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森と林業の本

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2016/11/15

ドングリの根から考える

今年、タナカ山林で拾ったドングリ。

 
それを何気なくベランダのプランターやポットに転がしておいた。来春に芽吹けば、また山に移植してもいいな、ぐらいの気持ちで。
 
002
 
 
が、先日ベランダを片づけている時に、並んでいるポットが邪魔になった(~_~;)。
そこで大きめのプランターにひっくり返して整理した。
 
するとびっくり。
 
001
 
こんなに根を伸ばしていた。芽は出ていないから春まで休眠と思っていたが、根はすぐに伸ばすのか。しかも、かなり長いし太い。秋に落ちたドングリ(アベマキだと思う)が、すぐに地面に根付いて春を待つのであったか。
 
あわてて埋めもどす(^-^;。
 
 
 
以前、森林にとってどこがもっとも重要な空間か、と考えたことがあった。
地上を歩いて森を見ても、本当の森林世界は理解できないのではないか、という思いを持ったのだ。地上から見えるのは、地面、そこに映える灌木と草類、そして樹木の幹だ。それも低いところだから、枝もあまり目にできない。葉も手に取りにくい。樹冠は見上げるばかり。
 
結論は、樹上と根系であった。
 
樹上にこそ、葉があり花が咲き、実を付ける。光合成という物質生産も、受粉等の次世代をつくる生殖行為も、樹上にある。多様な生態系が花開いているのは樹上なのだ。
一方で、地中に伸びる根が水分と栄養素を吸収するのであり、土壌こそ森の基盤である。そこには無機質ばかりではなく、菌類の菌糸が縦横無尽に伸び、膨大な微生物が育まれている。森林生態系の原点はここにあるはずだ。
……そう思って、樹上探索に憧れた。そしてボルネオで行われていた樹上研究の場にお邪魔したりして、それなりに感じることができたのだが……地中はまだ手つかずだ。根は重要性は感じつつもなかなか目にできない。
 
最近は、地中レーダーで土壌を掘り起こさずに根系を観る研究も行われているが……。
 
 
ドングリの根からここまで連想したのであるv(^0^)。
 
 

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