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2017年1月

2017/01/31

豊後大野のバイオマス発電所

友人のカメラマンが空撮してきたと、バイオマス発電所の写真を送ってくれた。

 
_dsc2754
 
これは大分県豊後大野市のエフオン豊後大野発電所。意外と空から見たバイオマス発電所の写真は目にしたことがないから貴重かも。
 
ちょっと大きくしてみると。
 
_dsc2772
 
ソーラーパネルも周辺にあるから、太陽光発電も兼ねるのであろうか。
 
 
ちょっと調べると、設立したのはファーストエスコ社である。すでにエフオン日田発電所を開業しているそうだが、今回は豊後大野市の大野郡森林組合の隣に設立したとのこと。総工費80億円だ。
 
ただ出力が1万8000キロワット級である。年に21万トンの木質チップが必要らしい。これ、国産材で賄うとのことだが、全部未利用材かどうかは確認していない。一般木材も入れるにしても、莫大だ。
しかも豊後大野は、内陸部である。輸送を考えると大変だ。本当に集まるのだろうか。
 
ちなみに日田の方は、1万2000キロワット。さらに大分県には佐伯市に5万キロワット級のイーレックス佐伯発電所がオープンしたばかり。こちらは輸入のパームヤシ殻を燃料にするそうだが……。
 
 
まあ、頑張ってください\(^o^)/\(-.-)/。。。(オテアゲ)
 
 

2017/01/30

Yahoo!ニュース「知られざる林業危機……」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「知られざる林業危機を支えたネットの力 」を執筆しました。

 
この元となるブログ『吉野の杣人奮闘記』
 
この記事は、私も早い時期に目を通していたのだが、ものすごい早さでシェアが繰り返され、ネットニュース(BuzzFeed Japan)でも取り上げられ、それがまた拡散していたので、私の出番はないだろうと静観していた。
 
だが、メーカーが吉野に来て走行実験を行うことを聞いて、気になっていたのだが、「でも結果が悪かったら記事にならないし……」とまた静観していた。なんて慎重なボク(~_~;)。
 
そこに試験車両をつくることになった、という情報がもたらされたことで、よし、と動き出したわけだ。
 
で、写真をいただけるようお願いしたのだが、届く前に書き上げてしまい、書いたら書いたで、すぐにアップしたくなり、見切り発車的に本日の午前中にアップしたわけ。
それから出かけていたのだが、その間に写真が届き、改めて写真付きの記事にしました。
 
こうして随時追加とか訂正ができるのもネット記事のよいところなのだよ(⌒ー⌒)。
 
ちなみに、記事中の「ヒノノニトンだけあって、トントン拍子」というのは、情報を提供していただいた奈良県庁の某氏のメールからのパクリである(笑)。

2017/01/29

南極の木造建築物

テレビを見ていたら、今年は国産の商業アニメ誕生100周年なんだそうである。
日本のアニメは、今や世界をリードする存在だが、その登場は非常に早かったわけだ。
 
ついでにいうと、今年は土倉庄三郎没後100年でもある。(昨年は100回忌)
 
どうも、今年は何かとキリのいい記念年らしい。
 

とくに今日という日は、南極の昭和基地60周年らしい。1957年1月29日に昭和基地は開設されたのである。

 
マスコミに南極がよく登場すると思ったら、そのためだったのか。
 
 
で、大阪では「南極建築」という展覧会が開かれていた。LIXILのギャラリーで行われた小さな催しで、正直、ちゃっちい(~_~;)ものだったが、南極基地(昭和基地だけでなく、各国のものも含む)の建築に焦点を当てるのは面白い。
 
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展示は、写真パネルのほか、隊員の服装や装備、模型などだが、その展示棚は合板製。
実は、南極基地は多くが木造建築だ。なぜなら極寒の地だけに金属はおろかコンクリートも使えないのだ。マイナス50度なんて世界に置かれたら、結露するうえ凍結してすぐに劣化してしまう。その点、木材は強いのである。
 
そういやマイナス162度に冷やして液化したガス(LNG)を輸送するタンカーのタンクも、木質の断熱材料を使っているそうだ。極低温にも強いのである。含水率をゼロにしたら、冷やすほど強度が増す性質がある。
 
 
5
 
展示されていた木質パネル。つまり合板だが、日本で初のプレハブ工法が使われたのは南極の昭和基地だった。この合板の中には発泡スチロールが挟まれているらしい。ちなみに外側はガルバリウム鋼板。
 
 

2017/01/28

紀伊國屋書店における拙著の扱い

大阪梅田のグランフロントに行った際、そこに入っている紀伊國屋書店に寄った。ここは、わりと専門書の割合が高い。

 
で、行けば森林コーナーを覗くし、そこに拙著があるかも確認してしまう。
 
2
 
なかなかの品揃い……だが、拙著は?  ええと。ええと。あった!
 
下から2段目だ。何があるか、わかりにくい?
 
3
 
おお、もう在庫がないと思われた『日本人が知っておきたい森林の新常識』があるのもありがたいが、『樹木葬という選択』があった。これを森林の分類に入れてくれるのは嬉しい。たいてい冠婚葬祭コーナーが多いからだ。内容、わかってるじゃん! この本は、基本的に森林の本なのだよ。森を守る樹木葬なんだから。
 
でも、最新刊の『森は怪しいワンダーランド』は? ないのか。。。。
 
思わず店内を検索してみる。
 
ありました。ここに分類しているとは。
 
4
 
精神世界の棚。。。もっとも下の段を見てほしい。
 
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ま、「怪しい」本なんだけど。。。内容、わかっているのか? それにしても周辺の本は、タイトルを目にするだけで楽しい(^o^)。「霊現象」とか「光る樹」とか「スピリチュアル」「魂の探求」「見えない世界」……。
 
 
ちなみに紀伊國屋書店梅田本店では、『森は怪しいワンダーランド』もちゃんと森林コーナー(というか環境や林業本コーナー)に置かれていた。まだ平積み5冊ほどありましたよ!

2017/01/27

ツタで林床マルチ?

大阪城公園で見かけた景色。

 
1
 
林間の見通しがよく、美しいが、林床を埋めつくしている緑はなんだ?
 
Dsc_0335
 
これは……ツタ?  しかし建物の壁面に延びるツタは落葉性だし、これは常緑性のセイヨウヅタ、いわゆるアイビーか。。それを樹木に登らせずに林床に拡げるとは……。
 
ちょっと不思議な気がして調べると、なんとツタはブドウ科ツタ属だが、アイビーはウコギ科キヅタ属であった。つまり、全然違う種類。
 
しかもキヅタそのものは在来種にもあり、アイビーはセイヨウキヅタ(ほかにオカメヅタ)。
写真の植物がどちらか区別がつかないのだが、なんとなく外来種ぽい。
 
いずれにしろ林床に這わせるとは、面白い。写真のようにできたら、林床の雑草を防ぐマルチ効果があるではないか。ツタをグランドカバーにできるのなら、庭や公園、さらには休耕地も面白いと思うのだが。
 
ただ普通に考えると、立木に巻きついて登っていくのではなかろうか。そうなると立木が枯れてしまいかねないから、そこはしっかり世話をして、登らせないように管理しているのかもしれない。それはそれで手間かもね。
 
 

2017/01/26

書評『山のきもち』は性善説?

