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2017/04/09

奈良の鹿への餌やり禁止に?

ヨミウリオンラインに、こんなニュースが流れた。

 
 
冒頭を引用すると、
 
国の天然記念物に指定されている奈良公園(奈良市)のシカが観光客から菓子を与えられ、病気になるケースなどが相次いでいるとして、公園を管理する奈良県は、園内で販売されている「鹿せんべい」以外の餌付けを条例で禁止する方針を固めた。
公園のルールを定めた県立都市公園条例を改正し、違反者には5万円以下の過料(行政罰)を科すことを検討しており、2018年度からの施行を目指すとしている。
 
餌付け禁止という言葉はちょっと誤解があって、ようするに野放図な餌をやる行為を禁止するということだ。
これ、現場を知らないとピンと来ないかもしれないが、観光客がシカに餌を与えるケースは多い。しかし、シカが香辛料のきいたスナック菓子などを食べると、病気になって死ぬことがある。また菓子の臭いのついたビニール袋も食べてしまう危険がある。
 
ただ問題は観光客だけではないのだ。わざわざ遠くから軽トラで「餌」を運んでくる人がいるのだ。多くはパン屑とか野菜屑だが、ようはゴミである。大量に持ち込んでシカの群にばらまいている。
 
同じことは、ノラネコやハト、カラス、イノシシ相手にも起きているのだが、ようは動物に餌をやることで快感を感じる人たちがいるらしい。かわいいから、という理由を口にするが、彼らは、実は動物について深く考えていなくて、それで肝心の動物が病気になったり、増えすぎて糞をまき散らしたり、農作物や草木を食べるなど迷惑をかけることなど気にしない。単に自分が「餌を与える立場」に立ちたいだけだろう。
 
その結果、記事のように病気になるケースもあるが、むしろ妙な餌付けになってしまうことが問題だろう。ごみ箱あさりを教えるようなものだし、栄養も偏る。
 
加えて奈良公園では、シカの頭数が増えすぎて食べ物が足りなくなっている問題もある。だから樹木の若葉や樹皮、なかには飢えて枯れ葉まで食べている。そこに中途半端な餌やりをされたら、自然界の摂理としての頭数調整が進まない。
 
同時に「鹿せんべい」利権をおびやかす問題もある(⌒ー⌒)。
「鹿せんべい」の販売は、決まった業者メンバーに限られていて、新規参入は難しい。ちなみに、せんべいには奈良の鹿愛護会の証紙が巻かれていて、それが会の収入源にもなっている。一束150円だが、そのうち50円が愛護会の収入だ。この収入などで愛護会は奈良の鹿の保護活動を行なっている。
ところが、公園外では証紙を張っていない鹿せんべいを売る業者も現れた。かくして仁義なき戦いが始まるのであった……。(今回の餌やり禁止案が、そこまで考えているのかどうかはわからない。)
 
 
15
 
さて、本当に餌やり禁止にするためには条例制定をしなくてはならないから、まだ決定とは言えない。記事は少々先走ったような気もするが、これが施行されたら鹿を取り巻く環境はどうなるだろうか。

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