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森と林業の本

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2016/04/02

足跡を追う

少しヒマになったので、山で遭難することにした。

 
今回は、生駒山の南に外れた場所から登り始める。一応、山道はあるのだが、ほとんど人が通らず荒れている。いや、登りだしてわかったのだが、薄暗い照葉樹林の樹の下はほとんど草がなく、土壌流出が起きた状態だ。しかもイノシシがものすごい数いるらしく、いたるところに足跡とぬた場、そして土の掘り起こしで林床はズタズタであった。
 
そんな中に気になるのが、これ。
 
1
 
こんな石を積んだ列が幾筋も等高線上に延々と続いているだ。
 
5
 
最初は棚田跡かと思ったが、それにしては地形が水田にしては傾斜がありすぎる。かといってシシ垣にしては低すぎる。畑だろうか。
思えばこの山は、古代豪族のナガスネノヒコの拠点である。後の神武天皇となる一族の大和侵略に最後まで抗った豪傑だ。しかし、最後はだまし討ちにあう……。ならば、その砦跡ではないか?
 
……なんて、夢見る。この石積みの列を追いかけたら、ナガスネヒコ伝説の足跡を見つけられるだろうか。そして生駒の秘密が浮き上がるだろうか。。。
 
 
2
 
尾根筋に在る鳥見霊畤の碑。神武天皇が大和征服した記念碑である。
 
 
ここから踏み分け跡に入った。この先に何があるかわからないが、谷に下りたら棚田と人家がある。そこまで森を突破するのだ。
最初はあった踏み跡もすぐに消え、頼るのは獣道だ。イノシシが縦横に走り回った跡を追いかけるのである。獣道というのは、獣、つまりイノシシがどこかへ行くために通った道だから、それを頼ると抜けられることが多いのである。
 
イノシシの足跡やぬた場を確認しながら進む。いつしか水が湧いていて沢ができていた。
そして赤いはなびらが点々と。
 
3  
この花を見た人は、おそらく私だけだろう。人知れず咲くサザンカの花も、そろそろ終わりである。
 
沢を渡ると、とうとうブッシュになった。 獣道は、そこを伸びていた!
1_2
 
私も這って進む。が。。。
奥から、唸り声がした。ぎょ。イノシシだ。姿は見えぬが、藪をガサガサ動く。
こんな四つんばの姿でイノシシに出会いたくない。大怪我しても、誰も助けに来てくれない。
 
大声を上げた。唸った。イノシシに負けないように……。
ちょっと恐怖で背中がこそばゆくなった。
 
幸い気配は消えたが、私もこのまま進むのは諦めて、獣道から外れて沢の中を進み下ると、溜め池に出た。
その脇には道があった。人里だ。
 
 
遭難終了。ほっとして、手を腰のスマホに伸ばす。。。
 
あれ? ない? ない!
 
スマホ落とした(泣)。。どこで? 
 
あの、藪を這って進んだときだろうか。
迷ったが、もどる。
もう一度沢を進んで、あのブッシュまでもどる。イノシシの恐怖なんぞ吹き飛んで、ブッシュをかき分ける。
おおい。スマホよ。
 
……ない。。。
 
スマホを紛失したのである( °◇ °) ガーン。
 
 
翌日、全コースをもう一度歩く。今度は、昨日の自分の足跡を追う。イノシシの足跡の次は自分の足跡かよ。。。しかも雨が降り出した……。
それでも、ここに手をかけた、ここで小枝を折った、と痕跡を発見。うん゛この足跡は古くない。せいぜい昨日だな……(当たり前だ)。
 
なんかハンターみたいな気分。自分で自分を追っていくのだけど。いや、本当に追いかけたいのはスマホなんだよお(泣)。。。。
父の携帯を借りて、ところどころでコールしながら。
だが、呼び出し音は聞こえず……。 
 
完全に遭難。(スマホが)
 
 
諦めて届け出をした。警察とDoCoMoショップに。
 
かくして新しいスマホを手にすることになった。今度は設定が大変。・°°・(>_<)・°°・。。

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コメント

本当に遭難したのはスマホでしたか。
パスワードの類いが遭難しないといいですが…

そうなん、です(笑)。遭難したのはスマホでした。。。。
足跡も、最初はイノシシのつもりが、まさか自分の足跡を追うとは。

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