聞に『樹木葬という選択』の広告

樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』の版元・築地書館から、広告出稿の通知が来た。

3/7  北國新聞

3/10 愛媛新聞

3/12 福井新聞
3/14 新潟日報
3/15 大分合同新聞 南日本新聞
3/23 熊本日日新聞
3/25 日本海新聞   山梨日日新聞
3/26 長野日報
3/29 宇部日報
3/30 陸奥日報
 
近畿地方がない(-_-)。そもそも、どんな基準でこれらの地方紙を選んだのか……。九州、それに日本海側が手厚い印象。
 
というわけで、私がこれらの広告を目にする可能性は低いだろう。
 
 
もし見かけた人は、ご一報を。できれば写真を送ってください。もれなくプレゼント……と言っても、『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』をプレゼントするわけではない(笑)。それは買ってよお。。。。
 
そうだなあ、と考えたのだが、
 
Jumokuso
 
表紙をそのまま使ったカードがある。
広告を発見してくださった方で、ご希望があれば住所を教えていただくと、このカードを直筆で送りましょうかね。。。
 
 

2016/03/02

秩父と吉野、本多と土倉

秩父を訪れて感じたことの一つに、紀伊半島とくに吉野と似ているところが多いな、ということだった。

 
まずは地形。その急峻さは紀伊半島に匹敵する。どちらも山の高さは最高峰が標高1000メートルを越える程度なんだが、その谷は深く襞が複雑に入り込む。日本アルプスよりも山深さを感じさせる。
 
そして伝説の数々。
とくに三峰神社を訪れたが、今はパワースポットとして有名になり、山奥すぎるにも関わらず参拝客が絶えないよう。その点も、数々のパワースポットがある吉野と似ている。どちらも役行者の開いた修験道の地なのである。宮司によれば、もともと「東の熊野」と呼ばれていたそうだ。
 
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きらびやかな拝殿・本殿だが、塗り直す前の建立は200年、340年前。
 
具体的に吉野で似ている神社を当てるとすれば、名前もよく似た修験道の大峰山寺蔵王堂のほか熊野の本宮、新宮などもいいが、私は十津川村の玉置神社を当てたい。ここは、熊野の奥の院とも言われるが、秘境の村として知られる十津川村の中でもさらに奥にある。神武天皇が熊野から大和に攻め上る際に参ったと伝承もある地で、別格のパワースポットとして知られる。
三峰には樹齢700年、800年を歌う重忠杉がパワースポットだが、玉置にも樹齢3000年の神代杉や大杉、常立杉などが並ぶ。
 
そのほかにも日本武尊の伝説があり、巨大な立像があること(^^;)や、ニホンオオカミ生存伝説があること……など、秩父と吉野が対応する点が数々ある。
ほかにも埼玉と奈良は、ともに海がないとか(^^;)、大都市(東京・大阪)の隣にひっそり立地するとか……。
 
091  095
狛犬代わりのオオカミと、日本武尊像
 
もっとも見た目はかなりちがう。なったって、三峰神社は、参拝者が増えてお金があるのか、全部金ぴかに塗り直していた。玉置神社は古色蒼然。 
 
 
ちょっと脱線気味になったが、もう一つ比べたいのは、土倉庄三郎と本多静六だ。
 
同時代の人物ながら、土倉庄三郎は大滝村(現・川上村)に生まれた山林王であり、その財力で明治という時代を動かした。所有する山林は、吉野だけで最大時9000ヘクタールに達したという。が、晩年は破産同然となり逼塞する。
一方で本多静六の実家は貧乏に苦しめられた農家に生まれ育つが、苦学しつつドイツに留学して林学博士となって明治の林学をリードした。そして財産をなして秩父の山を購入し、晩年は1万ヘクタールもの大山主となった。山林の多くは大滝村(現・秩父市)にあった。
 
なんとも対照的な人生ではないか。
 
実は拙著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』は、当初、この二人を対照させるように執筆していた。二人は明治の林学・林業を通して日本の森を動かしたからだ。しかも、本多は庄三郎に日本の林業の実際を教わった、いわば弟子であった。
だが、出版にこぎ着ける過程で本多静六の部分をごっそり削り落とす。あまりに分量が増えてしまい、このままでは出版が危ぶまれたからだ。その点は、今も心残りだ。
 
 
本多静六は、晩年に、秩父の山の大部分を埼玉県に寄付し、それで奨学金をつくった。彼もまた財産を投げ出して教育に力を注いだのだ……。
 
ところが、秩父を訪れてわかったこと。寄付した山(3000ヘクタール弱)よりはるかに広い6000ヘクタール近くを、東京大学に演習林として売りつけていた(笑)。なんだ、ちゃんと儲けているじゃないか。
秩父と吉野の差はこんなところにも。。。。
 
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雪の東大演習林。
 
 
 

2016/03/01

紙の博物館!

紙の博物館に行ってきた。

東京都北区の王寺駅前、飛鳥山公園内にある。この公園、もとは渋沢栄一の屋敷の敷地だったらしい。ど広い。。。
 
また王子という地名でわかるとおり、紙の博物館には王子製紙が関わっている模様。まあ、今は全製紙会社の共同運営のようだな。だいたい日本の製紙会社は元をたとれば、ほぼ全部王子製紙に行き着く(合併と分裂の繰り返し)。そして王子製紙を設立したのが、渋沢栄一なんだから、全部つながっているわけだ。
 
それはともかく、紙の博物館はなかなか立派な施設で、案内ボランティアもいた。おそらく製紙会社をリタイヤされた方なんだろう。
 
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で、さまざまな展示があったのだが、私が目を止めたのは、やはりこれ(笑)。
 
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製紙原料となる木材のどこの部分を使っているかを示している。
 
これ、少し拡大してみよう。
 
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ちゃんと、木材の真ん中部分は建築材に使われますよお、紙にするのはその回りの背板なんですよお、と解説している。
やはり、森の木を伐って、丸ごと製紙材料にしていると思われると「自然破壊!」と非難されがちなのだろう。
まあ、すべての材料が背板など端材ばかりとは言えないはずだが……。(それにこれは針葉樹材。広葉樹材はどうなんだ。)
 
それに、この後の展示にあるように、もっとも多い原料は古紙なのだ。約60%を占める。
 
 
ちなみに私が購入した資料。
 
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和紙と洋紙の違いを解説した冊子。薄い割にはなかなか深い情報が載っている。実は、和紙のことも結構詳しい展示があったのだ。
 
でも、これを窓口で購入する際に、係の女性がビニール袋に入れようとしたので、「紙の博物館なのに、ビニール袋にいれるんですか」と突っ込む(~_~;)。
 
「あ、手提げできるように思ったので……紙袋に替えますね」
 
ということで、写真に写るとおりの紙袋に入れてもらったのでした(⌒ー⌒)。嫌な奴と思われただろうか。。。

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森と林業と田舎