書店で見つけた本。

 
山のきもち 森林業が「ほっとする社会」をつくる』(山本悟著 東京農大出版会刊)
 
Photo
 
目次を見ると、林業から始まって、木材産業から木造建築、まちづくり、山村ビジネスに木の駅プロジェクト、里山、森林ボランティア、田舎(山村)移住、森のようちえん、林業女子、そして森の歴史と文化……と実に広く網羅している。
そのテーマは、私が手がけようとしている「森林ジャーナリズム」と範疇と非常に重なっていると言えるだろう。
 
だから興味を持って手にしたのだが……読み出して妙な気分になった。
 
一見、私と同じ興味を持って対象に向かい合ったように見えて、なんだか見事に違うのだ。
 
たとえば自伐林業、バイオマス発電、国産材輸出、CLT、林業教育……などの紹介は、手放しの「希望」として描かれている。
 
説明は難しいが、目次の一部を見れば雰囲気がつかめるか。(目次は相当ページ数あるので、この見開きだけにしておく。)
 
Img001
 
今や日本の森は宝の山!と、どこかで聞いた言葉がこだまする。いわば性善説による森林事情?  (逆に言えば、私が感じる森林事情は、いつしか性悪説視線になってしまっているのだろうか……。)
こんなに日本の森林は希望にあふれていたっけ?バイオマスが山村を救うのか? 大型製材工場が流通を改善したのか? 自伐林業が儲かるのか?
 
一応、第3章に「課題を考える」が設けられていて、林業が直面する問題点は紹介されているのだが……ここでも問題解決の糸口はあるように読めてしまう。゛
喫緊の課題だとして、低コスト化に機械化、安定供給に路面整備、齢級構成の平準化の再造林だとか、人材育成に林業大学校の設立だとか……なんか林野庁のお題目のオンパレードか。
 
別に内容が間違っていると指摘するわけではない。事実関係はきっちり取材されている。私の取材先とかなりだぶっているし、私の知り合いもかなり登場する。ただ解釈というか、裏の読み方が私と違うだけだ。
 
読後感としては、「里山資本主義」と似ている。ま、そういう本だ(^o^)。
 
 
ちなみに著者は毎日新聞の記者。それにしてもほとんど1年で全国を取材して回ったようだ。羨ましいな。交通費だけでも100万円を優に越えるだろう。林野庁職員にデータ収集してもらった、とあるが、これは羨ましくない(笑)。
 

2017/01/25

360度カメラで森林情報

四国森林管理局では、2017年度から国有林の森林内の様子を「360度カメラ」で撮影して画像をホームページに掲載を始める計画だそうだ。
 
なんのことやら、と思うが、360度、つまり全方位を撮影できるカメラで国有林を写して、それをパソコンやタブレット、スマホなどでも見られるようにする。画面をいじれば、好きな角度から森林を眺められるうえ、部分的に拡大もできることになる。
単なる森林風景ではなく、樹木の様子を見ることができるはずだ。グーグルマップのストリートビューみたいなものか。
 
なんだか楽しそうだが、何も森を眺めて遊んでください、というわけではなく、これは国有林の立木販売を検討している業者への情報提供を目論んでのことらしい。
 
最近、国有林でも素材販売だけでなく立木販売、つまりまだ生えている樹木のまま売り飛ばす……語弊あるか、ようするに伐採搬出は自分でやってね、という販売方法を取ることが多くなったようだが、そうした木材購入の場合は、樹木の状態を確認するのが難しい。
いちいち山を歩いて1本ずつ確認するのは難しいからだ。
 
立木販売推進に向け、木材購入を検討している業者に分かりやすく情報提供し、落札率を上げようという魂胆である。
 
さて、効果のほどはわからないが、こうした情報提供は重要だろう。現物を見ずに購入する,文字通り山師か博打のような売買が少し真っ当になる。
できれば画像だけでなく、1本1本の履歴も記せたらいいのだが。なかには銘木が発見できるかもしれない。画像から、どの木がどんな木目を持つか読み取って、入札するような業者が出てきたら、それこそ博打ではなく真剣勝負にならないか。
 
 
これまで国有林は、木材の質を考えずに十把一絡げで量の売り方が目立ったが、 多少とも質の売買を進めてほしい。その方がお互いの収益が上がるうえ、木材の見る目や売買のモチベーションも高まるよ。
 
それとは関係ないが、高知県は国産のCLTの輸出も考えて、まず台湾の調査を始めるようだ。なかなか攻めの姿勢があってよろしい。その計画が成功するかどうかは置いておいて、県内で生産したCLTを国内市場だけをターゲットに売りさばこうとしていたら、絶対行き詰まると思うから。
 
小さなことからコツコツと。何事もイノベーションだなあ。四国は頑張っているのかも。

2017/01/24

世界の緑茶~ロシアの茶から

寒い日には、お茶を飲もう……と、取り出しましたるは、娘のロシア土産。

 
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ロシアだから紅茶……と思いきや、パッケージにはグリーンフィールド(社名か?)のGREEN MELISSA。??? というわけで飲んでみたのだが、ティッパックに入っているのは紅茶ではなく、緑茶のハーブティぽい。ミントの香りも少しするが、ミントティそのものではなく、ミント配合のフレーバーティだろうか。
 
ロシアンティと言えば、ジャム入りとかハチミツ入りの紅茶を想像するが、こんなティも流行っているみたい。
 
緑茶のことを日本茶ともいうが、実は世界的に飲まれているのは緑茶の方が多いという話もある(統計的にはどうか知らない)。何より中国は緑茶が主流で、烏龍茶を飲むのはごく一部だ。意外や韓国では、かつて多かった緑茶がすっかり廃れてしまったそうだが。
 
最近は日本から緑茶を世界に輸出する話も進んでいて、結構な普及ぶりである。欧米だけでなく、イスラム圏でも飲まれているとか。お酒を飲まないだけに、飲料にはうるさいらしい。
緑茶だけだと味が薄いのか苦みを感じるのか、ミルクを入れたりハーブを入れたりするようだ。このグリーンメリッサというブランドも、その一種だろうか。
 
私は緑茶ジャーナリスト見習い(謎)なので、緑茶の勉強もコツコツとしないとなあ。
 
 
 
