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2016/05/08

「お墓の行方」と「最古のお墓」

昨夜、Eテレで『お墓の行方』という番組をしていた。

これは、現代の埋葬事情と地方のお寺事情を重ねつつ、社会の変化が新しいお墓の形態が次々と登場している状況を紹介した番組で、なかなかよかった。とくに海外事情まで取材している。

たとえば韓国は、墓地面積があまりに膨らみすぎたので、国家的に樹木葬を推進していること。

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中国も同じく、墓地の拡大を防ぐためにさまざまな新しいお墓が登場しているとこ。

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写真は海葬。骨壺をそのまま海に流す。散骨とは少し違う。

アメリカに至っては、ブック型の納骨とか、宇宙葬。ほかに月面葬も計画中。

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そしてスウェーデンの「森の墓地」(スコーグスシュルコゴーデン)。

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これは世界遺産にも指定されているの。樹木葬とは少し違うにしても、実に魅力的だ。

そして日本の新形態墓として、散骨と桜葬、樹木葬を紹介している……のだけど、残念なことに樹木葬とするのは小平霊園の樹林(合葬)墓地。そして桜葬も樹木葬の一つとしてしまった。

樹木葬について、誤解が広がるようで残念。森の中、あるいは森をつくるのが樹木葬なのであって、桜葬も樹林墓地も森とは関係ない。むしろ合葬墓の一種である。

樹木葬という選択』をもっと読んでほしい(-_-)。

 

ところで、人は、いつから死せる人を儀式をもって埋葬したのか。 

 
これは、『樹木葬という選択』を執筆する際、もっとも最初に浮かんだ命題だった。人類が葬儀とか埋葬という作業を行うことになったから、その形式として石墓やら樹木葬やらが登場するわけだから。
 
 
ナショジオ にも記事がある。
 
 
イスラエル北部にある現在のカルメル山の集落にあった1万1700~1万3700年前の墳墓を、調査したところ、野生の花々(ミントやセージなど)を敷きつめた上に故人が埋葬されていたことを確認したという。
 
花で飾られた墓は4基並び、1つには2遺体が埋葬されていた。2人の故人は、成人男性と性別不明の若者だそうだ。花が飾られていた2人の墓は、穴の壁は泥の薄板で覆われて、底にはピンクやラベンダーの草花が並べられていた。また動物の骨も多数見つかったという。
 
花が埋葬時の副葬品として使われたとしている。遺体(遺骨)の下であるから、かなり意図的に埋葬したのだろう。現代の我々が花に抱く感情と同じ感覚を前史時代人も持っていたことが推測できる。
もし、人が死ぬことを嘆くことが葬儀の始まりとしたら、花を手向けることは植物によって感情が鎮静させられることだと言えるだろう。
 
※実は、以前にネアンデルタール人の遺骨にある洞窟から花粉が大量に出土したことから、ネアンデルタール人の墓の花が供えられていた、と発表されたことがある。もっとも、これは後に否定された。その根拠は、草花を集める習性のある齧歯類の動物の住んでいた痕跡があるから怪しくなったのだった。その点、今回は確実である。
 
 
 
花を手向けることを埋葬儀式とするのなら、樹木をシンボルとする埋葬法も、埋葬儀式として時代を遡れるのではないか。もしかして有史前の可能性だってある。
 
 
 

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