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2016/12/07

熟成木材って何?

JVCケンウッドが、独自のウッドコーンを搭載したスピーカーシステム2機種を発表した……というニュースに接した。
 
 
正直、音楽にも、オーディオ機器にも縁がないというか、知識も興味もないのだが、ちょっと引っかかった言葉がある。「熟成処理」である。
 
新たに盛り込まれたのは、木材を人工的に熟成処理するというもの。
「長年愛用された楽器や使い込まれた木製スピーカーが音質的に優れた特性を持つことは広く知られている。これは時間とともに木の構成成分が部分的に変質し、異方性が高まることに起因していると考えられている」
 
そこで、人工熟成処理」を施した。というのだ。すると経年木材に近い音場空間の拡大や解像度の向上、低音の重厚さの改善、臨場感の向上といった効果が期待できる、らしい。
「数種類ある響棒の中で前方に広い音楽空間を再現するのに一番効果の高いウーファーユニット下のチェリー響棒に処理を施した」 ともある。
 
音響関係の言葉はさっぱりわからん(^^;)が、ちょっと興味を持った。牛肉でも熟成肉というのが人気を呼んでいるし……。
 
 
木材は単に生か、乾燥させるか、だけではないようだ。経過変化という別の変化があるのだ。
そして人工的に経年変化を引き起こすことが可能という点に。単にエイジング処理、つまり見た目を古くするのではなく、木材の質そのものを変えるらしい。
 
調べてみると、どうやらヤマハが開発した「A.R.E.」(Acoustic Resonance Enhancementの略)という技術らしい。短期間で木材を熟成させ、長年使い込まれた楽器のような鳴りを生み出す木材改質技術なのだそうだ。
 
言われてみればバイオリンなどは、製造後200年、300年を経たものが名器と称されるが、なぜ古いバイオリンの木材はいい音が出るのか。
 
木材は古くなると、セルロースが結晶化して木目の方向に硬くなっていく。ヘミセルロースは減少し、木の厚みの方向にずれ易くなる。つまり木目方向に硬く、厚み方向に柔らかくなるという変化がある。
 
これが弾いた瞬間のレスポンスが良く、低域が伸び、高域が速く減衰するという。
ちなみに感覚的な“いい音”とは、バイオリン奏者によると「落ち着いた」「音が太い」「熟成された」「暖かい」「粒立ちが良い」といったもの。ますますわからん……(涙)。
 
 
結果的に、若い木材を金属製圧力容器の中で温度や湿度を管理しつつ圧力を段階的に変化させると、古い木材と同じ状態になったそうである。とくに薬品を使うようなことはしない。
 
今では、この処理を施した木をバイオリンをはじめ、アコースティックギター、エレクトリックベースなどの木製楽器、またステージの床材にも採用されているそうだ。
 
 
しかし、気づいたのだ。音のよい木材という方向性に。
 
これまで木材に薬品を注入して不燃化させたり耐朽性をつけたり、圧縮して強度を増したり……といろいろな機能化木材が登場しているが、それは木材の特徴を消して木でなくなるようにした加工だ。
それではなく、木材の特徴を活かした方向性を考えてみないか。
 
柔らかくて曲げやすい木材とか、触感の素晴らしい木材とか、調湿性の高い木材とか。木の香りを高める、断熱性能を高める……いっそ、すぐに腐ってなくなる木材、瞬時に燃えてしまう木材なんてのも。
木材の欠点を押さえつけて消すのではなく、長所をもっと強調するような改質木材を考えるのだ。  
 
単に燃えない木材をつくったら、「だったら鉄骨かコンクリートにしたらいい」となるが、木材ならではの特徴をより強調すれば、より木材ファンが増えるかもしれない。
 

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