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2016/11/10

『幻の大統領』と『オトナ帝国の逆襲』

久しぶりに奈良市の書店を覗いたら、まず目立ったのが「トランプ本」。

出入り口近くにコーナーが設けられ、結構な数のトランプ次期アメリカ大統領関連の本が平積みされている。
当選が決まって一日だから、大馬力で書店子も棚をつくったんだね。。。。(~_~;)。
 
それを眺めつつ、私ならどんな本を置くか考えた。というか、トランプ本人の本ばかりじゃ面白くない。もっと意外な本、一見関係ないが、根底でつながっているかに思える本もチョイスできないか。
 
そこでイの一番に思いついたのが、『幻の大統領~ヒューイ・ロングの生涯』(土田宏著 彩流社)だ。もう30年以上前の出版と思うが……。
 
Photo
 
私が、アメリカ大統領選挙の序盤でトランプが台頭してきた際に、まず想起したのは、ヒューイ・ロングとの相似性だった。
ロングは、1920~30年代に、ルイジアナ州知事や上院議員を務めつつ、フランクリン・ルーズヴェルトの2期目のライバルとして立ちふさがった政治家で、もしかしたら大統領になったかもしれない男である。
 
これがまあ、富の再配分など大衆ウケのする政策ばかりを口にして、またそれを推進した。過激な言葉をまき散らしつつ、州知事時代は大企業に重税を課し、庶民向けの政策にバラマキを行った。だから絶大な人気を誇ったのだが、財政を大幅な赤字にしてしまった。同時に裏社会と通じて金と暴力で政界や司法を牛耳り、独裁色も強かった。また外向には興味を持たず、国内だけに眼を向けていた。
もし大統領になったら、ナチスと結んだかもしれないと言われ、そうなると日本も含めて第2次世界大戦に参戦しなかったかもしれない。
 
下品で、ポピュリストで、国外より国内指向で、一見貧者の味方に見せかけつつ金に汚くて、……誰かと似ていないか? トランプの先駆者と思わせるし、思想や大衆煽動などの世相を知るには読む価値はあるだろう。
 
 
さらに『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』も置きたい。
これ、本じゃなかったか? まあDVDでもいいや。 
 
Otona0501 こちらは、ネットで拾った画像。
 
どこがトランプと通じるか。「アメリカを再び偉大な国に!」というキャッチフレーズは、未来よりも過去の栄光を懐かしみ頼るタイプに思えるからだ。
だから、このアニメの“20世紀の高度経済成長時代を懐かしむオトナを操ろうとする秘密結社「イエスタディ ワンスモア」の陰謀”……というところが、トランプさんに近い気がする(笑)。
 
ほかにもいくつか作品を思いつくが……すぐに「首を刎ねろ!」というセリフを連発するハートの女王やジャックなどトランプが登場する『不思議の国のアリス』とか……(^^;)\(-_-メ;)。
 
書店も、こんな意外感?おバカ感?を漂わせた選書をすることで、幅広い作品を売っていく戦術もありだと思うのだが。
 
 
ちなみにトランプ現象を私なりの見立てをすると、複雑系から単純化、というタームを思いついた。
 
世の中複雑になりすぎた。それを一部の人しか、いや誰も全体を見渡せなくなり社会のオペレーティングが上手くできなくなった現在、、面倒で複雑な思考は停止させて単純化させる方向に向かおうとしているのではないか、という仮説だ。
 
複雑な社会をなんとか解きほぐして理解しようとするのではなく、理解できる範囲に単純化する。それが事実かどうかは関係ない。複雑な問題も、力でぶった切ればいいんだ、そうしたら解決するという願望かもしれない。
そして単純化してわかった気にさせてくれ、解決をを示す人にすがる。それは「世の中は複雑なんだよ」としたり顔でいう(そして、私は理解できると自慢する)人々に対する当てつけであり、復讐でさえある。複雑な社会をつくった輩、複雑な社会で利益を得ている奴をぶった切ってやるのだ。
 
だが復讐の結果は、しばらくすると自らにもふりかかるだろう。 
 
 
ちなみに重要なことを忘れていた。この書店には、拙著『森は怪しいワンダーランド 』が置かれていたのだ! なんと、奈良の書店で見つけるのは、これが最初である(泣)。。。
 
ちなみに『森は怪しいワンダーランド』は、私が過去に訪ね歩いた森の話だ。そこで遭遇した不思議な出来事や仰天した事件、切ない出会いと別れ……などを描いた。多様で複雑な森林の世界を、理屈で理解するのではなく、笑い飛ばそうという意図で書いた。ある種、「昔は楽しかった」と過去を懐かしんでいるのだから、トランプ関連本に入らないか? そんなアホな。。。(笑)
 
006
 

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