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2017/01/25

360度カメラで森林情報

四国森林管理局では、2017年度から国有林の森林内の様子を「360度カメラ」で撮影して画像をホームページに掲載を始める計画だそうだ。
 
なんのことやら、と思うが、360度、つまり全方位を撮影できるカメラで国有林を写して、それをパソコンやタブレット、スマホなどでも見られるようにする。画面をいじれば、好きな角度から森林を眺められるうえ、部分的に拡大もできることになる。
単なる森林風景ではなく、樹木の様子を見ることができるはずだ。グーグルマップのストリートビューみたいなものか。
 
なんだか楽しそうだが、何も森を眺めて遊んでください、というわけではなく、これは国有林の立木販売を検討している業者への情報提供を目論んでのことらしい。
 
最近、国有林でも素材販売だけでなく立木販売、つまりまだ生えている樹木のまま売り飛ばす……語弊あるか、ようするに伐採搬出は自分でやってね、という販売方法を取ることが多くなったようだが、そうした木材購入の場合は、樹木の状態を確認するのが難しい。
いちいち山を歩いて1本ずつ確認するのは難しいからだ。
 
立木販売推進に向け、木材購入を検討している業者に分かりやすく情報提供し、落札率を上げようという魂胆である。
 
さて、効果のほどはわからないが、こうした情報提供は重要だろう。現物を見ずに購入する,文字通り山師か博打のような売買が少し真っ当になる。
できれば画像だけでなく、1本1本の履歴も記せたらいいのだが。なかには銘木が発見できるかもしれない。画像から、どの木がどんな木目を持つか読み取って、入札するような業者が出てきたら、それこそ博打ではなく真剣勝負にならないか。
 
 
これまで国有林は、木材の質を考えずに十把一絡げで量の売り方が目立ったが、 多少とも質の売買を進めてほしい。その方がお互いの収益が上がるうえ、木材の見る目や売買のモチベーションも高まるよ。
 
それとは関係ないが、高知県は国産のCLTの輸出も考えて、まず台湾の調査を始めるようだ。なかなか攻めの姿勢があってよろしい。その計画が成功するかどうかは置いておいて、県内で生産したCLTを国内市場だけをターゲットに売りさばこうとしていたら、絶対行き詰まると思うから。
 
小さなことからコツコツと。何事もイノベーションだなあ。四国は頑張っているのかも。

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コメント

林道や作業道をストリートビューの車が通るということでしょか? ドローンでもっと高密度の画像が撮れれば面白いと思うのですが、そこまでは行かんでしょうね。。。

まだ始まっていないのでなんとも。

ただ立木買いをうながすのだから、森の中に入り込んで撮らないと意味ないと思うのですが。

先日、車載用LiDARが強烈に小型化低価格化中という記事を見かけました。
2017年度から開始ということは、2、3年ぐらい試験運用してそこそこ需要/効用があることを確認して、その頃にはドローンに積めるようになるから本格運用、というシナリオでは?
その頃にはVRも実用化/普及してるし、とか企画書に書いてあるのでは?笑

おそらく、そんな大がかりなプロジェクトではなく、四国支所が手軽に試みよう、というレベルだと思いますよ(笑)。

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