昨日に続いて林野庁の話題をもう一本。
林野庁が、来年度(平成29年度)予算概算要求を財務省に提出した。要求総額は3436億3800万円で、対前年度比17,2%の増。
ま、これは要求であって、どれだけ通るのか知らないが……なかに面白い項目がある。
国有林を活用した外国人客の誘致に乗り出すというのだ。地域活性化のための観光資源として森林に、外国人客の受け入れ態勢の整備を進める関連事業費を盛り込んでいる。
自然環境に関心がある客は富裕層が多いとされているから、金が落ちると見込んでいるんだな。
具体的には、森林浴などに適した「レクリエーションの森」(全国に1075カ所)からモデル地区を選ぶ。そして、自治体が外国人客向けの森林浴や野外スポーツを楽しめるよう、多言語のホームページやパンフレットなどを作ったり、ガイドを伴ったハイキングやスキーツアーなどを催すことを、支援する……。長期滞在を視野に入れたプログラムの立案もするらしい。
この中に森林セラピー基地なんかも入ってくるんだろうな。
ちなみに昨年の訪日客数は1974万人(暫定値)で、2020年に4000万人とする目標を掲げている。これに乗らない手はない!……ようするに、インバウンド目当てなんだが、林野庁がやることか(笑)。
これって便乗だろうなあ。世間で持て囃されている外国人誘致にいっちょかみするか、という、予算獲得の技だろうか。
でも、あくまで国が出すのは宣伝費や立案に「支援」だけ。施設の整備等は自治体にさせるわけだ。
しかし、森林散策に外国人が来ても、お金を落とさせるにはさまざまな仕掛けが必要だ。
もともと森歩きは安上がりな観光なのである。自然環境に関心のある客が、豪華なリゾートに泊まりたがるかどうかも疑問だし、物欲が弱くてお土産もあんまり買ってくれないかもしれない(笑)。ガイドだって、養成にコストがかかるだけかもしれない。
「自然環境に関心がある」というのは、実は意識が高いことであり、金払いがよいことではない。むしろ質素なんじゃないだろうか。
以前奈良のゲストハウスに泊まっていた父娘のフランス人に会ったことがある。父の職業は金融関係で金はありそうだった。しかし、二段ベッドのゲストハウス。ただし長期滞在で古都を堪能しようという旅立った。まだ幼い娘同伴というのがそそる。
意識高い系の外国人は、無駄にお金を使わないのだ。
いっそ、「森林の空気」代、「森林の水」代を取るか。。。いっそ原野商法のように、外国人に水源林を売り飛ばした方が金になると思うよ。
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