森林認証制度の限界?
SGEC(緑の循環認証会議)が6月3日のPEFC総会で、SGECを相互承認することが認められた。これでSGECはPEFCの仲間入りである。
……と書いてもなんのことかわかる人は多くないかも。
ようは森林認証制度(森林の経営を審査して、環境に配慮していたら認証する制度)なのだが、国際的にはFSC(森林管理協議会)のものと、各国の森林認証制度を相互承認し合うPEFCの2種類ある。
一方で日本は独自にSGECという制度をつくっていたが、それでは海外に認められない。そこでSGECも晴れてPEFCに入って国際的な認証となったというわけだ。
しかし、本当に森林認証を取れば森林は守れるのだろうか。森林破壊の心配はないのだろうか……。
そう思わせるニュースが、SGECとほぼ同時に入ってきた。
今年で10回目を迎えるタイのバンコクで開催される「第10回エコプロダクツ国際展」において、アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP。インドネシアの製紙会社)が、「エコプロダクツ国際展2016大賞」を受賞したというのだ。
『エコプロダクツ国際展』は、アジアにおける循環型社会づくりと環境製品・サービスの振興をめざして開かれている。そして、出展企業の開発技術や取り組みなどを対象に選考して大賞を決めている。
今回は、APPが「森林保護方針」を発表し、自然林伐採ゼロを誓約して自社の植林木のみで紙をつくる資源循環型経営に取り組んでいることが評価されたそうだ。
そしてAPPは、PEFCの認証も取得している。だから、このニュースだけだと、APPh環境に優しい優良企業と思える。
だが、APPグループは、以前から世界的なNGOなどによって熱帯雨林を破壊していると批判を浴び続けているのだ。紙パルプ生産のために天然林を伐採している報告されているだけでなく、何より森林を焼き払う煙が海を渡ってシンガポールなどに煙害(ヘイズ)を発生させていることが問題になっている。
もちろんAPP自体は「故意に森を焼いていない」と否定しているのだが、森が焼かれている事実は拭えない。
そのためかシンガポールのスーパー最大手「フェアプライス」は、APPの商品を店頭から撤去する動きを見せている。煙害への強い不満の表明だ。
森林認証制度にも限界はある。現場の完全なチェックは難しいし、審査項目をパスしたら、自動的に認証を与えることになる。森林破壊を防ぐ万能手段にはならないのだ。
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