この季節、拙著の一文を問題集に使用したいという申し込みが続く。
私の本の中の一部分を中学や高校、そして大学入試に使われることが多いのだが、それを問題集に収録したり、または出版社や塾や予備校などが独自の問題づくりに引用するケースが数多くある。
たとえば、『森林からのニッポン再生』や『割り箸はもったいない?』、『森と日本人の1500年』、古くは『「森を守れ」は森を殺す』などからの引用が多い。
そこで問題集に掲載するには、著作権を持つ私に許認可をとらなくてはならない。
今年もいくつかの学校が入試に使ったらしく、申し込みがある。また過去問を収録する場合もあるので、一度収録されると何年か続く。それらが積り積もると、毎年、数にすると何十もの許認可書類が届くことになる。さすがに私も、最近は機械的にサインしたり捺印したり……と処理することが増えた。
そんな中の一つなのだが……今年は駿大予備校の現代文科講師からの手紙が入っていた。
使用目的について記してあるのだが、これが熱いのだ。熱い。なかでも、こんな文がある。
読んでいて、私も熱くなった(^o^)。若年層の活字離れが進む中、国語教育に携わる人たちが、こんな思いで入試問題と関わっているとは。
自らを省みれば、たしかに教科書や国語問題の中で存在を知った小説やエッセイ、さらには科学的事実も多い。断片的に見えて、多くの情報と感性を問題文から得ていることに気づく。
そういえば、今やタレント活動が盛んで冠番組も持っている「今でしょ」の林修氏も東進ハイスクールの現役国語科講師である。彼は、単なるテレビタレントに染まらず、結構熱く文学への思いを語っている。今は予備校講師の方が文学への思い入れが強い……?
ともあれ、著作権者としては有り難いことである。
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