近鉄奈良駅前の商店街を歩くと、少し気になる店が。。。
うどん屋なのだが、その外壁である。
あら。磨き丸太ではないか。それも絞り丸太だ。
この店、看板が太い一枚板だったり、それなりに木をいっぱい使っていることをアピールしていて、なかなか好感を持つのだが(でも、うどんを食べたことない……)、外観に磨き丸太を使うというのが面白い。
正確には、正面の玄関部分の柱のほかは、ビル内の通路に当たる。しかし、開放的で外の空気に触れる部分だろう。
磨き丸太、今はめっきり売れなくなり材木屋も困っている。今ではどこの家にも磨き丸太の床柱を使うような床の間、書院を備えなくなったからだ。そこで売れ残った磨き丸太を使って家具を作ったり、いろいろ模索しているが、なかなかヒットは出ていないように思う。
が、この店を見て思いついた。内装(床の間)と外装を入れ換えたらどうなるだろうか。
家の中に床の間がなくなったのは、住む人が床の間を必要としなくなったから。もっとはっきり言えば、床の間のような和風デザインに良さを感じなくなったから。
でも外観なら、また別の和風が可能ではないか。
家の中の人だけが見る内装ではなく、不特定多数の人が目にする部分に床の間をつくることを提案したら、磨き丸太に新たな需要も生まれるになるかもしれない。
通りに面した床の間……なんて作ったら、人の目を惹きつける意外性のあるデザインになると思うがなあ。洋風の玄関の隣に床の間があって、掛け軸垂らしたり、お花を活けたり。オシャレな家ではないか(笑)。
暖簾の代わりに掛け軸\(^o^)/。庭木は生け花(⌒ー⌒)。床の間に靴脱いで上がる(x_x)とか、腰を下ろして縁側代わり(@_@)とか。
そんな斬新なデザインを使いこなせる人は少ないかもしれないが、店舗なら目を引いて客寄せになるかもしれない。
まあ、思いつきなんで、ご容赦を。でも、建築家、デザイナーの一層の奮起を期待します。。。
床の間を備えた和室がほとんどなくなってしまった背景には、プレカットの普及で大工さんたちが技術を失ったこともあるのかな…と思います。
あとは工務店が技術ある大工さんの調達が難しくなり、「和室は高いですよ…」とかいうことを平気で施主に言うようになったことも…。
卵が先かニワトリが先か、の話になってしまうかもしれませんが…。
投稿: こうへい | 2016/06/28 07:41
磨き丸太をもっと使われるためには「プレカットでどんな大工でも使えるようにする」というのも手だと思っていたのですが、逆にプレカットが磨き丸太を使わなくなる原因にもなりますか……。
いっそ磨き丸太で、簡単・丈夫な建材として宣伝されているCLTをつくりますかねえ……ヾ(- -;)。
投稿: 田中淳夫 | 2016/06/28 09:45
準防火・耐火等の法令・省令を勉強すれば、和室を作り難くなる事、「木」を表しで使うことに対して制約の多くを知ります。
可燃物である「木」を使うとすれば、石膏ボード等で被覆しなければなりません。
過疎地はいざ知らず、街中での建築に準防火・耐火等は欠かせません。当然火災保険料にも影響します。
良し悪し、好みを超えて、こうした法・規則・社会を作ってきたのは私達です。
投稿: 仁藤浪 | 2016/06/28 10:48
そうなんですよね。建築法の基準は、どうしても木造を忌避しているような内容です。
耐火塗料のようなものもあるけど、やはり生成りを大切にしたい。
まあ、縁側などは禁止されていないし、庭の造作も可能だから、床の間を家から切り離して庭の園芸施設にしてしまう手もあるかもしれません(笑)。
投稿: 田中淳夫 | 2016/06/28 11:57