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森と林業の本

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2016/03/04

ハラールラーメンとならまち

ハラールラーメン」の試食会に招かれた。

ハラールとは、ムスリム(イスラム教徒)が食べられる認証を取った食材のことだ。イスラム式のお祈りを捧げて解体された肉とか、酒(味醂を含む)を使わない調理法であることが肝心である。
 
そんなムスリム向きのラーメン店が、奈良のならまちに誕生したのである。店名は、「ならまちじんにいや」。(意味は不明)  
正確な開店日は、3月5日からだ。
 
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ちょっと汁気が少なく、極太麺のラーメン。スープの味は、意外とあっさりしている。豚骨などはもちろん使えないから、ハラール鶏肉に野菜の出汁であろうか。スパイスがかなり効いている。時折、粒をかじると苦みがあった。これは……クミンかなあ。具は、野菜とゆで卵、それに鶏肉ミンチ、ナッツ類。そしてパクチーが乗る。
私はアラブ料理には疎いものの、中近東のイスラム圏というより東南アジアの味をイメージした。日本人にも向いている味だろう。
 
 
が、私の注目したのは、ラーメンだけではないのだよ(⌒ー⌒)。
 
写真をよく見ていただきたい。ちゃんと吉野の天削げ割り箸を使っているだろう。これでラーメンを食べる贅沢(^o^)。
さらに、真っ黒に写ってしまったが、テーブルは樹齢100年ものの吉野杉製である。
 
店そのものは、長屋を改造したもので、内装も木がいっぱい。
 
4  5
 
実は、空き家だった長屋の各室を全部改装して、さまざまな店を出す計画だという。題して「ならまちスーク」。
 
店のある場所には、観光地になっているならまちの外縁部に当たり、訪問者が一見で来ることは少ないと思われる。が、こうした店が出ることで、新たに人を呼び込めるかもしれない。近くにはゲストハウスもできたようだ。
 
ムスリム向き料理店というのは、県がイスラム圏のインバウンドを期待しての要望らしいが、実際には旅行者よりも在日ムスリムや日本人が来るのではないか。
 
 
ならまちとは古い江戸時代からの町並みの残る庶民の住む地域だ。寺社仏閣の奈良ではない、いわゆる町屋である。そこが近年次々とオシャレな店に改造されて、観光客が訪れるようになった。路地が複雑に曲がりくねって入り組み、その奥に何があるかとワクワクさせられる。それこそスーク(アラブの市場)。
 
私も歩いて思った。江戸時代の町並みを保存しているような観光地はたくさんあるが、それらとちと違う。もっと生活感があふれている。実際に住む人もまだまだ多い。
なかには伝統的な長屋ではなく、モルタル安普請の長屋も混ざっている。ヘンな店もある。景観的にはミスマッチだが、逆に保存された町並ではなく、生きている人々の味も出す。
 
 
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なんじゃ、こら? と思わせる店。壁中にアイドルの写真がベタベタと張られている。それも前世紀のアイドルが多い。一応、「書店」の看板があるが……。
 
こういうのが街の魅力を生み出すのだろうな。
行政関係者が一点豪華主義的観光施設や、一流ホテルを誘致したがるが、そんなもので街は魅力的にならない。
もっと街の不動産屋的発想で、その土地に向いた小さな専門店や個性のある住民を誘致しないと。ならまちは、それに成功しているように思われる。奈良は、大仏様とシカだけではないよ。
 
 
せっかくだから住所も記しておく。
 
奈良市南城戸町33 「ならまちじんにいや」
路地を入った奥だから、なかなか見つけるのは大変かもしれない(笑)。

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