で、せっかくのロシア土産を飲むのだから、カップはこれだろう。
 
3
 
プーチンとクマ(笑)。お似合いだ。ちなみに、このカップの反対側は、オバマとワシだ。
 
もうオバマは引退したから、ちょっと時代遅れになったが、両大統領を並べたカップをつくったロシア人も面白い。オバマ大統領は、ロシアでもそこそこ人気があったようである。今後トランプ・カップなんぞは作ってほしくないがね(-.-)。。。
 
 
もっとも、本当はウォッカを飲むべきだな。お土産のロシア産ウォッカは、日本で販売しているものとは全然違って消毒薬臭もせず、爽やかで美味しいよ。

2017/01/23

朝日「違法伐採 衛星が監視」記事

1月22日の朝日新聞に「違法伐採」に関する記事が掲載された。科学欄なので、わりと大きい。
 
テーマは、人工衛星からの違法伐採監視。すでに「だいち2号」の観測結果を「熱帯林早期警戒システム 」として、ウェブ上に公開されている。ただし、今のところは南米とアフリカだけのようである。
 
 
Photo2
 
記事は、衛星のセンサーで地表の状況を解析するシステムを紹介しているが、基本は皆伐地だけを探知するようだ。林冠のあるなしを反射伝播で読み取るのだから。
しかし、皆伐即違法とは言えないはずだから、どのように区別しているのか。なかには農園開発名目の皆伐もあるからだ。  
 
ただ日本との関わりは、違法に伐採された熱帯木材を日本が輸入している点に触れているだけだ。日本でも、どれだけ伐採が進んでいるか衛星から監視すればよいのに。なんとなく書き方が、日本の森では違法伐採がないかのようなニュアンスを感じるのだが。。。
 
この記事を書いた神田明美記者は、このところ随分熱心に伐採問題を扱っているように感じる。やはりボルネオの現地を訪れたからだろうか。
 
かつて私がボルネオからスタートして日本の森にもどってきたように、ぜひ次は日本の森の問題にも取り組んでほしいなあ(^o^)。

2017/01/22

生駒市のイノシシ対策マニュアル

回覧板に、こんなのが回ってきた。

 
Img002_2
 
生駒山にはイノシシが増殖していて、単に見かけるだけでなく被害も多発しているのだが、こんなマニュアルまで回ってくるようになったか。
ちなみに我が家はニュータウンにあるのだが、その周辺にはイノシシの足跡だらけだし、公園にも出没して花壇を荒らすそうだ。住宅地の中の目撃情報もあるし、町の隅には箱罠も仕掛けられている。
 
 
中を見ると、まあ、基本的な事柄が並ぶのだが、「餌付けをしないでください!」とあるのは、動物ならなんでも餌を与えて喜ぶ人がいるということか。
 
Img001
 
統計によると、近年は減少気味だが、年間60頭~100頭内外の捕獲をしているようだ。
 
被害に上げているのはやはり農作物中心で、罠や防除柵、それに狩猟免許を取るのに補助金を出すとある。そのうち市街地出没の被害も上げなくてはならなくなるような気がするが……。
 
こんなのが出回るようになると、生駒市もナカナカだな、と思う。なんとなくベッドタウンで奈良県内でも都会派都市のイメージを振りまいているのだが、中山間地ぽい田舎ですよ(笑)。
そのうちイノシシに追われて山間のニュータウンの人口流出が進むような気がする。そして限界ニュータウンが生れる……(予言)。
 
山村で起きていることと同じ展開になる可能性を秘めているな。。。

2017/01/21

マダケ?の竹林

生駒山中を性懲りもなく歩いていると、いまだに新しい発見がある。

 
今回は、知らない踏み分け道を進むと、竹林に出た。生駒山も各地に竹林が猛威を奮っていて、雑木林ははおろか人工林も田畑も繁っているが、その竹はたいていモウソウチク。
 
でも、これは……マダケだと思うのだが。
 
2   3
 
竹の分類は全然詳しくないのだが、細いし、節が二重になっているし。
 
 
4  棹の部分をアップにしてみた。
 
 
マダケの竹林を見つけて「珍しい」と思うのはどうかと思うが、今ではモウソウチク以外の竹をあまりみかけなくなったもので。
 
ハチクもあったか。ああ、区別がつかない。でもモウソウチクのように猛々(竹々)しくないように感じる。マダケとハチクは日本在来の竹と言われているが、どうなんだろう。

2017/01/20

吉野の廃屋にあったもの

吉野の川上村に出かけた。

 
そこで大滝区の人工林内を歩いたのだが、そこに廃屋があった。 
Dsc_0345
 
中を覗くと、意外なものが……。
 
Dsc_0346_2  Dsc_0346_3
 
なんだ、こりゃ。割箸か?ランチュウのような両側が尖った棒である。
 
ただ、よく手に取ってみると、これはプラスチックであった。
と言えばわかるだろうか。
 
そう、若木の幹に巻き付けて人工絞り丸太をつくる器具である。どうやら、この森一帯は、磨き丸太用のスギを育てていたみたい。
磨き丸太、中でも凸凹の表面をした絞り丸太は、京都・北山杉が有名だが、吉野でも京木仕立てと読んで生産していた。一時期は吉野の方が生産量が多かったそうだ。今は逆に生産しているところはほとんどなくなったが。こんなところで名残を見ることになるとは。
 
もっとも、今回りを見渡しても、絞りのあるスギは1本も見当たらない。だいたい太さが30センチ級に育っていて、もはや床柱にはならないだろう。戦後50年ほど前に植え付けしたそうだが、挫折したか。
 
 
ちょっとオマケ。
 
Dsc_0331
 
この写真ではわかりにくいが、ここにU字形の谷というか、堀り込みが見られる。ここに修羅を設置したらしい。丸太の滑り台である。かつて山で伐った原木は、修羅などで滑らせて山裾まで落としたのである。
 
04 奈良県林業貼より
 
かつての修羅(真ん中の川の流れのように見える丸太の列部分)の様子
 
 
吉野の山を歩くと、こんな“遺跡”が各所に見つかる。吉野林業遺産に認定したいところだな。

2017/01/19

「まずいラーメン屋はどこへ消えた?」から連想する

いまさらだが『君の名は。』を昨年見たとき、フツーに感動していい映画・アニメだな、と思った。ただ二度見に行こうとは思わなかったし、なにか既視感がつきまとった。

やはり男女の入れ代わりなどは『転校生』のアイデアそのままだし、彗星による大災害とかタイムスリップ的な厄難からの脱出などの話は、どこかで見たり読んだりしたストーリー。
で、連想したのは『もしドラ』(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』)である。
 
『もしドラ』は、ドラッカーの『マネジメント』の考え方を世間に知らしめようと小説仕立てにした作品だが、実は物語としても面白かったし、楽しめた。もちろん小説としては文章力表権力ともにイマイチで、ストーリーだってベタで意外性もない。だが、読んでいると感情移入して読ませたのだ。そして、ドラッカーの魅力も十分に伝わった。だから著者の狙いは成功したのだ。
 
『君の名は。』も、ストーリーやアイデアは陳腐なのだ。では、代わりに伝えたものは何か?
 
