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2016/08/11

林業家はヤンキーの虎になれるか

「ヤンキーの虎」を知っているだろうか。同名の本も出ている(藤野英人著)。

 
大雑把に言えば、地方経済の覇者だ。地域に根の張った企業集団で、これが現代の日本を支えている……とさえ言われている。
もっともその前に「マイルドヤンキー」がいる。地方に住んで、東京とか都会に出たいという上昇指向はなく、生れた地元で働き、家族・友人の人脈を大切にして(というか、自分の周辺の世界にしか興味がない)、週末はショッピングモールに行くのが楽しみ……という人種。ヤンキーと言ってもグレているのではなく、その性向が似ているというわけだ。
 
そして、そんな地元指向のヤンキーの勤め先を経営して束ねている経済人が「ヤンキーの虎」らしい。
 
実際に経営しているのは、コンビニや居酒屋、ファーストフードなど外食チェーン、土建業、パチンコ店、ガソリンスタンド、保険代理店、携帯電話販売店、不動産業、新車、中古車を問わないディーラー、観光、そして介護施設まで。
決して新しい業態ではないけれど、各地方に欠かせない業界を複数経営しているのだ。つまりコングロマリット。一見業種はバラバラではあるが、実は人脈・金脈、そしてユーザーなどは重なっていたりする。
トップは起業も次々と行う。リスクを取って、トップダウン経営を行う。
 
……何が言いたいのかというと、こうした地方経済の雄である「ヤンキーの虎」の経営戦略に、林業は加わらないかと考えたからだ。あるいは林業家がヤンキーの虎っぽい経営戦略を取る。
 
 
林業を産業として、あるいは一個の企業体として成り立たせるのは至難の業だ。投資(植林)から資金回収(収穫・伐採)まで50年くらいのサイクルで考えないといけない。これは今の経済界の概念から外れている。50年先の世界経済から市民の消費動向なんて予測できるわけがない。
しかし、逆に50年くらいのスパンで見ると、必ず儲かる時期があるのではないか。突然、木材価格が高騰したり、森林開発の必要性が生れたりするからだ。
 
地方経済を牛耳るヤンキーの虎の経営業界は、たいてい短期決戦型の業態だが、そこに長期サイクルの林業をポートフォリオ(複数の組み合わせ)として入れ込めないか……。すると、安定するはずだ。
 
この長期経営は世代を超えるから、通常の日銭を稼ぐヤンキーの虎が興味を持つかと問われれば首を傾げてしまうのだが……ならば林業家がヤンキーになるしかない!
 
すでに、ある程度の規模の林業家は不動産業を手がけるのは当たり前だし、某山林王はケンタッキーフライドチキンの代理店であることが知られている。介護施設とか土建業、携帯電話店を手がけるケースもよく聞く。なかにはアパレル系もある。昔は、林業家が百貨店や銀行までつくったものだ……。
 
そんな別業務で稼いだ短期利益を、山に投入してもらおうじゃないかv(^0^)。
一方で、短期の景気循環の荒波を支え、イメージ戦略を担うのが森林保有だ。
 
 
いかに林業を成り立たせるか、という議論があるが、林業を単体で考えると行き詰まる。副業とか複業を行う場合も、製材だ建築だといった垂直業態に広げるのはオススメできない。ポートフォリオによるリスクヘッジにならないからだ。
まったく別の業界に網を張る経営が、もっとも林業には向いていると思う。そして、関係ないように見える各業種をいかに森林とつなげて増幅効果を出せるかがポイントだ。
 
 
もちろん、根本は当の本人のビジネスセンスの問題に帰結するのだけどね。そして、短期に利益の出るビジネスが軌道に乗ると、多くの経営者は長期部門を切り捨てたがるのだけどね。
 
 
こんな経営論を考える、真夏の夜。夢に終わるか嵐(テンペスト)に見舞われるかハムレット……。

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