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2017/01/26

書評『山のきもち』は性善説?

書店で見つけた本。

 
山のきもち 森林業が「ほっとする社会」をつくる』(山本悟著 東京農大出版会刊)
 
Photo
 
目次を見ると、林業から始まって、木材産業から木造建築、まちづくり、山村ビジネスに木の駅プロジェクト、里山、森林ボランティア、田舎(山村)移住、森のようちえん、林業女子、そして森の歴史と文化……と実に広く網羅している。
そのテーマは、私が手がけようとしている「森林ジャーナリズム」と範疇と非常に重なっていると言えるだろう。
 
だから興味を持って手にしたのだが……読み出して妙な気分になった。
 
一見、私と同じ興味を持って対象に向かい合ったように見えて、なんだか見事に違うのだ。
 
たとえば自伐林業、バイオマス発電、国産材輸出、CLT、林業教育……などの紹介は、手放しの「希望」として描かれている。
 
説明は難しいが、目次の一部を見れば雰囲気がつかめるか。(目次は相当ページ数あるので、この見開きだけにしておく。)
 
Img001
 
今や日本の森は宝の山!と、どこかで聞いた言葉がこだまする。いわば性善説による森林事情?  (逆に言えば、私が感じる森林事情は、いつしか性悪説視線になってしまっているのだろうか……。)
こんなに日本の森林は希望にあふれていたっけ?バイオマスが山村を救うのか? 大型製材工場が流通を改善したのか? 自伐林業が儲かるのか?
 
一応、第3章に「課題を考える」が設けられていて、林業が直面する問題点は紹介されているのだが……ここでも問題解決の糸口はあるように読めてしまう。゛
喫緊の課題だとして、低コスト化に機械化、安定供給に路面整備、齢級構成の平準化の再造林だとか、人材育成に林業大学校の設立だとか……なんか林野庁のお題目のオンパレードか。
 
別に内容が間違っていると指摘するわけではない。事実関係はきっちり取材されている。私の取材先とかなりだぶっているし、私の知り合いもかなり登場する。ただ解釈というか、裏の読み方が私と違うだけだ。
 
読後感としては、「里山資本主義」と似ている。ま、そういう本だ(^o^)。
 
 
ちなみに著者は毎日新聞の記者。それにしてもほとんど1年で全国を取材して回ったようだ。羨ましいな。交通費だけでも100万円を優に越えるだろう。林野庁職員にデータ収集してもらった、とあるが、これは羨ましくない(笑)。
 

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