滋賀県と長浜市が、「ながはま森林マッチングセンター」を設置したという情報に接した。
なんだ、これは。。。
滋賀県の北部に位置する長浜市は、県内最大の森林面積を有するが、都市住民の山村への移住や定住を促進するのが狙いなんだそうだ。
プレスリリースから引用すると、
「豊かな
森林資源や多様な地域資源と、都市側のニーズをワンストップでつなぎ、新たな交流
や移住定住、就業機会の促進や産業の創造を支援する」という。
……さっぱりわからん。
検索してみると、いっぱい出てきた。独自のサイトもあるし、フェイスブックにも開いている。開所の新聞記事もいっぱいあった。……それなのに、わからん。
新聞記事を書いた記者も内容が理解できていないと思わせるが、ようするに中身がないのではないか? さらに引用すると
【業務内容】
利用可能な森林や空き家、遊休施設などの資産情報及び移住や就業・起業の希望者などの人的情報を一元的に調査収集し、地域内外に発信するとともに活用希望者に対してコーディネーター及び地域アドバイザーによるマッチングを行い、交流や
定住、仕事づくりにつながる支援を行います。
誰か、解読してくれ(笑)。結局、何をするんだ。具体例が何もない。
森林が欲しい人が現れたら売りたい森林所有者を斡旋してくれるのか。すると全国各地に設立されたものの、ほとんど機能していない「空き家バンク」と同類のものなのか。(多くの空き家バンクは、登録した空き家のストックがほとんどなく開店休業状態だという。)
仮に都市の依頼者個人が「ただで森を借りて遊びたい」ケースでも斡旋してくれるのだろうか。森林ボランティア団体や野外活動団体が、活動に使える森林を探しているケースならいいのかな。
【効 果】
ながはま森林マッチングセンターを通じて、山村で働きたい、暮らしたい、起業
したい将来性のある人材を募集・発掘し、活用可能な資源や資産とマッチングさせ、
新たな就業や起業への支援を行うことで地域の担い手や産業の育成が図られます。
他人事な書き方だなあ。意欲的に人材を発掘したり、起業してもらおうという熱意が感じられない。プレスリリースなのに、作成した当事者は「俺は知らんが、こんなこと役所が言ってるぜ」的に読めてしまう。いよいよ謎は深まるばかり(*_*)。
実際のところ、センターは森林組合などが今年6月に設立した協議会が運営するのだそうだ。オープンは、週に3日間。コーディネーターには、元県職員と地元の森林に詳しい住民10人程度が当たるという。
地域振興につながるマッチングを考えているのなら、
・先に自由に使える森林を用意して、それを利用して起業する人を募集する。
・森林を欲しがっている企業や資産家に、森林を売りつけるビジネス。
・森林による起業計画をコンサルティングし、県や市の許認可を請け負う。
こんな事業はどうだ……無理か(笑)。
笑ってしまいました。同じ感想を持たれたのだと。
この事業は結局は地域創成なにがしの交付金の使い道を考えた結果だと推察しています。地域そうせいの「そうせい」の字がどんなんだったのかももはや分かりません。
林業地を所有している人たちに本気度がない限り林業など成り立つはずがないのです。それでも林業を成り立たせたいならば、林業地を本気度のある人に移すしかありません。それをしない限り、何の変化もないでしょう。日本が鎖国しない限りは。
投稿: フジワラ | 2016/11/13 09:48
理念はともかく、まったく本気度が伝わってこないですからね。
下手すると天下り先?になるだけ。
もし関係者が読んで、怒り狂って連絡をくれるといいのだけど。本気度、見せてください。
投稿: 田中淳夫 | 2016/11/13 10:24
相変わらずの「予算消費型」の事業っぽいですな~(^^;)
しかし、これって、海外からの融資などにも対応するのかね?
(^^;)
そういえば、またまた「あの話」がネットTVニュースに・・・
住民からは不安の声も…外国人に買われる日本の国土、水資源
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161116-00010000-abemav-bus_all
・・・中身がまったく以前と変わらない(爆)これ書いた記者、
どっかからコピペしたのではないだろうか?(苦笑)
しかし、トランプ大統領(仮)といい、排外的な空気には
辟易しますが、心配度が上がってきました・・・
投稿: 元関西にいた男 | 2016/11/18 00:12
そうか! 某国の「日本の森を買いたい」人に紹介すればいいんだ(^o^)。きっと双方から喜ばれるよ……?
投稿: 田中淳夫 | 2016/11/18 09:44