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2016/08/29

農大と農高の統合教育

そういえば、農林水産大臣が交代したのだった。

 
新農相は、山本有二氏。高知出身でとくに農林水産業に縁があるような経歴ではないが、就任会見で「農林水産業は産業として、持続可能かどうかの岐路に立っている」と指摘している。官僚のブリーフィングのおかげかな?
 
ちょっと目に止まったのが、公約で「農業大学・高校の一貫校創設」を掲げていること。「地方農村近郊都市にあり、全寮制、定員の半数は留学生」との考えを示している。
具体的には、農業大学といっても大学そのものではなく、道府県が設置している農業大学校であり、それと農業高校の連携させることを描いているようだ。大臣は、すでに検討に入る姿勢を示した。
 
農業大学校と農業高校の教える内容の違いは? と考えると複雑になるが、基本はどちらも農業の即戦力になる技術を教えることだろう。目的が似ているのだから、一緒にした学校をつくってもよいかもしれない。 
半分を留学生にする意図はよくわからないが、日本人学生には刺激になると思う。
 
 
どうせなら、もう一つ大学の農学部も視野に入れられないかと思ったりもする。農学と農業の乖離……という問題点を解決する一助として。
 
大学の教育は、理論と研究が主のはず。しかし、それが現場に還元されていないのが長年の課題だ。せっかく実験を重ねて、肥料成分の最適配合と散布……なんて公表しても実際の栽培では無視されていることが多い。逆に机上の空論も多いし。
 
 
同じことは、林業にも言えるだろう。
もはや林業高校は日本にはなく、林業系(森林系)のコースを持つ高校もごくわずか(風前の灯火)だけと、変わって林業大学校の設立が進んでいる。
 
が、私の知る限り、大半の林業大学校で教えている内容は林業高校と大きく変わらず、つまり目的は同じ現場の林業労働者の育成ではないか。そこに大学の林学科(森林関係学科)を入れたカリキュラムを入れてもよい。
 
林業の全体像を知る人材も欠かせないと思うのだ。現場の作業技術に加えて、生物学や森林生態学、土壌学……、そして長期的な視点の経済・経営などの理論面も知っておかないと、どこかで齟齬が出るように思う。
 
自分の農地で栽培を行うのが普通の農業と違って、林業では山主が別にいることが多いのがネックだが、むしろ山主に物申す人材がほしいし、行政もその体制づくりをバックアップしてほしい。
 
入学するのも、単に現場作業を身につけることだけを考えている人ばかりではなく、森全体を考える人、社会の中の林業を考えられる人……を増やしてほしい。社会人入学を意識した方がよいように思う。
 
その意味で、農業も林業も、高校・大学一貫校は悪くないかもしれない。
 

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

先日、某山主さんとお会いする機会があって、「地域の森林や林業に関係して生きている者の情報交流機会が全く無いので、力を合わせて何かしないとね。」という話をしていたところです。
それと、森づくりには経済的、科学的根拠基づく長期的な視点を持つことはとても大切なことだと思います。

林学と林業の乖離の以前に、理論と実践の乖離があるのかもしれません。理論に触れたくても触れる場がない、理論を橋渡しする人材がいない、というような。
ぜひ、山主と定期的に情報交流する場をつくってください。

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