 
さて、長い前ふりだが、実は『まずいラーメン屋はどこへ消えた?』(小学館101新書)から連想したのである。この本は、『もしドラ』の作者・岩崎夏海が記した本だから。
こちらは小説ではなく、ビジネスハウツウであり社会論でもある。サブタイトルが、「椅子取りゲーム社会」で生き残る方法 だ。
 
Photo
 
椅子取りゲーム社会とは、インターネットが普及して急速に進んだ情報化がもたらした競争社会と格差社会を表わしている。
これまでは、少々まずくても生き残れたラーメン屋も、今や瞬時に消え去る社会となった。しかも当初の勝者さえ取り分が減っていく(椅子が減っていく)社会構造となってきた。単に勝ち組負け組の2極分化ではなく、ピラミッド的な頂上にしか勝者のいない時代に入っていることを説明している。
 
そこで生き残るには、「競争に勝つ」と「イノベーション」しかないという。それをドラッカーから学んだことを伝える形で説明しているのだ。
 
ただ競争に勝つということは、より激しい競争に次から次へとさらされることであり、結果的に自らを滅ぼしかねない。
イノベーションとは、 技術革新というより新しい分野を見つけたり開くことを意味する。新しい分野はライバルがいないから競争も起こらない。こちらをめざすべきだ……というのが著者(とドラッカー)の主張である。ただし、それには長期的視野が必要だと。
 
おもわず自分自身に当てはめてしまう。そうなんだよ、私もイノベーションめざしているのだよ。今あるものを捨てて、新分野を試行錯誤している。すぐに結果は出ないが、今の自分のスタンスに安住していたら、将来は尻すぼみだから。でも、イノベーションの過程が長期になれば、軌道に乗る前にこけてしまいかねない……(>_<)。
 
 
……なんだか林業界にも当てはめたくなった。
短期的利益に目を奪われて今の立場にしがみつけばつくほど、将来尻すぼみは目に見えている。でも、長期的に物事を考えられない。
 
それではイカンと政府は、「競争」をしろと尻を叩くのだが、それで林地の集約化とか機械化とか力を入れていると、手間とコストが増すばかり。そして、どんどん材価が下がっていく。
結局、イノベーションがないのだな。新分野の用途を切り開かず、言われるままに誰もが参入できる合板とかバイオマス用とかの低単価分野に原木を売るだけだから。
 
ま、自分の道は自分で考えないとね。
 
 
さて林業はさておき(~_~;)、私は生き残れるか?

2017/01/18

分厚い本と未知の動物

古本屋で目に止まった「世界動物発見史」(平凡社)

 
古い本(1988年刊)だが、なんかワクワクした。
 
1
 
タイトルから古今の新種動物の発見のドラマかと思った。ところが目次を見ると、ユニコーンとかロック鳥とか幻の野牛とかいう言葉が散見する。さらに海竜にいんちき猿人、雪男、人魚……などが並ぶのだ。
もちろん伝説の怪獣ばかりを紹介しているのではなく、実際に存在する動物の発見と抱き合わせているところが魅力的。
未知動物の発見は、伝説と探検の掛け合いで行われるのだ。
 
定価は、今の税率をかけると4000円を越えるのが1200円。これにも惹かれて(~_~;)、つい購入してしまった。
 
もっとも、この本のスゴサは、背表紙にある。
見よ、この分厚さを!
 
2  小さな字の2段組、700ページ!
 
絶対、通して読み終えることはできないだろうな……(>_<)と思わせる。
 
まあ、拾い読みだけでもいいだろう。思えば、未知動物の発見は、やはりロマンなのだよ。
 
『森は怪しいワンダーランド』にも、ニューギニアに湖の怪獣探しに出かけたエピソードを含んでいるが、実はその前に取り組んだのがボルネオで野生オランウータンの生態を観察すること。怪獣と野生オランウータンは、当時の私の中では同義だった。
いるかどうかわからない存在である怪獣と、観察例がほとんどなかった野生のオランウータンは未知という点では同じだったから。
 
とりあえず本棚の飾りにする(⌒ー⌒)。

2017/01/17

土倉翁、晩年の言葉

今朝は、なぜか暗いうちに目が覚めた。

昨夜、就寝したのはそんなに早くてはないし、なぜこんな時間に……?と布団から出ずにジリジリと過ごし、二度寝を試みる。
 
結局、うとうとしただけで十分に寝つけず起き出したのだが……今思えば、目が覚めたのは午前6時前、阪神淡路大震災の発生時刻に近かったのではないか。
 
関西に住む(ある年代以上の)者として、実は東日本大震災より大きな衝撃を受けたのが22年前の、あの震災だ。昨日の次に今日、今日の次に明日が連続しているという漠然とした戦後観をひっくり返した日だった。
 
 
さて。今朝最初にパソコンを立ち上げて受信したメールには、土倉庄三郎に関して新たに発見された資料が添付されていた。川上村の森と水の源流館から送られてきたものである。
 
それは、昭和43年に川上村高原で92歳だった岩井倉次郎に聞き取りをした記録なのだが、その中に土倉庄三郎に直接会って会話した内容があったというのだ。
会ったのは青年の時というが、庄三郎の晩年というから30代だろう。話の内容から、すでに土倉家が逼塞していたとわかる。それが貴重なのだ。自分の若い頃を振り返ったり、現状を語ったりしている。土倉家が山林の大半を失ってからの庄三郎の生の声を記録した資料はほかにない。(伝聞ばかり。)
 
この資料、『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』(『樹喜王 土倉庄三郎』)を執筆の際に得ていたら、描き方が変わったなあ、と嘆息する。
 
その中でも私が引っかかったのは、「わしは一代で儲けさしてもろたが」という言葉があることだ。そして小さいときは雑炊を食べていたのだと。そこから財を成したと語っている。
 
一般に土倉家は、庄三郎の父・庄右衛門の代に大山林主になったとされている。実際、庄右衛門時代の土倉家も川上郷では名家であり財産家であったはずだ。
 
しかし子供の時は雑炊炊いて食べていたというのだから、かなり厳しい教育を受けたのではないか。決して贅沢はさせてもらえなかったのだろう。使用人と一緒の待遇で山仕事を修業していたのではあるまいか。
そして、それは家督を継いでからも続けていたようだ。官林(おそらく大杉谷)から材を出す際は、自らイモの皮剥いていたという。
 
