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本の紹介

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2017/02/08

「高齢里山林の林業経営術」から考える里山林業

購入しようと思っても書店にはなく、とうとうAmazonで購入したけど読んでいなかった『高齢里山林の林業経営術』。(~_~;)

ようやく目を通したわけであります。
 
まあ、通して読むというより、写真も多いからパラパラ開いて目を通すだけでも十分ためになる面白い本である。
著者の津布久隆さんは、現在栃木県県西環境森林事務所の環境部長だそうだが、これまでも里山林の管理マニュアルなどを出版している。
 
 
Photo
 
目次を張り付けると、
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はじめに
第一章 里山林のルーツ―農業や暮らしを支えた林
 第1節 農業や自家の資源を得る林分
 第2節 副業的な収入を得る林分
 第3節 屋敷や耕地を保安する林分
 第4節 畜産用の飼料を得る林分
第二章 高齢里山林は、何を伐り、何を残せば良いか
 第1節 森林施業の3つのタイプ
 第2節 中林への改良手順
 第3節 抜き伐りにおける選木基準
第三章 伐った後は、どのように更新させれば良いか
 第1節 更新補助作業
 第2節 天然更新完了基準
 第3節 保育作業
 第4節 被害対策
第四章 伐採木を有価物に―廃棄物にしない方法
 第1節 伐採木は廃棄物か
 第2節 里山樹種の特徴と価値
第五章 木材以外の収入源を探す   ―商品となる特用林産物いろいろ
 第1節 現代の実在事例
 第2節 昭和20年代の特用林産物の復活
第六章 収入を上げるために頭に入れておくべきことは何か
 第1節 材積の測り方―販売の基本
 第2節 材として販売するには
第七章 事例に見る 造林補助金を活用した施業方法
 第1節 事例1 アカシデ-コナラ林の造成の事例
 第2節 事例2 ミズキを収穫した事例
 第3節 写真記録 その他の6事例
むすびにかえて ~高齢里山林亡国論~ 
参考文献 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
 
高齢里山林という言葉が、ちょっと斬新(笑)。
 
たしかに里山林という言葉から連想する(若木の多い)明るい雑木林は、今や消えつつある。どこも高齢化と少子化が進んで暗い気分……じゃない林床になっている。
そんな山でも、やり方次第では収入を得られる経営ができますよ、というのがコンセプトだ。
 
高林、低林、そし中林作業という言葉が出てくるが、これって戦前はよく使われたが今は忘れられた言葉の一つだろう。それを復活させたというのも面白く感じる。
 
我がタナカ山林でも応用できないか、とふと考えるのだが、まあビジネスにするには本気度が必要で、私にはそれだけの気力がない(~_~;)のであった。
 
ただ、様々なアイデアや実例を紹介しているから、それを目にすることで私なりに考えることは多々ある。
 
一つ思いついたのは、ソヨゴである。
西日本では、ナラ枯れが進んだ雑木林では、コナラ類が枯れた後に生えてくるのがソヨゴなのだ。照葉樹だから、これが繁ると林床は暗くなるので嫌われる。
 
実際、ナラ枯れ以前から、タナカ山林ではソヨゴの繁茂が目立った。それを全部伐採してしまって明るい森づくりを始めた。ところが残したシンボルツリー的なコナラやアベマキの大木が今度はナラ枯れに遇う……という悲劇的な状況が進んでいる(~_~;)。一方で、ソヨゴの切株からは萌芽が芽吹いている。放置したら、本格的なソヨゴ林になるかもしれない。
 
私自身はソヨゴは好きな木である。赤い実がきれいだし、照葉樹と言っても、わりと明るい緑の葉をつける。また中低木だから高木林にはならず、わりと扱いやすい。
 
そこでソヨゴ林業なんてのをできないか、と考えたのだ。
 
ソヨゴは成長が早いし、その材は、私が伐ったかぎりはきれいな白っぽくて、緻密な材質だったと思う。太くはならないが、使い道はあるんじゃないか。(本書には載っていないが……。) 
 
 
ちなみに本書をネットで買えるように、サイドバーにリンクをアップしてある。

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コメント

著者の津布久です。お買い上げいただき誠にありがとうございます。本屋にはなかったでしょ。私も自分の本を本屋で見たことはありません(笑)。ソヨゴ林業。期待してます!

ソヨゴの利用例、見つけてくださいよ。
養蜂家は、ソヨゴの蜜を採ったりするのだけど、山主には還元されませんからね。材も使えそうにお申し、花や実は華道の素材とかになりませんか。

>ソヨゴの利用例、見つけてくださいよ。
いろいろ考えてみましたが、「生業」にできるかというと疑問符ですね・・・
それに、もしここで「ここだけの話ですが○○なら大儲け確実のはずです。」などと書いてしまったら、競争相手続出ですよ。
儲け話は内緒話でしましょ。

ケチ(笑)。

でも、材は緻密だし葉や実も可愛いし。いっそ、自ら養蜂を始めるとか。
まあ、アイデアをいくら開陳しても、実行力が伴わないとね。

昨日、埼玉県三芳町の平地林所有者の皆さんとお話ししたのですが、その中の年輩の方が「昔のヤマ(この地域の平地林の愛称)は今の樹高の半分くらいだったので、見通しが良く、家から富士山や筑波山が見えた」と言ってました。う~ん。納得ですね。

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