天皇・皇后両陛下が、長野県阿智村の満蒙開拓平和記念館を訪問されたことがニュースになっていた。
お二人のお年を考えると、なんと精力的な、と感じてしまうのだが、この「満蒙開拓平和記念館」には、私も訪れたことがある。
そこで見た満州や内蒙古への開拓団の記録は、たしかに胸打つものがあったのだが、ここでは別のことを。
正直、田舎の村で、さほど目立った観光地でもない。そして貴重な記録とはいうものの、正直暗いテーマである。ふらりと寄って見学するには向いた施設ではない。建てたものの閑古鳥で、下手すると、維持費に大きな負担となって、村を圧迫するのではないか……。
だが、意外なほど訪問者が多かった。平日なのに、人の流れが途切れないほどなのだ。
その仕掛けは十分に把握できないものの、この記念館の存在と貴重な記録があることをしっかりと発信していることを感じた。ここには後世に伝えるべき事実があるのだ、という運営側の迫力がある。訪問者も、どうやら団体客が多いようで、学校や各種の団体に広報しているのだろう。
そして、この建物も特徴的だ。
柱は、長野県南端にある根羽村の根羽杉を使っているそうである。
小さな自治体にある、この種の記念館の中では、出色の出来だろう。
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