同時に、庄右衛門の代と庄三郎の代とでは、財産の額が違っていた。庄三郎は、自分一代で巨額の財産を稼いだと認識していたのだ。
 
ただ所有していた山林面積がとくに膨らんだわけではないはずだ。やはり明治に入って、流通網を整備したり吉野材を宣伝することで木材価格を上げ、財を築いたのである。
 
明治時代の林業経済が、わずかな証言から浮き上がる。
 
そして、「あんじょう(財産は)無いようになってしもた」と語ったという。どんなに財産を築いても、時代の波に飲まれたら消えてしまうことを自嘲的に言ったのか。直接的には長男の事業の失敗が原因だが、庄三郎はそれも運命と捉えていたのかもしれない。
 
P7100050
 
土倉翁、最晩年の写真。

2017/01/16

EPAとCLT

なんかイマドキ流行りのアルファベットの羅列みたいなタイトルだが、真面目な国際政治と経済の話。

 
 
トランプ氏がアメリカ大統領に就任するまであとわずかだが、環太平洋戦略的経済連携協定TPPの発効は絶望的になっている。それを喜んでいる人もいるだろう。
 
だが、それならとTPPに代わる巨大貿易協定がいくつも動き出すのではないか。
 
現在交渉が行われているのは、
まず日中韓と東南アジア諸国連合16カ国による域内包括的経済連携(RCEP)
次に、日本と欧州連合の経済連携協定(EPA)
そして、日中韓自由貿易協定(FTA)
 
このうち日本が一番力を入れているのは、EPAだろう。EUとの貿易自由化だ。ただ、これもチーズや豚肉を巡って関税撤廃が難行していて、昨年は締結を先のばしした代物。私は、早く締結してチーズが安くならないかな、と思っているが……。
 
EPAの課題には、当然ながら木材も入っている。すでに木材輸入にたいした関税はないが、EPAが締結されれば、木材製品はより入りやすくなるだろう。なかでも注目は、CLT(直交集成板)あるいはCLTの素材となるラミナではないか、と睨んでいる。
 
つまり、ようやく建築基準法を改正してCLTを使う建築が増えると思っていたら、安くて質もよいヨーロッパ製CLTが大挙して輸入される、なんてことになるような気がするからだ。
 
それに負けまいと、欧州材ラミナを輸入して、国内でCLTを生産する……状況が起きるかもしれない。
 
国産材のCLTなんぞ、ほとんど普及しない、いや生産されないかもなあ。
 
TPPにRCEP?EPA、FTA、CLT!!!
これをつなぐとティピーピーアールシーイーピーイーピーエーエフティーエーシーエルティ
さあ、皆さん声に出して!
 

2017/01/15

Yahoo!ニュース「崩れた熊本城から考える……」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「崩れた熊本城から考える文化財の復原事情 」を書きました。

 
誰もが気づくように昨夜の続編……というより、昨夜が前編(^o^)。
 
ま、復原大阪城を見て思いついたのさ。。。
 
「復元」ではなく「復原」と漢字を使っている点にも注意ね。
 
せっかくだから鉄筋コンクリート製大阪城の中の写真。天守閣の最上部には、売店もあった。普通の展望台である。
 
4  
 
人だらけであったが、これを木造にしたら、あんまり大勢の人を上まで上げられないのではないか。
 

2017/01/14

鉄骨の大阪城

ちょっと出かけた大阪の町。……単に買い物をして帰るつもりが、ふと目についた大阪城天守閣に入りたくなった。

 
昨年までなら、『真田丸』で賑わい、たしか天守閣でも真田関係の展示をしていたように思うのだが。もう終わったかな? そんな軽い気持ちだった。
 
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子供の頃から大阪城公園は何十回と来ている。今も年に何回かは足を運ぶ。花見の時もあれば、散歩代わりに公園を突っ切って歩いたりもする。が、大阪城天守閣は入っていない。おそらく20年くらいは入っていない。
 
なぜなら有料だし、どうせコンクリート製の昭和の復元建築だし。
 
ここで説明すると、いわゆる豊臣の大坂城は、天正11年に建築が始まった。
それが大阪の夏の陣で落城し、その跡地に元和6年より徳川の大坂城が再建される。が、45年後に落雷で焼け落ちて、その後大坂城に天守閣はなくなった。
それを再びつくろうと昭和6年に、市民の寄付で復元したのが現在の大阪城天守閣。(漢字が違っている。)折々に修復改築はされたが、今に至っている。
 
 
 
が、ふと思ったのだ。鉄筋コンクリートの復元城郭とはどんなものか、と。それで600円を払って天守閣に登ってみた。
 
なんと8階まである。エレベーターはすごく混んでいたので階段で昇ったが、どの階も人があふれている。観光客だろう。かなりの割合で外国人。昔は゛のんびり各階を見て回った記憶があるが、今は昇りと下りの階段ルートが別になって、展示を見るのも人波の中をかき分ける気分。
 
まあ、おざなりに見学したが、一つだけ目を引いたのが、これ。
 
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なんと、昭和の天守閣復元工事中の模型だ。見事な鉄骨。戦前なのに、こんな巨大クレーンがあったのか。
 
また写真もあった。
 
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こんな.城郭工事も珍しくていい(^o^)。説明によると、当時の最新技術を使って復元しようということになって、鉄骨・コンクリート製にしたのだそうだ。
 
案の定、中の展示はたいしたことなかったのだが、とりあえず見てよかったよ。天守閣再建は、鉄筋コンクリートに限る?

2017/01/13

「美しい自然」にも認知の差?

昨年、子供の環境教育の指導者養成を取材に行って、そのまま私も参加して受講してしまったのだが、その際に知り合った女性は、大学で保育学を教える教員だった。

 
大学で教えているのに、改めて受講?と驚いたが、テーマが全然違うのだという。彼女の取り組んでているのはジャン・ジャック・ルソーとか。
 
いよいよ?? となった。ルソーと言えば18世紀の哲学者。と言っても、私も「社会契約説」ぐらいしか知らないが。
 
するとルソーは「子供を発見」した最初の人物だという。
子供の発見……これまた難解な言い回しだが、ようするに西欧では、それまで「子供とは未熟な大人」という認識だったらしい。だから鍛えて完全な大人にするという発想につながるのだが、ルソーは「子供は、大人とは違う感性や認知の仕方を備えている」別の人格であり、大人と見る世界が違っているのだと“発見”したらしい。(こんな理解でいいのかな?)
ようするに、子供と大人が同じものを見ても、まったく違った反応をするのは片方が未熟なのではなく、認知の差なのかもしれない。
 
