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2017/02/02

人材と木材の非正規雇用

アメリカはトランプ大統領で大混乱……という報道が続くが、ふと目にした記事には、アメリカの失業率は歴史的な低水準で、ほぼ完全雇用状態だとあった。2016年の米国の失業率は4.9%で、2010年の9.6%からほぼ半減しているのだ。長期失業数も2010年4月に戦後最悪の680万人だったが、昨年12月には183万人に減少の一途。
 
トランプ大統領の最大のお題目は、アメリカ国民に雇用を! ではなかったのか。
 
ようするにアメリカの労働問題は失業ではなく、低賃金・低収入層の増加なのだ。
ところがトランプの唱えるのは、前世紀的な製造業の雇用を増やすことであり、これは低賃金の労働者を増やすことにつながりかねない。
 
 
こんな点だけでも、トランプ大統領のいい加減さが読み取れるのだが、なんのことはない、日本と同じではないか。日本も失業率は下がっているのだ。
 
日本の政府首脳は「失業率はこんなに下がった」「こんなに雇用を増やした」と唱えている。それなのに経済は好転しない。なぜなら、国民の収入が低いままで購買力がつかないから。ついでに人口減。
 
 
Photo (世界経済のネタ帳より)
  
日本でも労働問題は、失業率ではなく低賃金なのだ。いわゆるワーキングプアである。働いているけど、貧乏。
それなのに政策は、単に雇用の数を増やすことだけをめざす。その手法は非正規雇用を増やすこと。(それがとりあえず歓迎されたのは、失業者が急増した2000年前後の緊急時だけだ。)今や非正規雇用は低賃金の温床である。それなのに、いまだ政策転換が成されていない。
 
 
この話題、各産業の構造でも応用できる。
 
せっかくだから林業で見ると、人材不足を訴えて人材育成を進めているが、そこで求めるのは低賃金現場作業員(ワーカー)だ。将来の森づくりを考える人材育成ではない。高賃金を払わねばならないからか?(仮に作業員の質が高まっても、低賃金にとどめるのだろう。)
 
 
人材だけでなく、木材も同じ。需要は増えている。
 
27
 
ここ十数年で(18%から33%まで)15%も自給率を上げている。それ自体は驚異的だ。
 
ただ生産量は伸びたが、その分を吸収すべき木材需要がはっきり定まっていない。
そこで思いつきのように、バイオマス燃料など低価格の木材需要を増やす政策ばかり推進する。自給率の計算にも、これまで含めていなかった燃料を加える。しかし安いだけでなく、これらは安定的な需要かどうか怪しい。全体の需要そのものは減少が続いているからだ。
すると山主に利益が還元されないから、再造林は進まない。
 
なんか、非正規雇用だから低賃金で、若者は結婚できずに出生率が落ちる……という日本社会の大問題とつながるような話。
 
いわば木材の非正規雇用。人材も木材も、一緒だねえ(笑)。。いや、笑い事じゃない。
 

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