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森と林業の本

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2017/01/16

EPAとCLT

なんかイマドキ流行りのアルファベットの羅列みたいなタイトルだが、真面目な国際政治と経済の話。

 
 
トランプ氏がアメリカ大統領に就任するまであとわずかだが、環太平洋戦略的経済連携協定TPPの発効は絶望的になっている。それを喜んでいる人もいるだろう。
 
だが、それならとTPPに代わる巨大貿易協定がいくつも動き出すのではないか。
 
現在交渉が行われているのは、
まず日中韓と東南アジア諸国連合16カ国による域内包括的経済連携(RCEP)
次に、日本と欧州連合の経済連携協定(EPA)
そして、日中韓自由貿易協定(FTA)
 
このうち日本が一番力を入れているのは、EPAだろう。EUとの貿易自由化だ。ただ、これもチーズや豚肉を巡って関税撤廃が難行していて、昨年は締結を先のばしした代物。私は、早く締結してチーズが安くならないかな、と思っているが……。
 
EPAの課題には、当然ながら木材も入っている。すでに木材輸入にたいした関税はないが、EPAが締結されれば、木材製品はより入りやすくなるだろう。なかでも注目は、CLT(直交集成板)あるいはCLTの素材となるラミナではないか、と睨んでいる。
 
つまり、ようやく建築基準法を改正してCLTを使う建築が増えると思っていたら、安くて質もよいヨーロッパ製CLTが大挙して輸入される、なんてことになるような気がするからだ。
 
それに負けまいと、欧州材ラミナを輸入して、国内でCLTを生産する……状況が起きるかもしれない。
 
国産材のCLTなんぞ、ほとんど普及しない、いや生産されないかもなあ。
 
TPPにRCEP?EPA、FTA、CLT!!!
これをつなぐとティピーピーアールシーイーピーイーピーエーエフティーエーシーエルティ
さあ、皆さん声に出して!
 

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コメント

正に『ズバリのご指摘だ』と私は感じます。

この間の日曜日・朝の番組を見ていて思ったのですが、
→国産CLTには幾つかの課題が『やはり、ある』。
課題克服に努力する企業(社長)の行動振りを見るにつけ・・・

●(先導する)海外から輸入するという選択肢もあるし、
(日本国内)エンドドユーザーにとって見れば、それでも構わないと思うのです。

CLTを推進する会社自体が、輸入ラミナを使ってCLTを作りたがっている様子でしたかねえ(~_~;)。
 
CLTが建材としてどれほど使われるかもはっきりしませんが、その素材として国産材の生産や価格がどこまで伸びるか、怪しいものです。
やっぱりEPACLT! とピコ太郎のように叫ぶのが一番かと。。。

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