 
ちょうど今読んでいる本が認知科学の本で、西欧人と東アジア人(中国、韓国、日本)の認知がまったく違うことを解き明かしている。考え方は、西欧人が「まっすぐ」で個別の論理を追いかけるのに対して、中国人は「円を描き」関係性を重んじて全体を見る……のだそうだ。まだ読み終えていないが面白い。 
 
認知の仕方が違うと、同じものを見ても、まったく違う世界が見える。人はそれぞれ感じ方が違う。そう思うと、世の中に納得するものが多い。
 
同じ景色を見ても、まったく別の感想を持つこともある。林床にまったく草の生えていない杉林を見て、「美しい」と言った人がいた。私とは正反対の感想だった。知識不足というのとは違う、「美しい」と感じる認知の差だろうか。
 
奈良県が奈良公園に接した土地にホテルを建てる計画を発表したら、さっそく反対運動が起きている。その土地は、以前は官舎や別荘が建っていたところなのだが、長く放置されて森になっているのだ。
だから「自然を破壊するな」と言うのだが、テレビに映し出された敷地には雑木の中に竹(多分、モウソウチク)が入り込んでグチャグチャになっていた。石垣の間から草木がぼうぼうと生えて、私には「豊かな自然」どころか「荒れた廃墟」に見えた。これが豊かな自然なら、日本中に荒れた森など存在しないことになりそうだ。(もっとも反対派は、自然をつぶさに観察したわけではないらしい。)
 
 
もしかして、トランプ(次期)大統領のように、自らが気に食わないものは全部「そんなものはない」「陰謀だ」「嘘だ」と言い切ってしまうのも、ごまかしではなく本気なのかもしれない。彼の認知している世界では、自分に都合の悪いものは存在しないのか。。日本人でも、ネトウヨなんぞはそんな感じだけど。
 
 
私も、異論は聞き流し、ファジーなままにしているが……ああ、これって典型的東アジア人?
 

2017/01/12

薪のお値段

年末に伐採したナラ枯れ木を、せっせと刻んでいる。

 
一つに実シイタケ原木の確保。これは、枯れていない、カシナガの入っていない枝部分を狙って切り取っている。ほぼ必要量は出したところだ。
 
で、残りは刻んで薪にしようと思っているが……我が家には薪ストーブはない(~_~;)。
誰かほしい人に進呈する予定だ。刻んで運べる程度にはしておこうというわけである。よい運動にもなる。ま、その間にチェンソーは油で固まっていて動かなくなったり、チェンが外れたり……と、久しぶりに握るチェンソーならではの騒動も入っているのだが。
 
1
 
 
で、その帰りにホームセンターに寄った。チェンソー用のオイルと混合ガソリンを購入するためだが、そこに薪が売っていた。
 
Dsc_0318
 
798円! 消費税を入れるお861円……。見えにくいが針金でくくった一束の値段である。一晩の燃やしてしまいそうな量。高っ! 
ナラ?広葉樹材ではあるが、あんまりキレイな状態ではないしなあ。
 
ここで買うなら、タナカ山林の倒木を持って行ってくれ。自分で薪割りする醍醐味もあるし。
ナラ枯れ木は、さっさと燃やしてしまいたいのだよ。その下のアジサイ救出のためにも。

2017/01/11

週刊ポストに土倉庄三郎

先に少し触れたが、今週発行している週刊ポスト1月13日/20日号に、土倉庄三郎が登場している。

 
「戦前の大金持ち列伝」の一角に紹介されたのだ。
 
201711320  
 
土倉のほかには、薩摩治郎八、梅屋庄吉、大倉喜八郎、鹿島清兵衛が取り上げられている。
何人知っているだろうか。それぞれ癖のある人物ばかりだ。
 
共通点を探ると、みな晩年もしくは死後に家は没落していることだろうか……。ただ、あまり暗くなく、一本筋を通した潔さを感じる。
だから彼らの紹介にも、なぜか明るさ爽快さをにじみ出しているように思うのだ。
 
私も、土倉翁についてまだまだ調べて発信していきたい。
 
 
さて、もう2点。
 
静岡新聞の1月8日の書評欄に、『森は怪しいワンダーランド』の書評が掲載された。
 
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ただ内容は、これまでも地方紙に載せられたものと同じ。つまり共同通信配信のものだ。
ありがたい。ただ、どうせなら「この本の著者は静岡大学出身で、本の中に登場する探検話の幾つかは静大探検部時代のものなんだよ」と触れてほしかったなあ(~_~;)。その方が読者にも影響あっただろうに。
ぜひ、静岡にお住まいの皆さん、その点を宣伝してくださいませm(._.)m。
 
 
さらに同日の東京新聞・中日新聞の書評欄に、『林業がつくる日本の森林 』(藤森隆郎著 築地書館)が紹介されている。
 
 
その本の最後を見ていただきたい。。。
こんな紹介のされ方もあるんだねえ。何はともあれ、ありがたい。
 
 
◆もう1冊 
 田中淳夫著『森と日本人の1500年』(平凡社新書)。日本の森が人との関わりの中でどう変わってきたかを追う。
 
以上、3連発でした。

2017/01/10

Yahoo!ニュース「街路樹に生態系はあるか?」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「街路樹に生態系はあるか? 街路樹サミットから見えた世界 」を執筆しました。

 
タイトル、正確には「街路樹に森林生態系はあるか?」なのを、短くするため「生態系……」だけにしたのだった。誤解招きそう(~_~;)。
 
もちろん、沙漠だって、極地だって、深海だって生態系はある。街路樹も森林とは比べるべくもないが、樹冠には虫も苔も地衣類もいて、それらを食す鳥などが訪れて……という生態系はあるだろう。そこには風も雨も吹く。春夏秋冬がある。もしかして黄砂やPM2,5の影響もうけているかもしれん。
 
そして、混みすぎて樹冠が閉鎖した街路樹の列では間伐を施したり、枝打ちしたり、木材を収穫してもいいんじゃないか。街路樹林業\(^o^)/。
 
 
ちなみに街路樹サミットでは、参加者に理想の街路樹の風景を描いてください、というコーナーがあった。そこで私も描いたのだが、低木中心で、地表に多くの草が生えた世界だな。
「斬新だ」と言われた(笑)。
 
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人物は気にせず、バックに張り出された「理想の街路樹像」の図に注目(^o^)。
 

2017/01/09

立命館の里山とミティゲーション

先に街路樹サミットの開かれた会場は、立命館大学のいばらきフィーチャープラザだった。

 
まだオープンして2年のキャンパスでは、「育てる里山プロジェクト」があり、里山づくりが行われている。そのプロジェクト代表でもある田中力教授はサミットの演者の一人でもあったのだが、キャンパスづくりのコンセプトを考える過程で里山に行き着いたという。
 
