昨日の大学生との対話の中で、まちづくりの話題も出た。
まちづくりにも興味があるということなのだが、私もそれなりに持論を持つ。
それは。。。
まちづくりの主役は不動産屋、ということだ。
決して行政ではない。NPOのような市民運動でもない。
ま、この場合の「まち」がどこかに寄るのだが、ある程度の都会を舞台として見た場合、遊休地や空き家を有効活用して、できれはビジネスとして経済的に寄与することが、まちづくりと考えるからだ。
人が集まる店を入れる、住宅やオフィスなどにして賃貸・売買取引の物件に仕立てる……それにより地域を豊かにするのが「まちづくり」だ。
そんな仕事を担うのは何か。一般的な職業で言えば不動産屋ではないか。遊休物件を使いたい人や法人に斡旋する、いやその前に物件を手直しして魅力的に変える。もっと踏み込むと、街に必要な業界を呼び込み街の魅力を高める。
その結果、街の魅力が不動産の価格にも反映されれば、不動産屋だって儲かる。
この過程は、あくまでビジネスとして展開しなければならない。補助金を当てにして開発しようとしたら、その時点でゲームオーバーだろう。物件の基礎的なインフラ整備(たとえば道路整備とか地下にあった有毒物質の除去とかゴミの撤去……など)のために資金が必要なケースもあるが、そのための税金投入は「投資」として受け入れるべきだ。リフォーム、リノベーションなとに補助金は厳禁だろう。
では、同じことを山村・森づくりに適用すれば誰が主役になるだろう。
まずやるべきことは、利益を生まない森林として放置されている「物件」を魅力的に仕立て直すことだ。そして、その魅力に惹かれる法人・投資家などを斡旋して森林を流動化させる。その過程で経済的な恩恵を地域に落として山村活性化につなげる……そんなイメージだ。
ただし魅力的な森というのは、木材生産できる森というのとは違うだろう。林業で失敗した森なのだから、まったく別の魅力を付与して、林業界・木材業界とは違う業界に売るか貸し出さないと、活性化につながらない。
たとえば見映えのよい森に仕立てて、CSR的に森を欲しがる法人に貸し付けるビジネスというのもありなのではないか。あるいは天然水を汲み出せるようにするとか、教育に使うとか、キャンプ場などレジャー業も考えられる。その森で新規ビジネスを展開することで雇用などを生み出す。
そのためには土地の所有権と利用権(もしくは立木権)を分離して扱える仕掛けも必要かもしれない。吉野的には「借地林業」と同じ発想だ。
そんなイメージで森づくりを行なうなら、担い手は地方の金融機関ではないか。山村の荒れた森を街の小金を溜めた中小企業に斡旋するビジネスである。小金もない相手には融資すれば、金融機関としてもうま味がある(笑)。
行政がその役割を果たそうとしても企業情報を持っていないから上手くいかないし、おそらくお金が地域に落ちない。やるべきは地方銀行、信用金庫、信用組合……いろいろあるではないか。農林業、そして農山村を活性化させれば、自らのヒジネスにもつながる。
……ま、そんな妄想を拡げているのだが、実際の金融機関にそんな志を見せるところは見つからないね。
農業にはJAが有り、金融はじめ「よろず扱い」ですから『農業不動産屋』も直ぐでしょうが、林業ならば『森林組合ジャパン』ですかね?!
投稿: ベンツ仙人 | 2017/04/04 09:18
JAはみんな丸抱えしてしまうから失敗するのですよ。新規事業をやりたい業種を呼び込む斡旋業務が必要ですから。
森林組合なんぞは、まったく能力的に無理。あくまで施業の一部分を請け負うコマでしょう。ほかに起業者やフォレスター、許認可の行政を巻き込んでコーディネートできるのは……地銀ぐらいじゃないかと思うんですけどね。
投稿: 田中淳夫 | 2017/04/04 09:31
引用■全国の林業事情を最もよく反映していると認められる市町村を選定し、山林素地価格は用材林地(針葉樹林地)・薪炭林地(広葉樹林地)別、山元立木価格は杉・桧・松・薪炭材別の3月末現在の価格について調査し、公表しています。■引用終わり
上記を発見しましたので引用・記します。
参考になれば幸いです。
投稿: | 2017/04/05 12:56