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森と林業の本

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2016/08/12

生駒山のナラ枯れ新局面

今日は某番組製作の方が訪ねてきたので、我が応接間ラッキーガーデンに。

 
話は林業のことだったのだが、つい目に入る外の景色は、紅葉の進む生駒山と矢田丘陵。もちろん、本当の紅葉ではなく、ナラ枯れによって枯れたナラ類の葉が赤茶けていることだ。
 
それが半端なく広がっている。店の窓から見下ろす形になる矢田丘陵は、ほとんどモザイク状に赤く染まっていた。そして話は自然にナラ枯れに。
 
生駒山にナラ枯れ、つまりカシノナガキクイムシが侵入して立ち枯れを目にしだしたのは、だいたい3年前。生駒山地の北部から始まった。それがどんどん広がり、昨年当たりがピークかと思わせるほど枯れた。
 
逆に言えば、それで盛りを過ぎて終焉してくれれば……という期待もあったのだ。
 
しかし、どうやら今年は昨年より勢いが増しているよう。まだ全容はわからないにしても、枯れ方は昨年より激しいような気がする。とくに矢田丘陵に広がった。
 
 
それで思い出した。先日の森歩きで見かけたナラ枯れ。
 
4
 
あきらかに細い木にもカシナガは侵入しているようだ。写真の木は、まだ根元の太さ10センチを超えているからカシナガ罹患もありえると思うが、もっと細い木もやられている。昨年までは大木中心だったのと比べると、今年は中径木へと被害を広めている。
 
カシナガも、いよいよ理想的な大径木のフロンティアがなくなってくると、これまで手をつけなかった細いコナラにも歯牙にかけ始めたか……。
 
こうなると、生駒山系のコナラ林は、行きつくところまで行くしかないね。最後に寄生するナラ類がなくなってカシナガが自滅するのを待つしかないのだろうか……。そして、生き残った耐性のあるコナラ類が再び広がることに期待しよう。
 
 
ちなみに、ナラ枯れ問題で番組をつくれないか? 林業を扱うよりオモシロくなるかもよ(⌒ー⌒)。

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生駒山中・身近な自然」カテゴリの記事

コメント

時々コメ書かさせていただいてます、amenです。
すでに既知のネタかもしれませんが、某備長炭先端地の県担当者の方が、ウバメガシの被害を憂いておりました。小径木なのに被害が出るんですねと、応じた記憶があります。2年ほど前の話なので、その後、どうなったことか。
以上、小ネタです。

ウバメガシもカシナガの対象になるとは言われますね。もし、細くても侵入するとなれば、ちょっと危機かも。備長炭に適したウバメガシが激減する可能性があります。

現在はどうなっているんでしょう。まずはナラ類かな。

初めまして。毎朝ウォーキングで見ている生駒山で突然季節外れの「紅葉」が広がったのは7月初め。
でも、このホームページ以外にはそれにふれたニュースもウェブも見当たりませんでした。
生駒山は大阪側・奈良側を問わず下から山頂まで、さらに矢田丘陵や個人所有の雑木林にもどんどん広がっていきました。

自然の摂理でおさまるのを待つしかないのかもしれませんが、景観の問題だけでなく、生態系が大きく変わったり、倒木による事故が起きる心配も出てきました。
奈良県・大阪府、生駒市はどう考えているのでしょうか?

生駒山のナラ枯れ。あんまり話題になりませんねえ。京都の大文字山が枯れたときは騒いだのに。。。。
 
私が一人発信し続けているのです。
 
行政は基本的にお手上げでしょう。生駒市は、かつて予防のためのビニール巻いたりしていたけど、今はあきらめたみたい。ただ道路・遊歩道、公園、人家そばなど枯れた木が倒れたら被害が出そうなところだけは伐っていますが、それも伐るだけ。伐った幹や残した切株からカシナガが大発生しているのになあ。

ナラ枯れ被害に対し、唯一成功している防除は一つだけです。
私は今まで森林組合や県にも連絡をしましたが相手をしてくれません。
マツ枯れは薬剤の効果はありますが、ナラ枯れに関して成功した事例もないのに、いつまでたっても効果の出ない事ばかりを無駄な費用をかけてしています。
またシートは確かに防除になりますが、全ての木に巻けば良いという事でしょうか?
そんな訳にはいきません。
巻いた木は守られたとしても、隣のシートを巻いていない木にカシナガがつつくだけです。
何もわかっていません。
カシナガとナラの木は古くからのつきあい。
何故ナラ枯れが起きたのか、本当の原因がわかれば答えは見えています。
カシナガの習性、木の特性
答えは一つしかありません。
私は奈良県へ連絡しても無駄だと感じましたので、個人的に被害を受けている場所へ足を運び、ようやく生駒市のお寺で了承を頂きましたので、来年の5月に向け走り出します。
そのお寺では必ず防除に成功しますので、そのお寺から生駒市全域に発信できる事を狙っています。

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