ちょうど茨木市にある里山センター(里山関連の複数のNPOの拠点)に相談に行って、たまたま新名神高速道路の建設で破壊される里山から樹木をキャンパス内に移植する事業を進行させたという。教職員と学生に加えて、市民ボランティアや高校生も加わったとか。
 
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エリアには雑木林ゾーン、アカマツゾーン、そして草山の3つがある。
正直、悪戦苦闘しているようで、活着はよくない。土は、建設残土に真砂を入れ、そこに樹木を山土ごと根鉢を植えたそうだが、現在、土壌改良などに取り組んでいる。
 
私の見た感想としては、ちょっとガーデニング的な植え方で、しかも遷移を前提とした樹種選定ではないのが気になった。
 
3
 
今は、堆肥づくりも行っている。
 
しかし、話を聞いてみると、最初は専門家抜きでやっていたようだ。土づくりになるだろうと落葉を集めてそのまま撒いたとか(~_~;)、ちょっ、ちょっと! とという経験談を語る。
立命館大学には生物系の研究者もいるだろうし、NPOにも植物に詳しい人はいなかったのだろうか。
 
さて、今年の春にはちゃんと芽吹きが見られるだろうか……。
 
私個人の予想としては、移植した木の中には枯れるものも多いだろうが、幾らかは生き残り、また新たな草木も生えてくるだろうから、数年頑張ればなんとかなると思う。ただ、想定している里山にはならないだろうなあ……。雑木林とアカマツ林に分ける必要もないように思う。
 
 
ただ、破壊される自然を、移植することで守るという考え方は、いわゆるミティゲーションである。ミティゲーションとは、アメリカ生まれの発想で、人間の活動による環境への悪影響を緩和、または補償する行為のことである。
 
いろいろ段階があって、環境破壊を
1)回避する
2)影響を最小化する
3)影響を受ける環境を修復して回復させたり復元する
4)保護やメンテナンスで影響を軽減したり除去する
5)代替の資源や環境を別の場所で行い、影響の代償措置をとる
 
と分類されている。日本ではとくに「代償」が強く意識されている。
 
つまり立命館の試みは、高速道路で破壊される里山環境をキャンパス内に移植する代償ミティゲーションに相当するのではないか。
 
……もっとも、当事者はそうした意識なしに取り組んでいるようであったが。。。また技術的にもミティゲーションとしては弱い(~_~;)。
 
せっかく大学が取り組むのだから、専門家の叡知を集めて実施すべきだった。
そうすれば基盤から土質を計算して積み上げ、移植する草木の種類も選べたはず。さらに根鉢だけでなく山の表土の移転も行えば、里山環境の復元に成功すると思うのだが。
 
まだ2年目だから、気長にすべきだろう。自然はそんな簡単に結論にたどりつけない。150年後を描いた明治神宮の森づくりのように頑張ってほしい。
 
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キャンパス内に冬のサクラが咲いていた。

2017/01/08

『森と近代日本を動かした男』と『樹喜王 土倉庄三郎』

たまたまAmazonのサイトを開いたところ、拙著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』が目に止まった。

 
ところが、価格は「7299円から」となっていた。
 
本書は絶版だから、手に入れようとすると古書扱いになるわけだが、出品者の付けた価格がこの値段なのである。3冊出展されていて、ほか7300円と7823円である。実際は、これに送料が上乗せされるので8000円近くになるわけである。
ちょっと仰天のお値段。それだけの価値があると思って喜ぶべきか、それとも。。。
 
 
複製本の『樹喜王 土倉庄三郎』を出しているのに、書店には卸していないからなあ。。。内容はまったく一緒である。誤字を直した程度。価格もずっと安いよ(^o^)。
 
 
 
Photo  Jukiocover1
 
 
それで、『森と近代日本を動かした男』の価格は古書の世界ではどうなっているのか気になって検索してみた。
 
……すると、意外な記事を見つけた。CiNiiの論文として検索に引っかかったのである。。(CiNiiとは、学術情報ナビゲータのこと。論文、図書・雑誌や博士論文などの学術情報で検索できるデータベース・サービス。)
 
見ると、学会誌(多分、林業経済学会誌)に3年前に掲載された書評らしい。
 
Photo_2
 
あらら。知らなかった(^o^)。3ページに渡って掲載されていた。  読みごたえあるよ。
オープンアクセスだから、誰でも読める。
 
 
さすが、と思えるのは、私が記した吉野林業と土倉庄三郎の唱える林業技術を分析しているところで、庄三郎を「決定的に必要なものは標準化 されたマニュアルよりも、個々の状況に即 した解決法 を創造できる総合的な力を持った人材といえるかもしれない」と評している。
 
そして「総合的な力を持った人材とは、昨今期待されるフォレスタ ーそのものだろう」としている点だ。
 
実際、庄三郎は、当時の山林局の林政を机上の「文書的経営」として批判している。林業とは、その時その時に森を見て判断するものであり、ガチガチの施業計画をつくるものではない、と喝破しているのである。その点を「フォレスター的」ということは可能だろう。いや、庄三郎(と当時の吉野林業人)は、フォレスターだったと言って過言ではない。
 
加えて、現代の台湾には次男・土倉龍治郎の手がけた吉野杉の森林が今も残れされていて、台湾の林学者は土倉庄三郎の名を伝えているらしい。
 
 
拙著では、あまり林業論には踏み込まなかったつもりだが、改めて土倉翁を林業技術と林業政策、さらには林政史の面から追求しても面白いかもしれない。
 

 
ちなみに、現在発売中の週刊ポストに「土倉庄三郎」が紹介されている。私もコメントを寄せているので、ぜひ手に取っていただきたい。こちらの内容に関しては、改めて。
 
 

2017/01/07

街路樹サミットにて

大阪で開かれた街路樹サミットに顔を出した。

 
Dsc_0345  
 
まだ松の内が明けず、しかも同日同時刻に京都でよく似た分野のシンポジウムも開かれる……という環境の中、大盛況。席が足りなくなるほどの人が参加した(しかも有料である)。
 
しかも、参加者は北海道や九州からもいて、関東甲信越の人はざらにいる。こんなに街路樹に関心のある人が多かったのか。
私は、多少の部外者意識を持って臨んだのであった。
 
たしかに雰囲気は、林業関係者の多いシンポジウムと違う。参加者には造園業の人が目立つから、それなりのガテン系なのだが、なんかオシャレ(^o^)。都会派ぽいし、女性も多い。
 
……が。
 
会場前で、いきなり知り合いにあった。N林業女子……だ。
さらに声をかけられた。林業家である。
あ、受付にいるのは、以前取材した人。
 
シンポジウムが始まってから、私の隣席に人が座ったのだが、休憩時に明るくなったのでそちらを見ると、あら、生駒市在住のKさん。。。
 
なんか、意外なほど知り合いがいた。街路樹と林業の世界は似て非なる、しかし近い関係だ。それが、さらに融合しつつあるのかもしれない。
 
実際、造園関係者と話しても、意外な林業との接点が見つかった。そもそも林業は樹木を扱うわけで、もっと造園の世界にウイングを拡げるべきだろう。アーボリカルチャーの技術もあれば、高樹の苗づくりも山林で可能。伐採した街路樹の木材利用も考えられる。
 
