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森と林業の本

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2016/07/17

「人はコスト……」

昨夜は、ブログを書きかけて沈没した(~_~;)。

 
誰が日本の森を救うのか2016』は、無事終了しました。
 
2016_5
 
いやはや、毎度多くの方に参加していただき感謝だが、とくに今回は遠方からの参加者に加えて女子が目立ったのだった。女子大生が何人もいた。しかも話してみると、実に熱心なこと。林業会社に入りたてとか、会社業務とは別に取り組みたいとか、さらに会社の業務として木材の価格を上げることに取り組みたいと決意表明してくださった木工会社の女社長さんまでいた。
 
 
さて私は私なりに話したいことを話したが、今回の主役は速水亨さんである。そこで、参加者の視線で感じたことを。
 
 
2016_3  
それは速水さんの「人はコスト」という言葉だ。
 
誤解なきよう。コストダウンを計るため、従業員の給料を下げたり、首を切ったりする話てはない。
コストになるのは、トップのやりたい方向性を理解していない社員・部下。彼らは無用なコストだ、という話なのである。手取り足取り指導したり、常に間違っていないか“監視”しなければいけない部下は、コストアップになってしまうのだ。
逆に、意図を察して(納得して)先に動く部下は、コストダウンにつながる。もっと言えば、社員全員が自ら動く組織は、コストを一気に引き下げることができる。
 
 
言われてみれば、日本的経営の模範とされたQC運動などは、社員が自発的に改革改善に取り組む運動だし、社員のやりたい目標が会社の目標と一致している時ほど力を発揮できる組織はない。
 
さらに言えば、ボランティアという名の労働は、メンバーのやりたいことが相手のしてほしいことに一致している場合に成り立つのであり、その場合は労働コストはゼロにまでなるかもしれない。
 
私自身も、やりたくない仕事は後回しするし、もっとギャラを高くしてくれたら真面目にやるけどなあと嘆くし、結果的に出来も悪い。が、やりたい仕事(取材)ならば、ギャラは必ずしもこだわらないし、時として経費を持ち出しにしてしまう。
 
 
そして、社員がコストアップにならないようにするには、何より全メンバーへの十分な情報公開をすることと、十分なコミュニケーションを取ることだろう。めざすところを納得してもらうまで話し合うのだ。仮に完全な同意はされなくても、すべきことを理解してもらう。そして協力してもらう。とくにトップが率先してこの二つを行わないとできない。
 
……ちょうど先日NHKのEテレ『知恵泉』という歴史番組で、江戸時代に備中松山藩の行政改革を成功させた山田方谷を取り上げていたが、同じことを言っていた。
莫大な借金を大坂商人に棚上げしてもらう策として、包み隠さず情報を公開して、納得のいく今後の施策を伝えたのだ。だから商人も藩財政改革に協力してくれたのである。
 
改めて「人はコスト」の次にアップがつくか、ダウンがつくか。
 
もはや林業論ではなくビジネス論なのであった。
 

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