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2016/04/14

フリースタイル林業は可能か?

西垣林業の発行する林業テーマの機関紙「神籬」(ひもろぎ)。

53号が届いた。
 
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特集は、「フリースタイル林業」である。語り手は、村尾行一氏(愛媛大学客員教授)。まだ前編だから後編も早く出してほしいが、多分半年後だな(^o^)。
 
ここでいうフリースタイル(自由形)とは、これまでの林業林学の否定に近い。そもそも目的を林業(木材)生産に設定せず、伐期も決めない。施業も植林は樹種を事前に決めないし、択伐皆伐の区別もしない。……このように説明したら、何がなんだかわからないだろう。
もはや「どんな林業」と問うこと自体を否定しているかのように、なんでもあり、としている。
 
あえて言うなら、その基本原理は森林生態系である。そして森林生態系を健全に保つことで、そこから収穫物を得る、という形態の林業だ。
 
 
さて、ここで私がフリースタイル林業について詳しく解説しようというのではない。むしろ私も迷い悩んでいる。なんでもあり、ということは、いわば個人に任せるということになるからだ。いわば法治ではなく人知。近代社会は法による支配を確立することで成り立ったのに、まるで絶対王政時代のように人(王)に統治を任せるがごとし。
 
だから、その統治する人(森林経営する人)の養成が重要になってくるのだが……。王様養成講座をつくるか? 森林王様アカデミー(^o^)なんて。。。
 
 
傲慢といわれるかもしれないが、 この原理は、私が考え抜いた末にたどりついた林業の形と似ている。
 
私のたどりついた林業の形態は、林業とは森づくりである。森づくりだけである、という考え方だ。樹木を育て、森林生態系をつくり守ることを仕事とする。
木材など林産物が必要となり、それを採取し利用するのは林産業(最近は、この言葉を使わなくなったが、「木材産業」のように対象を狭めず、林産物全体を対象にするのだから「林産業」がいちばん近いと思う)の役割だ。
 
林産業は、求めるもの(林産物)のある森林を訪れて、その地の林業と摺りあわせながら、お互いが持続しつつ可能な形で運営していく……いわば林業と林産業の分離こそが、未来の森林経営ではないかと考えたのだ。
もっとも、別の図式をすれば、大きな林業の括りの中に森づくり業と木材利用業が並立すると見立ててもよい。その中でお互いウィンウィンのビジネスを展開する。
 
フリースタイル林業も、結果的に林業と林産業を区別して考えているのではないか。根本にその発想があるように感じた。
 
 
なお、この理論を語る村尾氏については、度々、このブログでも紹介してきたし、私も影響大なのだが、この記事によると、フリースタイル林業を提唱されたのは、なんと1953年だとある。私の生まれるより昔だ(°o °;)。
 
近年、ようやく日本でも語られるようになった近自然林業(合自然林業)よりは遅い(こちらは1863年、ガイヤーが唱えた)が、随分前なのだ。そしてフリースタイル林業は、まだ村尾氏以外は日本で紹介していないだろう。
ちなみに理念としての近自然林業が発展する形で、施業法としてのフリースタイルが唱えられるようになるわけで、両者は不可分ではある。
 
 
しかし、本当にフリースタイル林業は「ドイツをはじめヨーロッパの林業界で主流となりつつある」のだろうか。そこまで進んでいるのだろうか。そして日本に取り入れることは可能だろうか。

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