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森と林業と動物の本

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2017/04/12

奈良の鹿のTPO

奈良・東大寺の南大門前で見かけた光景。

 
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参道に鎖で囲まれた円があり、ところどころ鎖の環の中に松が生えている。参道の松並木を囲んだのではないかと思うのだが、松のない環もある。もしかして松が枯れて伐採してしまったのか。それでも鎖の環だけ残したのか。ともかく内部は人が踏まないから草が生えているのである……。
 
で、不思議なのは、その鎖の円の中に鹿がくつろいでいること。鎖が結界?のようになり、この中にいたら人間に触られないので快適なのかもしれない。奈良の鹿は人に触られても平気、と思われているが、やはりストレスなんだろう(^o^)。
面白いのは、それぞれ一匹ずつ収まっていることだ。決して複数の鹿が入ることはないよう。それぞれ自らのテリトリーとしているか。群をつくる動物とはいえ、自分だけの空間もほしいのかも。
 
 
鹿も、人に平気で触らせるときと、触らせない(触ろうとすると逃げる)ときがある。
各鹿の性格の違いかと思ったが、同じ鹿でも場所によって対応が変わるのだそうだ。たとえば東大寺の前では人に触らせる鹿が、若草山に行くと、人が近づいただけでも逃げる。群の大きさにもよるらしい。気にしないように見えて、警戒心も強いのだ。
 
客の前では愛想をふりまく芸人が、私生活では人嫌いだったりするのと似た感じ?(……ちょっと違うか。。。)
鹿だって、TPO(時と場所と場合)をわきまえているのだ(笑)。
 
 
なぜ、そんなことがわかるかって?
 
答の一端は、この鹿の姿から推察してくれ。
 
7
 
首に掛かっているのは……?
 
4_2  
 
発信機だ。これ、電波を受信すると、現在位置が把握できる。これで、各個体のホームレンジ(行動空間)を調査するために付けられたのである。(ちなみにホームレンジは、個体自身が自らの領域とするテリトリーとは別。)
 
鹿の移動と行動を調べたら、また新たな姿が見えてくる。

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