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森と林業の本

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2017/04/30

「小屋」の可能性

本屋でふと見かけた雑誌……いや、ムック。思わず買ってしまった。

 
Img001
 
モノ・マガジンの特集記事を集めたもののようだが、「小屋」である(笑)。
 
いや、これがなかなか見せるのだ。(注・まだ読んでいない。どちらかというと眺めて楽しむ本か)
小屋と一口に言っても、実にバラエティがある。倉庫のようなものや作業小屋から始まり、家畜の飼育小屋、山小屋、炭焼き小屋、そして美しい別荘かコテージ、ツリーハウス、キャンピングカーのような自動車、屋台、家の中の小屋……。作り方も、コンテナ改造からオシャレなハンドメイド、藁や土でつくったエスニックな代物まで紹介している。
 
いやいや、日本だって縄文・弥生時代の竪穴式住居というのは「小屋」だ。
 
1 鹿児島・縄文時代の上野原遺跡
 
思えば、私がかつてボルネオやソロモンで地元民の村に転がり込んで居候した場所も、たいてい小屋だった。ニッパヤシなどで葺いた高床式の家だが、広さからすると、ほぼ小屋の部類である。妙に心地よいのである。
 
2 ソロモン諸島シンボ島のニッパハウス
 
 
さて私が本書でちょっと現実的&気に入ったのは、小屋というより書斎?
 
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周りがみんな棚になっていたら、さぞかし仕事が進むだろう……?
私は、資料類をデスクの周辺に積み上げたりばらまく癖がある。ちゃんと直すと忘れてしまうので、身近なところに置きたいのだ。また使い終わったものは、後背に投げる。かくして、数日ごとに片づけないと思いっきり散らかるのだが、こんな仕事スペースなら救われるんじゃね?
 
ま、これが置けるほどの廣井仕事部屋がいるのだが。
 
 
閑話休題。
 
小屋というのは、意外や日本人の感性に合うのではないか、と思った。大きな邸宅よりか小屋の方が楽しげなのだ。何やらドラマが展開される。あるいは建てるまでのストーリーが浮かぶ。
 
そして、小屋ならまだまだ需要があるのではないか。住宅建設は年々減少している。かつて毎年100万棟も建っていたのが異常なのだが、現在は80万棟くらいか。今後、急カーブで落ちていき、予測では40万~20万棟まで縮小すると言われている。
 
つまり住宅に頼る木材需要もその分だけ減るということだ。
 
もちろん、その対策に非住宅建設のほか、土木資材だとかリフォーム資材だとか、いろいろ提案されているが、「小屋」需要というのを考えても良いのではないか。
 
すでに一戸建て住宅に住んでいる人でも、家の中や庭に小屋を建てるという提案をすれば需要を喚起できないか。
 
小さな山林に、一坪か二坪の小屋を建てる(あるいは建てたものを運び置く)だけで、別荘になる。こんな小屋の大きさなら建築基準法も該当しないし、地目なども気にせず建てられるところがたくさんある。
 
キットにして、購入者が簡単に組み立てるものでもよい。
 
すでに、そんな商品も販売されているが、もっと大々的にブームをつくれば、木材需要の数%を占める程度なら可能ではないか?  これぞイノベーションである。
 
 

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コメント

建築基準法では10平米以下であれば適用されません。それともう一つの方法は都市計画区域外であれば建築確認を必要としないことになります。建築基準法の適用を受けるとしても、確認申請を必要としません。このことは建物強度や住環境を満たしていれば様々な家が建築可能であるということです。決められた建築工法ではなく独特の家を作ることが可能なのです。
そして都市計画区域外などの過疎地に家を作るもう一つの大事なところはコストがかからないことです。作るときのコストでなく維持するためのコストです。その最たるものは固定資産税です。過疎地で不動産価値のない家を持つことがこれからの主流ではないでしょうか。
生活に困ってもホームレスにはならないのですから。

ええ、建築基準法をスルーできる建築物として大いに推奨したいと思います(^o^)。

老後の最後の砦としての過疎地の「小屋」……。本気で考えてしまいますねえ。逆に見れば、過疎地の人を呼び込む方策としても使えるかもしれん。移住したら「小屋」プレゼント!

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