Dsc_0329
 
私が街路樹に対してどのように考えているか、それは改めて語りたいが、林業界のタコツボに入っていては見えないものに触れることができたのであった。

2017/01/06

農業するカシナガ

ナラ枯れ木の伐採をしたからというわけではないが、ナラ枯れの原因であるカシノナガキクイムシについて少し調べた。

 
すると、びっくり。なんとカシナガは農業を行うのだという。自らの食べ物を栽培して調達していたのだ。
 
農業を行う昆虫と言えば、アマゾンなど中南米の熱帯雨林に生息するハキリアリとか、巨大な巣の中でキノコを育てるキノコシロアリが知られている。
ハキリアリは、回りの草木の葉を切り取って巣穴に運び、それを培地にキノコを栽培する。キノコシロアりは、枯れた植物を食べて出した糞を積み上げて、そこにキノコを栽培する。
 
いずれもキノコを食べ物にするわけで、たまに自然のドキュメンタリー番組などにも紹介されているから知る人もいるのではないか。
 
私も、ほお、珍しい昆虫がいるんだなあ。、アリやシロアリは社会性昆虫として高等な部類に入ると栽培という文化を持つのだろうか……と感心していた。
 
が、なんと、アマゾンまで行かなくても身近に農業を行う昆虫がいたとは!
目の前に枯れたコナラの樹幹の中で、農業をしていたのか。意外と身近な存在だったのだ。
 
 
もっともカシナガが栽培するのはキノコというよりカビ類。ナラ類などの樹木に穿入するわけだが、その孔道の壁に菌を培養するらしい。
 
2
 
上記はカシナガの電子顕微鏡写真だが、その背中に開いてある孔に菌を載せて運ぶという。
ただしナラ枯れを引き起こすナラ菌は、培養する菌(総称アンブロシア菌)ではない。ナラ菌は、いわば農地に生える雑草のようにくっついてくるらしい(-.-)。
それが大繁殖して樹木を枯らすのだが……枯れたら食べる菌も増えて、カシナガにとっても有利なのかしらん。
 
ついでに触れると、キクイムシの仲間は一夫一婦性だそうだが、なかには(♀)が交尾しないまま♂を生む種もあるらしい。そして息子と交尾するというから近親交配である。
 
 
摩訶不思議な世界が、目の前のナラ枯れ木の中に広がっていたのね。憎きナラ枯れを引き起こすカシナガめ、と思っていた目が少し、ほんの少しだけ変わって来る。
 
そのオモシロさ、自然界の妙なシステムを知ることも必要だろう。ナラ枯れだって、実は森林生態系の一部として必要とされているのだから。
まあ、一般の人にオモシロさをわかってもらえるように伝えるのは至難の業であるが……。

2017/01/05

ナラ枯れ木の伐採ミッション

年末になるが、タナカ山林のナラ枯れ木の伐採をした。

 
もちろん、私が伐採したわけではない。近年、伐採の恐ろしさを感じて、チェンソーをすっかり封印している(~_~;)。そこで吉野から林業家が来てくれたのである。
 
Dsc_0302
 
お願いしたのは、写真の左2本。(右の1本は生きている。) ほか1本の3本。
1本目はチルホールさえ使わず切れたのだが、2本目が難渋。なぜなら……。
 
Dsc_0335
 
枝が電線に絡んでいるから。それも、隣の敷地の石垣から生えているカシの木の枝とも絡まるという複雑な状態で、下手に伐採すると電線を引きちぎる。
結局、木登りしてもらうことになった。
 
いやあ、見物でしたよ(^o^)。期せずして、アーボりカルチャー見学ができたわけ。
余計なカシの木の枝も払ってもらったし。(こちらの地主とは話が通っている。)
 
そして、私のミッションは今年に入ってからであった。
 
Dsc_0313
 
たった3本と言いたいところだが、どれも直径30~40㎝級のコナラ(とカシ)であり、それを倒すと、結構な材積になる。
これを玉伐りするのが私の仕事。倒れた木なら、チェンソーを使える(^0^*。
 
刻んで、ここからシイタケ原木をつくる。また薪として提供する。本当は販売したいところだが、それも面倒で、ほしい人は持って行って!作戦にした。
ナラ枯れした木は、ナラ菌が蔓延しているから、シイタケ栽培には向いていないかと思ったが、実際は枝の部分はまったくカシナガが入った様子がなく、材もしっかりしている。これならシイタケ菌も繁殖できるだろう。
一方で太い幹は、燃やしてもらった方が万一カシナガが残っていた場合にも有効だ。
 
 
……そして、隠れたミッション。
 
Dsc_0314
 
伐倒木の下敷きになったアジサイの救出。ここ2、3年植え続けていたアジサイの上に倒れたんだよなあ(涙)。せっせと玉伐りして動かすと、潰れたアジサイが随分出てきたよ。
折れた枝は無理かもしれないが、アジサイは強いから、また復活してくれると思いたい。
 
 
ちなみにナラ枯れ木はこれだけではない。もっとたくさんある。また次の機会を設けたいと思っている。

2017/01/04

新年はYahoo!ニュース「新しい枕で気づいた!」から

Yahoo!ニュースに「新しい枕で気づいた!本当の木づかいとは 」を執筆しました。

 
 
年末年始は仕事らしきことを何にもせず、もはや社会復帰せずにブログも止めておこうかという誘惑……。
 
というわけにも行かないのだが、締め切りのある原稿を書くのが億劫で、締め切りのないYahoo!ニュースを書くという……(謎)。
 
 
枕の記事はしっかり書きたいと思っていたが、Yahoo!では商品紹介をしてはいけない。そこで「間違った木づかい」「本当に必要な木づかい」を絡ませて書いたわけです(^o^)。そろそろ木づかい運動も見直してくれ。タイトルの洒落にも気づいてくれ。。。
 
 
この記事用の写真を撮るために枕を解剖(笑)して、杉チップを出しましたよ。
 
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こうして拡大すると、チップが割箸を細かく切断したものということがよくわかる。
わりと角張っているが、これがこすれて角が取れる過程で香りが立つのだろう。
 
あとは売り方次第だね。扱いたいところはたくさんあると思うが。
 
 
ともあれ、本年も書きます。うだうだ考えて考えて、練って練って練り続けて哲学書みたいな記事を\(^o^)/。ブログは、その息抜きと思考のブレイク場所となるでしょう。
     

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森と林業と田舎